12/13は「ふたご座流星群」の日だったそうだ。
私は失念していて流れ星を一つも見られなかったが、この日ハロプロの大きな星がまた一つ流れて消えた。
そう。この日は『モーニング娘。'21コンサート Teenage Solution~佐藤優樹 卒業スペシャル~』が日本武道館で行われたのだ。
私は例によって埼玉県内のライブビューイングで観た。武道館に行きたい気持ちは山々だったが、私よりも佐藤優樹を強く推している人はいっぱいいるので、最初から申し込みを諦めていた。
私にとっての佐藤優樹は「まーどぅーコンビ」の工藤遥の相方としての存在が大きい。
これはまったく私の個人的な見方なのであまり共感する人は少ないと思うが、”まーどぅーコンビ”の歴史とは最初にオーディションで出会った時はあまりに自分と正反対な個性をもつまーちゃんに反感を持っていたどぅーが、次第にその性格を理解して寛容になり、またその類い稀な才能に気づいて敬意と羨望を抱くようにもなり、しまいには彼女の最も良き理解者になっていった歴史だった。
工藤遥が卒業した後の握手会などで「まーちゃんが寂しがっていたよ」などと言ってくる人が何人かいたそうだ。それはどぅーに対するある種の気遣いから言ってくれたのだとわかっていたから、それに面と向かって言い返すことはなかったが、実は内心モヤモヤした物を感じていたそうだ。「まーの何を知ってるんだよ。あの子はそんなに弱くない」と。今回の決断にもどれだけ勇気が必要だったか、「それって強くないとできない」と。
そんな工藤遥はこの日は残念ながら仕事で東京を離れているので武道館には来られなかったが、遠い地から誰よりも強いパワーを送っているそうだ。
さて、また例によって何の権限もない私がまーちゃんに勝手な称号を送らせてもらうと「モーニング娘。及びハロプロの愛すべきトリックスター」。
”トリックスター”にはペテン師や詐欺師のような悪い意味もあるが、本来は神話や伝説に登場する”いたずら者”で時には国王や神話の主要な神々を困らせる存在ではあるが、その既成の価値観にとらわれない自由な発想や行動で新しい道具や習慣を生み出す”文化英雄”としての側面もある。
ハロプロにおける佐藤優樹とはまさにそのような存在だったのではないか?
スタッフやメンバーに叱られた回数では間違いなくハロプロ史上ダントツ1位だろうが、ファンや後輩を魅了しその支持を得ることに関してもダントツ1位だったと思う。
そしてこの日の卒業公演でも最後までやらかしてくれた。ライブも終盤になり1人1人がこの日の感想を述べる場面で12期の野中美紀の感想の後、まーちゃんがいきなりしゃべりだすと11期の小田さくらが「次、私の番ですぅ~!」と申し訳なさそうな声を上げた。小田ちゃんにしても相手が今日の主役だけに言いにくかったようだ。
しかし10年やってきてもまだ段取りを間違えるのが佐藤優樹という人なのだ。
このライブでは通常の卒コンのようなセレモニーはなかったが、これもまーちゃんの「いつものモーニング。娘のコンサートとして終えたい」という希望によるもので、湿っぽくならずに最後まで明るく楽しいライブにするというのもまーちゃんらしい終わり方かなと思われた。
先日のJuice=Juice金澤朋子の卒コンでも「本番以外は全部泣いていた」(植村あかり談)というかなともが本番だけは最後まで泣かずに自分の務めを果たしていた。
今までまーちゃんは他のメンバーの卒コンでも泣かなかったので、今回も本人の意向通り涙なしで終わるだろうと思われた。
ところがダブルアンコールのソロ曲『笑顔の君は太陽さ』を歌いながらメンバーやお世話になったスタッフへの感謝の言葉を述べて、最後につんく♂に向けて「つんく♂さん、私をたくさんの幸せな楽曲と出会わせてくれて、ありがとうございました」と言った時、声がふるえてその目に光るものが。。
…泣いた!まーちゃんが…泣いた。あのまーちゃんが。。
誰よりもつんく♂の楽曲を愛していたまーちゃん。自分の感情を素直に出すのが苦手だったまーちゃんは、大好きなつんく♂の楽曲を歌う時に自分の感情を思いっ切り込めていた。その長年の想いが一気にあふれ出たようなこの時の涙。この日一番の感動のシーンだった。(私も思わずもらい泣きした)
佐藤優樹さん。あなたの大切な10年間をモーニング娘。に捧げてくれて、ありがとう。
そしてまたいつか、必ずどこかでお会いしましょう。
その時まで ばぁ~い