マネー・モンスター(原題名:Money Monster '16年6月MOVIX京都) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。



ようやく書けた~

楽しみにしていた金融サスペンス(お前の好きなジャンルはこれかい)だったので、
見ごたえありました。


映画冒頭でジョジクルが、ヘタクソダンスを踊るのですが、これジョジクルが自分で
振付けたそうですよwwwww

あ、あまりにもイタ過ぎる(涙)

ジョジクル+ジュリア、
『オーシャンズシリーズ』以来の共演ですが、
マストロヤンニ+ローレンと化している気がするこの映画。

予告編はこちら、あらすじ行ってみる




全米でトップを競う視聴率を誇る財テク番組『マネーモンスター』。

パーソナリティを務めるゲイツ(ジョージ・クルーニー)は、おふざけや巧みな話術を交え、
株価予想や成長株のアドバイスをしていた。

アドレナリン全開の番組の雰囲気と違い、番組制作サイドは倦怠感が漂っていた。

毎回、台本を無視して、つっぱしるゲイツにディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)は、

今度こそ台本通りにやって

と、ゲイツにクギを刺すものの、毎回番組冒頭の『大袈裟なウケないダジャレ』につき合わされ、
仕事のしやすい別の局から声がかかった事を、きっかけに他局に移ろうとしていた。


プロデューサーのロン(クリストファー・デンハム)は、番組ではハイテンションだが、裏に回ると
冴えないゲイツをエロネタで盛り上げようと、FDAから認可が降りたばかりだという勃○薬を持ち出し
ゲイツに薦めてくる。


そうやって番組は、いつもの様に、ゲイツのダジャレから始まった。

今日は、先日ゲイツが番組内で大風呂敷を広げ視聴者に薦めたアイビス社の株が、75ドルから
8ドル40セントに大暴落した、謝罪会見をしなければいけない日でもある。


アイビス社は自社株を他の会社に投資する事で急成長した投資会社であり、今回の暴落は表向きはアルゴリズム取引のバクだという事になっていた。

責任の所在を、隠そうとするアイビス・財務責任者グッドロー(デニス・ボウスカリス)は、
社のスポークスウーマン・ダイアン(カトリーナ・バルフェ)に、
番組には事態を遠まわしに説明する様に指示していた。


番組の裏方は、アイビス社のCEO・キャンビー(ドミニク・ウェスト)は数日前からジュネーブ出張で連絡が取れず、
代わりに、ダイアンに出演させる段取りでいた。

ゲイツは、そんな日であるにも関わらず、下らないダンスをショーガールとドサ周りよろしく踊り、
意気揚々と本日の株価予想について、ベラベラ喋り始めた。


ようやくゲイツのアドリブが終わった頃、1人の若者が配送業者を装いスタジオに入ってきた。

スタッフの1人や2人、クビになった所で気にしない守衛たち、パティや他のスタッフも、最初は、その若者を、
『ゲイツのいつもの番組の中の悪ふざけ』と思ってスルーしていた。


が、男は突如、拳銃を撃ち、スタジオをジャック。放送を続けなければゲイツを殺すと脅す。

男の名はカイル(ジャック・オコンネル)。彼は

ゲイツが、先日番組内で、『銀行より安全』と口八丁で宣伝したアイビス株の話を信じ


6万ドル投資して一晩で財産の殆どを失った男



カイルの要求は、暴落で失われた8億ドルを用意する事、そして暴落のからくりをメディアを通して暴露する事だった。


緊急事態に、パティはカメラマン・レニー(レニー・ベニート)と、テクニカルエンジニア・サム(キャセイ・ウォーカーJr)、
らはスタジオ内に残し、外の見張りとして女性アシスタントのブリー(コンラット・ラシャド)を付け、
他のスタッフを避難させる。


事件の通報を受け、NYPDのパウエル巡査(ジャンカルロ・エスポジート)が交渉人ネルソン(クリス・ベニート)を
つれてくるが、逆効果で、カイルは、ゲイツやアイビス社の者とのみ交渉を行なうと怒り狂う。


NYPDは、交渉を諦めカイルを狙撃する方向で動こうとするが、その前にゲイツの身体に巻かれた爆弾の起爆装置を狙おうとしていた。

巧く命中したとしても弾はゲイツの腎臓を貫通し、出血死する危険性がある。

皮肉にも、番組の視聴率は、うなぎのぼりとなっていた。

警察までもが、何千人の命を救うために、犯人だけでなく司会者を殺すという危険な賭けに出ようとしていた。


一方、パティはイヤフォンを通じてゲイツに、時間を稼ぐように指示。

スタッフにはアイビス社の情報を集める様に指示した。

アイビス株のアルゴリズムを組んだクウォンツ(金融工学者)が判れば、今回の原因が判るかもしれない。

パティは、遠まわしに原因を説明し、カイルをまたもや怒らせるダイアンに、アイビス社のクウォンツを
探し出す様、懇願するのだが・・・


以下ネタバレです。


映画の冒頭は

一見関係がないと思われる人物や出来事の日常が、ランダムに映し出されていく。

電子証券取引のイメージ、僻地でのテロ、香港のクラブで女と戯れる男、テレビゲームに興じている
2人組の男、そして本作の舞台となる金融TVショーの舞台裏。


映画のクライマックスで、これらが全部繋がるのが、圧巻。

その様は、判らなかったパズルのピースが埋まる様でもあるのだけど、それ以上に見所なのが

1つずつ謎が解ける度に、社会に埋もれている格差、闇、哀しみの
理由が浮き彫りになっていく


・・・という事なんだろうと思う。


これが判るか、判らないかで、この映画のレビューが変わってくる所なんだけど。


ジョジクル演じるゲイツは、やってる事はショーなのにジャーナリズムと勘違いしている痛い男。

本人自身も、それに薄々と気がついていているし嫌気もさしている、そんな彼に贖罪のチャンスが訪れるのが、番組をジャックされる事件。


この手のショー化した番組や『こうすればチョロと儲かる系』のペラい金融マガジンは、金融商品の中で、購買層別に、どの商品がオススメなのか少々色つけて
、紹介はするけど

それを読んで+見て『投資するかしないか、額面、時期を決める』のは本人の自由。

お金そのものは100%人の手で決まるわけでもないし、市場は弱小投資家がコントロールできるわけでもない。

視聴者や雑誌であれば購読者が『そのとおりにならなかったじゃないか(激怒)』と
怒ろうものなら

ああ、そうなの?まぁそういうコトになるリスクってあるんじゃない?

という極端な例がこの映画の舞台となる金融ショー『マネーモンスター』の無責任さ
たる所以。

が、世の中は、目をサラの様にしてみれば『マネーモンスター』以上に
酷い金融商品だってある。


カイルが全財産をかけてパーになった話を一方的に『こいつバカじゃないqqqq』と
コキおろしているレビューを、あっちこっちで見るのだけど、これ、そんなに簡単に言えることだろうか?


カイルの様に、ショー化した金融番組に全財産賭ける人間は殆どいないだろうと思うし、
しかるべき教育を受けているものであれば、ウォーレン・バフェットの様な富豪が何故あそこまで富を
築けたのか、少なくとも、この手の金融ショーのお陰でない事は判るはずだ。

ここまでいかなくても『自分へのご褒美名義』でワケの判らないお買物出費をした挙句に当たらない宝くじや馬券を頻繁に買って賢い運用が出来ない人は、カイルを笑えない素因を持っているといっても過言ではない。


カイルが犯行に及んだ原因は、警察に連れられて来た、カイルの恋人・モーリ(エメリー・メード)の暴言で明らかだ。

女々しく甲斐性はないが、真面目に働く事だけは取り得のカイルを彼女は大目にみていた。

しかし彼の母親が残した財産を全額、株に費やすと言い出し、大損失を出した挙句に犯行に及んだ彼に対して、彼女は堪忍袋の尾が切れ


あんたみたいないくじなし、死んでしまえばいい


と、怒鳴り散らし去っていく。

厚かましくも、こんな事をしでかしても彼女だけは味方でいてくれると思ったカイルは抜け殻の様になり、茫然となる。


何をやっても、『自分の傍らにいる女性だけは全て許してくれる』と思うのは、ゲイツもまた同じ。

この前のシーンで、カイルとゲイツが『金がある事が、幸福か不幸か』
という事について語る場面がある。


仕事三昧で、テレビでいい加減な事を言いまくり、八方美人、浮気もしたゲイツは、私生活ではバツ2。

金はあっても、元妻にも子供にも逢えず、養育費は毎月小切手で送るだけ。それは金があっても不幸なだけ。

仕事でも、本当に自分はスタッフから尊敬される仕事をしているかどうか判らない


形こそ違えど2人とも

強情と不器用が故に不幸になった男


・・・だと思う。


カイルが恋人に暴言を吐かれる場面の後、ゲイツはパティから、
NYPDがカイルを狙撃する前にゲイツの腰についている爆弾の起爆装置を狙撃しようとしている事を知らされる。

もしも起爆装置を狙撃されればゲイツは出血多量で番組生中継中に死んでしまうかもしれない。

ゲイツは、スタジオで倒れるフリをして、カイルを巻き込み、スタジオの表に出る。


スタジオの外に出ると、ゲイツやアイビス社に対する非難の声が街頭のあちこちから怒涛の様に沸き起こっていた。

パティは、ダイアンから香港にいるアイビス社のクウォンツ、ウォン(アーロン・ヨー)と連絡をとった結果、
暴落の原因はアルゴリズムのバグでない事を知る。

しかもダイアンは社内で捜査しようとした時に、グッドローの妨害に遭い、アシスタントのIDや通訳のエイミー(グレタ・リー)のIDを使い、
何とかここまでの真相にたどり着いたというのだ。

アルゴリズムのバグでないばかりか、アイビス社の金が個人名義で8億ドル、一晩にして一気に引き落としがあり、それが
株価暴落の原因なのでは、とウォンは言ったという。

個人名義で8億ドルもの金を動かせるのはただ1人キャンビーしか居なかった。


パティは、社外に居る腕利きのハッカー、デイブ(グランド・ローゼンメイヤー)に頼み、アイビス社の記録を辿ると、暴落のあった翌日

キャンビーの番組出演予定日、ジュネーブの出張のはずが、
南アフリカに出張していた事を突き止める。


ダイアンもまた、空港で社用ジェットで到着したキャンビーを出迎え、彼のパスポートを見て、南アフリカが出張先であることを確認し、パティに連絡を取った。

キャンビーは、アイビス社の記者会見を連邦会議所で開くので『マネーモンスター』に独占取材させると一見好条件なオファーを出してきた。

番組中継スタジオから連邦会議所は、すぐそこ。

ゲイツはカイルを盾に、パティの指示通りに連邦会議所に足を進めていった。


パティは、引き続きテクニカルエンジニアのサムと共に、何故キャンビーが8億ドルもの金を一気に動かす必要があったのかを探る。

すると、南アフリカで起きた鉱山テロ事件が出てきた。

キャンビーは、南アフリカの鉱山テロを引き起こすために自社株を投入し、株価を吊り上げてきた

しかしテロ組織のトップが、資金源がアイビス社であり、アイビス社が自社株の成長目的である事に、
気づいた結果、反旗を翻し、アイビス社からの賄賂を拒否しはじめた。

これが、アイビス社の株が一気に上がり、そして暴落した顛末だった。

連邦会議所に到着したキャンビーを待ち構えるかの様に、玄関先で、ゲイツとカイルは、この事実を
メディアの元に晒す。


カイルは銃をキャンビーに、突きつけ、白日の元に、8億ドルの不正投入の事実を認めさせた。だが、
その直後NYPDの狙撃班の手により狙撃され、命を落とす。

遺体となったカイルの前で、

6万ドルだろうが、8億ドルだろうが、弁償すればいいじゃないかと、はした金の様に吐き捨てるように
言うキャンビーを怒りのあまり殴りつける、ゲイツ。

後日、ゲイツはパティと共に病院のロビーでニュースを見ていた。

一部始終を捉えていた『マネーモンスター』のカメラマン・レニーがインタビューを受けている様子が、
映し出されていた。彼は、ただ伝える事が報道の使命と語っていた。

そして、違う金融番組やニュースが、映し出される。どの番組もかつての『マネーモンスター』の
ような、おちゃらけたショーではない。

坦々と本日の株価と、注目の金融商品をわかりやすく説明していた。その中で、キャンビーの有罪判決を
知らせるニュースもあった。

あれだけ酷い目にあって、またこの手の番組を作るつもり?という感じでゲイツを見るパティ。
彼女は、ヘッドハンティングを蹴って、ゲイツの居る部署に留まっていた。


次はどんな番組作ろうか?


ゲイツが、パティに、そう微笑み返すところで、映画は終わる。


・・・のだけど


うむむむ、ゲイツは反省してる?反省してたのは

ラストだけ

じゃねぇっ?

キャンビーを追い込む時に、パティから『今回はアドリブなしで、アタシの指示したままキャンビーに
質問しなさいよ!』といわれて

そのままキャンビーに質問したら、追い込む事に成功できたという、あのシーンと、


警察の狙撃チームに狙われているのを知って、スタジオから社内のエレベーターを通って逃げる最中、
パティをどう思ってるかゲロったシーンぐらい、じゃないかなぁ???


オレがエロだって事を最初に見抜いたのも彼女だったし、何もいうコトを聞かない強情なオレに愛想を
つかしているのも知ってる。
あれだけ優秀なんだから他の部署から声がかかるのもムリはないし、
でもオレの様な暴走お祭野朗だけがいても番組はなりたたない。

それを彼女を目の当たりにして言うの?認めたくないんだよね、何故かな。


『エレベーターの中だからオフレコだ』と思い込みゲロったら、実はこのゲイツのボヤキ『全世界中に
実況生中継された(滂沱)』というオチ。こ、この二箇所ぐらいしかゲイツは反省してる箇所は、ない、
と思うぞ。

まぁねぇ、今の世の中、報道番組でさえ利益を生まなきゃいけないという事になっているので、
ニュースや事実でさえも、面白おかしく操作される事がいかに危険な事であるかを伝えるには、
面白い題材を扱った映画だと思う。



またこの映画に出て来る男性、ゲイツ、キャンビー、カイルと、これらのキャラクターに共通するのが

お金や目に見える地位名誉で、幸せの尺度を決めようとしている事

だから穴の開いたバケツに水を入れるかの様に、幸せは来ないわけで。


オチとしては、そういうモノだけで幸せって決まるモノでもないよ、と『大きな犠牲』を払って気づいたのが
ゲイツになりますねぇ。


『フォーンブース』と話の作りは似てるんですが、あっちは『人から羨ましいと思われる様な
見かけセレブ感溢れるステイタスで幸せは決まる』と思ってる男が、
地の底に落とされるという話なので。


大きくくくれば

幸せの尺度って、お金とか、他人と比べて『すごーい!』と、そこらじゅうに
響くざーとらしい声でホメる事とか

悪い意味での情報操作で決まるものでもなく、自然にありがたいと思うものだよ

・・・というのがテーマの映画でしたねぇ











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