noma ノーマ~世界を変える料理~('16年5月テアトル梅田) | Que amor con amor se paga

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原題名:NOMA:MY PERFECT STORM

やっと書けた~(@Д@;先週観に行ったというのに(((( ;°Д°))))

長引く夏風邪+溜まった仕事でくたびれて、全くUp出来なかった(涙)


英レストラン誌が選ぶ『世界ベストレストラン50)の第一位に4度輝き、'15年1~2月に、マンダリンオリエンタル赤坂に
限定出店した際には


2000人の予約席に、全世界から6万人以上の予約が入った

・・・という世界一予約の取れない、デンマーク・コペンパーゲンにあるレストラン『noma(現在一時閉店)』の
ドキュメンタリー。


予告編はこちら、あらすじいってみる。





時は'03年


デンマーク出身の食の活動家、クラウス・マイヤーは、北欧料理の知名度の低さに頭を抱えていた。

マイヤーは留学先のパリで美食文化に接し、一念発起する。


デンマークは病気だ。人々は笑って食事をしていない。家族と共に食事をしない、これを変えよう。

マイヤーは、母子家庭に育ち、冷凍野菜と缶詰の肉という当時の北欧では、ごく当たり前の不味い食生活で育った。


フランスから帰国後、マイヤーは、コペンハーゲンのビジネススクールに入学し、ビジネススクールの学食を買取り、
1日700食提供する学食のメニューを改変。

学食のメニューが話題となり、'91年~'97年からメディアに活動の場を移しだした時ぶちあたったのが

自国の料理や食材の知名度の低さだった。


そこでマイヤーが白羽の矢を当てたのはレネ・レゼピ。


『エル・ブリ』でフェラン・アドリアの後を継いだ後、米ナパバレーにある、最も予約の取れないレストランの1つ
『ザ・フレンチ・ランドリー』で修行。


若干25歳ながら才能を見込まれたレゼピは、料理長としてマイヤーの誘いを受け、コペンハーゲンに
12卓45席の小さいレストラン『noma』を開業する。

かつて倉庫だった所に開業したレストランは、簡素な店の作りでテーブルクロスもない。

料理人の国籍はバラバラで、刺青をしているものもいる。

しかし食材を北欧の物に限定するという『noma』の方針は開店当初から美食家の間で反発を招いた。

『アザラシ野朗』、『鯨の脂身レストラン』と揶揄され、レゼピは一時、シェフを続けていく事すら疑問に感じていた。


行き詰った彼は、北限グリーンランドを訪れ、生まれて始めてみる雄大な最果ての地の自然に触れ、自らのルーツを再発見する。

レゼピは、イスラム移民の父と、プロテスタントの母の間に、マケドニアの農家に生まれた。

自給自足で緑豊かな土地の暮らしは、村全体が穏やかで緩い繋がりがあった。

最果ての地で、故郷の暮らしを思い起こしたレゼピは、地産地消、身土不ニの理念に基づき、
なおかつ季節感あふれ、美しい料理を『noma』で提供しようと決める。


彼の材料選びの、コンセプトは厳しく、ハーブ1つでさえも、純粋な北欧産を求めた。

純粋な国産の食材を真面目に提供してくれる人間であれば、少々変わっている人にでも喜んで手を差し伸べた。

材料の調達振りは徹底していて、今ブルーベリーが採れないのであれば出さない。その代わりになる国産のものを探し、食材の最大限の魅力を引き出す。
それがレゼピのやり方だった。


また本来であれば食材の『すてる箇所』である所も活用する『トラッシュクッキング』も積極的に行い、ピンセットを使い、食用の花まで
北欧産に拘り几帳面に盛り付けた。


『欲しい』と思えば、パソコンやスマホの画面1クリックで何でも届く時代。

あえてそれをしない、手間隙をかけ、フードマイレージを見直し、なおかつ美しさも追求するレゼピの料理、そして彼の調理場のポリシーにまずミシュランが2ツ星をつけ、そして世界が振り向いた。



'10年、レゼピ32歳

『noma』は、『世界のベストレストラン50』1位を獲得する。

No.1になった翌日に10万件の予約が殺到した

料理だけでなく観光、国の経済効果にも影響するといわれるこのレストランランキング。

『noma』は3年連続1位に輝いたものの、それと引き換えに、今までの様な、地産地消、身土不ニの食材選びから
一転し高級路線となってしまう。

店の雰囲気も、ぎくしゃくし始め、レゼピは獲得した名声の維持を恐れる様になる。

ミシュランの三ツ星は要らない、貰えるものなら欲しいが・・・という感じでだ。


悩みぬいた末、『全ての客を最高のもてなしで楽しませる事が出来るなら』と料理に力を注ぎ始めたその時


'13年『noma』で食事をした63人がノロウィルスよる食中毒になるというニュースが流れる。

原因はムール貝だった。

副料理長は原因となったムール貝を調査委員会に突きつけたものの、この年のレストランランキングは2位に転落。

悪評は一気に広まり、予約はなくなり

非情にも、ノロウィルスの原因は店ではなくムール貝だと判っても、世間の反応は暫く冷たいままだった。


しかし落ち込んでばかりもいられない。

『世界一になったら後は落ちるだけ、それがたまたま早く来ただけ』

と、捉えたレゼピは客が来ない間に店をオープンしながら厨房を改造。

毎週土曜に厨房スタッフ同士が行なうメニュー開発ミーティング『サタデーナイトプロジェクト』も
これを機会に強化した。


ムール貝の変わりにレゼピが目をつけた食材がスカンジナビア半島の小粒ながら旨みがあるというウニ

偏屈者の猟師は、妻に『あのnomaが言ってるのだから送って』といわれ、不ぞろいなウニをわざと送った。

しかしレゼピがウニを素直に褒めてくれたのに根負けし、猟師は取引を決めた。


それから『noma』の再起が始まった・・・。


以下ネタバレです


ってもパンフには載ってない結末ぐらいなモノですが(爆)


『noma』の本当の再起は『世界ベストレストラン50』の第一位に、再び返り咲く事。

その前にレゼピは、一度堕ちて良かったと肩の荷が下りたとドキュメンタリーの中で言っている。それは


僕の名前やレストランの名前だけで、予約する人が、今回の事件を
きっかけに来なくなるだろうから。



名前や評判だけで来られると、シェフも本当に評価されていないと肌身で感じるわけなのだね。

ノロの一件で地に落とされたのはショックはショックだけれど、本当の意味で自分の作り出す『味』を
評価してくれる客を獲得し、その後に『ベストレストラン50』のトップに返り咲けたら


そりゃぁ、いうコトないワケで。


そしてレゼピは『ベストレストラン50』の表彰式にスタッフを連れて行く。

自分達が表彰されるかどうか判らない。他のレストランが1位になったとしても祝えよとクギを刺して。

そんなのだから、気が気でないスタッフの中には会場の外に出ている人も居る。今や

ミシュランよりも、世界のベストレストラン50


・・・と呼ばれる程、飲食業界に影響を持つランキング。


'14年、『noma』はついに一位に返り咲く。

映画は、レゼピが今の『noma』を閉店し、ヒッピーの自治区クリスティアニアに
『都会の農場』な計画を立てている所で終わる。


ジャン・レノの、
『シェフ~三ツ星レストランの舞台裏へ、ようこそ~』のパンフの解説で、今や美食の中心はパリじゃぁなく
コペンハーゲンの『noma』だと書いてあった。この映画本国公開年度が'12年。


その『noma』も'15年にランキングは3位、今年は一時閉店、'17年には『都会の農場』として
食材を作り出すレストランとしてオープン予定。


だが、レゼピは、今までメディアで紹介されてきた天才シェフやメディア受けするカリスマシェフの様に
『熱く(もしくは暑く)語る』シェフという印象は、ない。普段はクールで気さくな印象。

まぁ、ただ仕事に関しては、レゼピは、いいモノを作りたいという概念を優先しすぎて、
傲慢な面が目立っているのが、いただけない・・・というか、どなられたスタッフの顔には


・・・こいつ、そこまで言わなくてもいいじゃねぇかよ~(激怒)文句ある+そこまでお大名に怒るならお前がやれや(怒)

・・・という表情が出てるし(涙)


何故レゼピがここまでいいモノを作る為に時として傲慢にならざるを得ないのか

その理由を、レゼピの所に出入りしているプラントハンター(・・・というか花屋)のおじさんが説明している。

このおじさん、コースに出て来る『花のタルト』に使う花を調達しているのだけど、レゼピが花の産地を
『北欧原産』に拘り過ぎて、おじさんが薦めた花でも『これは純粋な北欧産じゃない』と何度か蹴っている話が出てきた。

それについて花屋のおじさんが

レゼピが北欧産にガチンコにこだわりすぎているのは、彼が父親と共に幼少時代にマケドニアからデンマークにやってきて、
イスラム人と差別されたからだろう。

・・・と推測している。

事実レセピは、口にはしないが、レゼピの父親がインタブーで、レゼピが差別を受けていた事を語っているので裏づけは出来ると思う。

その反骨精神が故に『純粋な北欧の素材で世界の人を振り向かせよう』と思った気持ちは判らないでもない。

でも、反骨精神というか、行き過ぎた負けん気が、まだ若いせい+25歳からオーナーシェフをやっていた+
いきなりこんな若さで何十人もの大所帯を任されたからか、傲慢になっている面あった・・・のは


世界に名だたるシェフと言ってもなぁ・・・この毒?みたいなのが良い方向に治ればレゼピは完璧になるのでは

と思いました。もう小さな娘も居ることだし。







進化するレストランNOMA(ノーマ)―日記、レシピ、スナップ写真/レネ・レゼピ

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