スティーブ・ジョブス(原題名:steve jobs '15年2月TOHOシネマズ二条) | Que amor con amor se paga

Que amor con amor se paga

映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。



ジョブスが関わった製品、

'84年、Macintosh発表会

'88年 NeXT Cube発表会

'98年 iMac発表会



プレゼン直前の舞台裏+しくじり+焦り、
ジョブスを取り巻く人間の葛藤に焦点をあてたドラマ。


白熱討論嫌いだと、この映画は相当キツい・・・かもしれん。

ただ『ジョブスが好き』、『iphoneとかApple製品スキ』
・・・というだけで、観れる作りには


なってなかったと思う(滝汗)

何の説明もなしに『ジョブスが関わった仕事、'80年代は
ジコチューだったので、しくじり先生しちゃいましたqqqqq
→'90年代後半からは娘の事考えて製品作ったので、
何とか持ち直しました→気がついたらガンになって死にました』


・・・という怒涛の流れでツっきる映画です。

人物の背景説明ってモノも、あんまり、ない、です(不親切だなぁ)

BGMも相当凝ってて、登場人物の心境や時代背景をよく理解してるので、
そのあたりについては、別枠裏話として
書きたいと思います。


Apple製品が万人にオススメできるわけではないという
のと同じ様に


この映画も万人向けではないんだけど


個人的に、このオチはよかったすよ。


なんつーても、ファス夫(ファスベンダー)には





この手の、ドS男がよくお似合いでwwww


そんなワケで、予告編こちら、あらすじいってみる。



'84年、Macintosh発表の40分前、スティーブ・ジョブス(マイケル・ファスベンダー)は苛立っていた。

先程まで正常に作動していたボイス・デモが、ウンともスンともいわない。

ハード担当のハーツッフェルド(マイケル・スタルバーグ)は、ジョブスに『Hello』で始まらないと意味がない、
もしも駄目だったらプレゼンの席で公開裁判にかけると言わんがばかりに脅しをかける。


ジョブスの支配欲は、プレゼンに留まらなかった。

座席に配布予定の『TIME』誌をマーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)に回収させていた。

パーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれなかった事と、記事の内容が原因だった。

記事の内容は、ジョブスのリード大学在学時の旧友コトキが、ジョブスの高校時代の後輩クリスティアンとの
間に生まれた娘リサを認知していない事について吐いた暴言をリークしたのだった。

プレゼンの事で頭が一杯なジョブスの元にクリスティアン(キャサリン・ウォーターストーン)がリサ(マッケンジー・モス)を連れてやってくる。

自分は巨万の富を築いて、何故私たちは生活保護なのかと。

さらに、AppleⅡチームの主力エンジニアだったウォズ(セス・ローゲン)からは、いきなりチームの
面々を切り捨てた事に対する謝罪をしろと迫られるが、ジョブスはクリスティアンの懇願と同時に、それすらもはねつける。


しかし、デザインの美しさにジョブスがこだわった初代Macintoshは、珍しさで購入したユーザー以外には相手にされなかった。

メモリ不足が深刻な問題となり、アプリを一つ動かすたびにフロッピーディスクを入れ替えないと動作しないという、今では
考えられないトラブルまで起こっていた。

ボイス・デモの時には、デモ用にメモリを増設してのりきったが、販売用のものは増設していないのが仇となった。

業績不振に陥ったApple社は、責任者であるジョブスを取締役会で退社に追い込む事となる。

皮肉にも彼が退社した後、'85年、Macintoshはメモリを増設して改良され、発売される事となった・・・



'88年 NeXT Cube発表会

Apple社を追い出されたジョブスは、株主の意志決定権をにぎる1株だけ残し、他のApple株を売却。

その資金を元手に、企業向けワークステーション『NeXT Cube』を売り出す事にする。

Appleを退職になった時にジョブスについてきたのはジョアンナだけだった。そして今、発表会となり、
Appleの人間がお祝いに来ていると聞き、ジョブスはウォズを指名する。

しかしウォズは、批判したのはジョブスの解雇に関わった弁護士スカリー(ジェフ・ダニエルス)の命令ではなく、自分の率直な気持ちだと打ち明け

マシンを作り、基盤を作ったわけでもないのに、

プレゼンだけして命令をするジョブスが何故天才と崇められるのか

と憤慨し、今日発表するNeXTcubeは失敗作だと通告する。


プレゼンで使う、NeXT cubeの中身はデモ用のプログラムで、中にCPUが入っていない。

おまけに当時としは高額だった記憶媒体光ディスク、プリンターなどが別売りという、機材を誰が買うかということだったのだ。

製品のデザインに細かく拘り、大枚の金を使いロゴをデザインさせるなど、ジョアンナから見ても、製品の売り込み姿勢は本末顛倒。

どの市場も望んでいないものを、強引に売りつける人間としか思えなかった。


9歳になるジョブスの娘リサ(リプリー・ソーボ)は、学校に行かず、会場を歩き回っていた。

'84年のあの騒動の後、ジョブスはクリスティアンに家を買い与え、養育費も払っていた。
しかし
彼女の服装は未だ、だらしなく、何かにつれ金をむしりとろうとするクリスティアンを追い返す。

別れ際リサが『一緒に住みたい』と抱きついてつぶやく姿に、自らも養子という立場で愛を知らずに育ったジョブスは、なす術もなかった。


このNeXT発表時のインタブー映像
こちら



'88年 iMac発表会


プレゼンの前にスタッフとハイタッチするジョブス。

会場の誘導灯を消して、完全な闇にするという願いがようやく叶ったからだ。


2年前、業績不振でスカリーを解雇したAppleが、NeXTを買収。ジョブスがCEOとなっていた。

今度開発したiMacは、透明のケースからハードの中身が見えるとハーツフェルドに意気揚々と説明するジョブス。
昔はロシアンルーレットで殺すとまで言い切ったのに、何なんだろうなという顔をしながらも、ハーツフェルドは、結果として
彼の下でまた働く事になっていた。それには理由があった。

一方ジョアンナは不機嫌だった。iMacの莫大な売り上げ予測、Windowsからの乗換え組予測も聞いているにも関わらずだ。

彼女が不服なのは、仕事の事ではない。仕事の事が原因ならとうの昔に辞めている。

彼女が気になっていたのは、ジョブスの娘・リサ(パーラ・ヘイリー=ジャニーン)の事だった。


今年20になるリサは、ハーバードに通い学内新聞の編集委員もつとめる優秀な学生。

しかし学費を出していたのはハーツフェルドだった。

ジョブスから送られてきた金で旅行三昧の浪費をした挙句に、家まで売り払おうとしていいる母クリスティアンを
止めようともしないリサに腹を立てたジョブスは、学費を出さなかったのだ。

『娘は大学にいく権利はあるだろう』と、言うハーツフェルド。ハーバードは寒く靴下さえも買えない、
と嘆くリサに靴下代も工面した彼に、ジョブスは怒る。


それを聞いていたジョアンナは

リサと仲直りできないのなら、辞めるわ。今まで貴方が夢を実現させて
きたからついてきたけれど、もう沢山



とタンカを切ってしまう。

ジョアンナがリサをつれて来るまでの間、ジョブスはプレゼンの場に戻るが、今度はウォズから、またしても

AppleⅡチームへの謝罪を強要される


ウォズからしてみれば、Appleの屋台骨になったプロジェクトでもあった。それがMac,Lisaと、ジョブスが
持ち込んだプロジェクトで、次々と赤字が出て、その火の粉を被ったとしか思えなかったのだ。

ジョブスはAppleⅡチームは10億ドルの損失を出し、あのまま続けていたら破産だったと言い切る。


ウォズが、君はアルゴリズムもかけなければ基盤も組めないじゃないか、ビートルズでいえば、
ポールでもないと罵っても、ジョブスの耳には届いていなかった。


そんなジョブスの控え室の来たのは、スカリー。iMacの発表の祝いだった。

しかも自分がCEO時代に開発した『ニュートン』を持参して『新品なら高く売れるぞ』とジョブスの机の上に置いた。

スカリーがCEOから外されると同時に『ニュートン』の開発部門はなくなった。
今更恨みはしない、過去の事は水に流すというスカリー。そこにジョアンナが、リサを見つけたと知らせに来る。

スカリーは、何故ニュートンを潰したのかとジョブスに聞くと、ニュートンには手書き入力認証機能が備わっていたからだと、告げてその場を後にした。


ジョブスは、逢いたくないというリサを掴まえ、ようやくリサと対面する。

成長したリサは、昔とは違い、怒りの目を父親にむけていた。

'84年のMacのプレゼン時に回収した、TIME誌のインタビューもオンラインで読み、仕事上では暴君であり独裁者の顔を持つ
父親だったと知った娘は、怒りに震えていた。


どんな事があっても9時にプレゼンをスタートさせてきた、ジョブスは、それでも逃げ続けるリサを
追いかけ続ける。

これを逃がすと、もう娘は自分に逢いに来ないだろう・・・そう考えて。


会場の屋上の駐車場までリサを追いかけたジョブスは、リサが手に持っているウォークマンに気づく。



いつか、近い将来、もっと小さい、ポケットに収まる機械に、100曲、500曲、1000曲入る音楽プレーヤーを作ってあげる。


だからプレゼンを見ていってくれないか・・・


リサは、iMacのプレゼンを舞台袖から観る、そして大観衆に迎え入れられるジョブスと、娘の方にふりかえるジョブスが
光に包まれる形で映画は終わる。



2時間近く登場人物が、怒涛のように喋り捲る映画だったので、こっちもすんごいキンチョーして
観てました(滝汗)


ジョブスを演じるのは、ファースト・チョイスはクリスチャン・ベールだったそうですが、ファス夫にかわったそうで。

クリベだったら、どんなジョブスになったんだろうなぁ・・・


ちなみに
『アシュトン・カッチャーのジョブス』は、モノホンのジョン・スカリーや
ウォズからは『あんなものは映画じゃない』と非難轟々だそうです。

この映画でウォズは、酷い扱いを受けているけれど、映画制作現場に来て
アドバイスをしていたのは、ウォズだったらしい。

ジョブスは未来だけを見ていて、ウォズは、


革新なり、前に進む事も大事だけど、
その為には創造には先人の知恵や力の恩恵もある


という事を、ジョブスにいい続けていた。

誰もが、自分が悪者になるのは嫌がるから、劇中でウォズの様に、
クドクドとは言わない。
何事もなかったかのように流す方が楽だから。

でも、何も作ってないのに、世間様がジョブスを『Apple製品の全てを作った男』みたいに崇めるから
ウォズも余計腹たって、劇中の用に『謝れ~バカヤロ~』とジョブスに喰らい付いた、のではと思うのだ。


ジョブスを演じるファス夫曰く、


ジョブスは四六時中ガードを張らなければいけない状態で、時として
それが傍からみれば、ご乱心という形で、噴出してくる。
人間的側面を出している暇がない


・・・のだろうと。


映画の中で取り上げられたPCは、高い志の元に作られてはいるが、
ジョブスの思うとおりには売れていない。

iPodの兆しとなるモチベーションが僅かにラストシーンに垣間見えるだけで、
iPhone iPadなど、現代を代表するデヴァイスの話はない。


あえて『しくじり先生』的なプロダクトのプレゼンばかりに話を絞ったのは、

どんなに有能な人でも、周囲に心を開いて仕事に挑まない限り、
『え?それ喰えんの???』と思っている人にモノを売り込んだり、仕事を認めてもらったり
することが出来ないのでは


といういい見本だったと思います。