確かに映画の日に、MOVIX観にいったら、同じ時刻に上映の
『柘榴坂の
仇討ち』は満席なのに、
こっちはスッカラカンなのよねぇ・・・
どっちの映画もいいと思うのですが。
Youtubeでみる動画もいいし。
『マンマ・ミーヤ』と同じで、
既存の曲を利用してミュージカルにした、同名のトニー賞4部門受賞の
ジュークボックス・ミュージカルの映画化。
まんま映画化したワケではなく、登場人物4人が、カメラに向かってあらすじを話すという
手法は面白かったと思いますよ。
主張が違う登場人物の言い分が聞ける感じで。
ヴァリ役の人はミュージカルと同じ人なので、歌うといいのに、
ど、どうもお芝居が学校の学芸会ぽくなってるのは拒めないんすが(涙)
まぁ
『レ・ミゼラブル』の時みたいに、ラッセル・クロウだけ、あからさまに『ミュージカルの経験がない』
・・・のが判るキャスティングは悲惨だな・・・てのが今回なかっただけ、ヨシとします。
予告編はこちら、あらすじいってみる。
時は戦後間もない米国
生き抜くためには、何度かブタ箱入りしなくてはいけない街、ニュージャージー・ベルヴィル。
床屋の息子・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)は、歌の才能は持ちつつも、床屋で見習いを
続ける日々。
街の顔役のジップ(クリストファー・ウォーケン)は、そんな彼を見て、いつ息子に鋏を
持たせてやるんだと心配気な目をしていた。
そこに飛び込んで来たのが、ヴァリが最近付き合い始めたトミー(ヴィンセント・ピアッツア)だった。
クラブでギターを弾き歌う彼は、甘いマスクで女に困らない。
そんな彼が目をつけたのがヴァリのだった
しかし敬虔なクリスチャンであるヴァリの母メアリー(キャスリン・ナルドリッチ)は、素行が悪く何度もブタ箱入りして
毎日午前様なトミーと息子の付き合いをよく思わない。
今日も手弁当のミートボールをヴァリに渡し、まだ16なんだから夜の11時までに帰ってきてと送り出す。
最初トニーは、ヴァリをたぶらかし、弟の弟ニッキー(ジョニー・カニツァーロ)と金庫強盗をして来いと
命じるのだが、これが失敗。
二人がずらかった先は、トニーが出入りしているクラブ。
いちかばちかで、トミーは演奏終了直前にヴァリを歌わせる。
それが全ての始まりだった。
ヴォーカルにヴァリ、ベースにニック(マイケル・ロメンダ)、とニッキー、リードにトミーの
4人で『The Four Lovers』として活動する事に、ヴァリは、自分の本名が長いのでVallyに
していたが、クラブで見つけた女性で後の妻となるメアリー(レネ・マリーノ)にValliに
した方がいいといわれ、Valliにする事に。
時は流れ、1956年
トミーの弟のニッキーが脱退し、その代わりにトミーは、親友でボウリング場でイカサマを
働いてた仲間だったジョー・ペシ(ジョセフ・ルッソ)から作曲家のコーディオ(エリック・バーゲン)を
紹介される。
ボウリング場でも既に作曲した曲が流れている彼なら売れる曲は作れるぞと太鼓判を押す
ペシだが、女とその場しのぎの社交術しか見につけていないトミーには今ひとつ判らない。
ビジネスの話を持ち出してくるコーディオにトミーは、不機嫌な態度を隠し切れなかったが、
ヴァリがコーディオの才能を一押しするので、コーディオはメンバーに加わる事となった。
あくまでクラブ演奏にこだわり、場を仕切りたがるトミーとは正反対に、コーディオとヴァリは
これからはレコードの時代だといい、デモテープを各社に送る。
どのレコード会社からもケンもホロロに切り捨てられる中、旧友であるプロデューサーのクリュー(マイク・ドイル)の
コネでようやく、バックコーラスの契約を一年取り付けることが出来た。
バックコーラスを一年やってもパっとしない4人は、地元に帰り、ボウリング場のバンド演奏でも
しようかと、ペシのコネを使おうとするが、ボウリング場のオーナー(ビリー・ガーデル)からは、
もうジュークボックスで間に合ってるといわれ、かつてイカサマをしていた事もバレていた。
そんな時、ボウリング場のネオンが目に入る『The Four Seasons』
バンド名を変えて再出発しようじゃないかと。クリューが指摘してくれたユニットの欠点を
4人は見直すべく立ち上がった、時は1960年になっていた。
ある日、コーディオが打ち合わせに行くまでのバスの中で15分で書き上げた曲があった。
クリューに電話越しで曲を聞かせる日は、この日しかないのに、ぶっつけ本番で
曲を聞かせるなんて、と反対するトミー、だが、やってみるしかないというヴァリ。
その曲が後に各局のラジオで1962年に、ヘビーローテーションとなる『シェリー』だった。
そこからは絶えず名声と栄誉が彼らの後ろにつき、フォー・シーズンスは全米ツアーを組み、
行く先々にはグルーピーが付きまとっていた。
ヴァリの妻であるメアリーは、夫が不貞を働いていると思い、離婚を言い渡す。
この頃を全盛期にし、フォー・シーズンスは下り坂に向かっていく。
それ以前から出ていたほころびが、露見してきたと言っても過言ではなかった。
エド・サリヴァン・ショーに出演する事になった直前、トミーにワックスマン(ドニー・ケア)という
高利貸しが近寄り15万ドル(当時レート360円=5400万円)を返せと言ってくる。
トニーの金銭トラブルは以前からあり、この事件の2年前にもオハイオでの野外コンサートの
時にもトニーの金銭管理の悪さから宿泊代の踏み倒しとなり、メンバーが巻き込まれ、
全員が留置場へいく羽目となっていた。
それだけでなくメンバーの口座にも手を出し2億円近い横領をしただけでなく、
離婚後に、カナダ人記者のロレイン(エリカ・ビッチニーニ)と懇意になっていたヴァリの
間に割って入ったトニーの女性関係のだらしなさは、相変わらずだった。
事態をメンバーだけで解決できないと悟ったヴァリは、ジップに相談しに行く、
『あいつは僕の様に母の瞳は歌えない・・・』
ジップは、トミーにメンバーを脱退し、ベガスで監視体制において借金返済のため
働かせる事を義務付けるのだが、ヴァリが下した決断は意外なものだった・・・
以下ネタバレです
フツーこんな、大酒のみの酒乱野朗で、気が弱くてスケベな男で借金まみれなんて、
どんなイケメンでも、借金返済どころか
死ぬまで人の為に働け、お前の取り分などない
・・・といいたいトコですが、ヴァリはいい人杉なのですねぇ。メンバーに対してはね。
仕事を遂行する家族を全て犠牲にして、家族の命が犠牲になっているので、
これは現代社会では、やっていいコトではないし、美談とはいえないのですが。
ヴァリは、トミーの借金を死ぬまでツアーをしてでも返すといいます。
でもベースのニックは、トミーと10年もツアー中相部屋だったので、もう我慢ならないのです。
こいつが生きてるだけでも我慢ならない。
ホテルのタオルは全部使ってしまう、不潔極まりないし(実際はそうじゃなく、
面々の中でも一番潔癖症だったそうなので、この辺りは極悪人に見せるための
作り話という説もある)一緒にいるのは御免だと。
それよりも、ニックは
ツアーに出る事は家族を犠牲にすることだ
という。これはヴァリに対していったようなものかもしれません。
たまにしか家に帰らないのに父親づらするなと。自分はたまにしか帰れないから、自分の子供には、
おじさんだとウソをついている。そのほうが子供は傷つかないだろ?と。
ヴァリは、ニックにも脱退され、コーディオは作曲の担当になり、スタジオミュージシャンを雇うこととなり、
バンド名も『フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズ』と改名しなくてはいけなくなる。
国内ツアーを回っている最中に、離婚した妻から、17歳になった娘・フランシーヌ
(フレイヤ・ティングレイ)がドラッグ中毒になりNYに家出してきていると連絡をうけるヴァリ。
10年前(エリザベス・ハンター)までは、自分の方を向いてくれた娘も、今は全く見向きもしない。
父親らしきことは一切せず、ツアーで家を空けてばかりだった事を悔やむヴァリ。
お前はパパの声とママの美貌を受け継いでいるんだから絶対に歌手になれるよ、といい、
コーディオにレッスンの手配をさせるのだが、時すでに遅し、フランシーヌは、ドラッグが元で
この世を去ってしまう。
2年かけて、トミーの借金を全て返済し終わったヴァリは、もはや歌う気力すら
残されていなかった。
そんな彼にコーディオは、1つの曲を持ってくる。
それが『君の瞳に恋してる』だった。題名は知らなくても、あ~あの曲ねの曲である。
そこからヴァリは再び快進撃を遂げていく。
そして月日は流れ、1990年、ロックの殿堂で、元のフォーシーズンズは再会することとなる。
4人は1964年に1位だった『悲しきラグ・ドール(Rag Doll)』を歌う。
4人は、あれからどうなったか
トミーは、あれだけアゴでコキつかっていたジョー・ペシが俳優として出世し、彼の元で
働く事となった。
ニックは家族と共に暮らしている、コーディオは、ナッシュビルで家族と隠居生活。
ヴァリは結婚離婚を繰り返し、現在に至るが、
街頭で歌っていたあの頃が一番幸せだったんじゃないかと語る
画面はフケメイクのキャストが一気に若返り、『愛はまぼろし』を歌う4人の姿から、
エンディングクレジットとなり、エンディングクレジットは、1963年12月のヒット曲
『あのすばらしき夜』をオールキャスト出演のミュージカル調のエンディングで
終わる。
・・・映画と実在のフォー・シーズンスの出来事ではいくつか食い違う点は
あるのですが、ソコをツっこむと話にならんので(爆)
トミーが借金返済の為にギャンブルまみれの街ベガスにというのは、どう考えても可笑しい話だし
(本当はトミーの両親は当時ベガスに居た)、
君の瞳に恋してる(Can't take my eyes off of you)がヒットしたのは'67年、
ヴァリの娘のフランシーヌが亡くなったのは80年なので、この辺りはミュージカル+映画の
作り話。
大きな違いがコレぐらいで、後は、こまけぇコトはどうだっていいんだYO!程度なモノなので。
フォー・シーズンズって、アタシの親でようやく知ってるぐらいで・・・アタシがリアルタイムで
知ってるか知ってないかというのは、グリースの主題歌ぐらいで。
しかし'70年代のヴァリは耳軟化症で、耳が殆ど聞こえず、カンだけで歌ってたそうなのです。
それであれだけの音程をどうやって保っていたのかというのが、判らないのですが。
この道の天才は、耳が聞こえなくなっても・・・というのがある意味本当なんでしょうねぇ。
この映画、製作はイーストウッドなのですが、イーストウッドにしては、大コケだったそうで。
制作費41.8ミリオンに対して国際興業15.3ミリオン(15億3000万)だったんだそうな。
・・・これじゃシャレにならんな・・・ミュージカルがヒットしているという米国の興行も制作費のモトが
やっととれるぐらいしか出なかったそうだし。
イーストウッドの映画で、
国際興行は、M・ディモンと組んだ
『ヒアアフター』は72ミリオン『インビクタス』が84ミリオンなんだそうだけど。
『インビクタス』は面白かったけれど、『ヒア~』は、どこがどう良かったのか今ひとつわからなかった+日本にとって非常に不謹慎な時期に不本意にも公開されて、日本国内上映中止になった映画だから、この興行収入の金額が、アテになるとは、言い切れない。
ちなみに目安としてあげると
『Rookies』の興行トータルが85億=85ミリオンだから
『ジャージーボーイズ』国際興行収入、この8分の1しかありません・・・というのは深刻な事態だよ・・・
ここ数年日本で100億円近くをたたき出したシリーズものったら、
『ロード・オブ・ザ・リング』『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ハリポタ』ぐらいなのだけど、ここまで売れると,映画なんかどーだっていーわー、て輩でも観にいくから興行成績があがるわけなんである。
『アナ雪』も当然、そういう意味に置いて、今年のベスト興行収入の中には、入ってくるのだろうけれど、
その映画がホントに好きで観にいった人は何人いるんだろうなぁ~と。
なんでもいいからノリで行った人という人海戦術方式で興行成績上がったんだろうなぁ、
という穿った見解、出来ないワケでもないよ。
興行収入がいいもの=本当にいい作品=イチオシとも限らないよ、という見解で、
選んだ作品にも、いいものはありますよ、という面で、
今回この紹介させていただきました。
映画公開前に、フォーシーズンスを見出したボブ・クリューがお亡くなりになってしまわれてしまいました。
享年82歳。結構『ああその曲聴いたことあるわ~』な曲を発掘する方でした。
ミュージカルや映画ではゲ○に描かれていますが、本人はバ○だったそうです、え?そんなコト
どうだっていいよって?
欲をいえば、この映画、
ウォーケンが踊ってる姿をみたかったなぁ
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