プライド&グローリー(原題名:PRIDE AND GLORY '08年 劇場未公開) | Que amor con amor se paga

Que amor con amor se paga

映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。


『ビトレイヤー』がスキなヒトにはこれはオススメ

ど、どういうワケか劇場未公開のDVDスルー扱いになってるみたい?

いい作品なんすが、配給時期が運わるかった・・・んでしょう

実際にこの映画が日本に配給されてくるであろう時期?('09年上半期)は
ロブ様主演の『トワイライト』をはじめ一般向け+デートムービー+普段映画観に来ないヒト向け
+マニアまで集客を見込める映画が次々と公開されてました

『スラムドック・ミリオネア』、『007/慰めの報酬』が、これにあたるんじゃないでしょか


『七つの贈り物('09年2月)』『オーストラリア』みたいにドラマ重視のものから、
『イエスマン"YES"は人生のパスワード』、『バーン・アフター・リーディング』のようなコメディもあれば、『映画は映画だ』みたいなのもあったり


この映画と似たり寄ったりな刑事モノで'09年の上半期配給だったのが

この映画と似たり寄ったりな刑事モノで'09年の上半期配給だったのが

『フェイクシティ・ある男のルール』と『チェイサー』だったので配給会社が劇場公開をさけたのかもしれません


この映画

『ウォーリアー』のギャヴィン・オコナーが監督+脚本

『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』+『特攻野郎Aチーム』のジョー・カーナハンが
脚本補佐


この二人が組むということは


男映画

・・になります・・・女の扱いはぞんざいになります(爆)


『トータル・リコール』のコリン・ファレル、『ボーン・レガシー』『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートンという
個性派+演技派の二枚看板だっただけに残念~

予告編はこちら、あらすじいってみる





クリスマス前のNY


麻薬捜査班が麻薬密売人のアジトを襲撃したものの、2人の捜査官は死亡、二人は重体

犯人は未だ逃走中。

警官殺しという事で、所轄の警察が動くことになるのだが、NYPDの幹部である父ティアニー・シニア(ジョン・ヴォイド)の命をうけ、
とある事件から一線を退いていた次男レイ(エドワード・ノートン)は捜査に加わる事になる

所轄分署の所長で長男のフランシス(ノア・エメリッヒ)が陣頭指揮を取り、ノアの妹・ミーガンの婿で制服警官のジミー(コリン・ファレル)の
捜査に加わる中、警察内に内通者がいる事が明らかとなる・・・


登場人物、ガチでアイルランド系の警察一家です

『バック・ドラフト』でも描かれている、アイルランド系の移民が貧しくて、消防士、警官など庶民を守る仕事から
身を起こしていった、というのを地で行く感覚です

ガッチガチの警察一家

週末か?には実家で親戚集まって警察の重役のオヤジの武勇伝を聞かされる

オヤジがまたアル中気味なのか、年中よっぱらってねぇ?警察幹部なのにヤバくない?

それがこの家の一種の儀式みたいになってる

家を支える為に警官になるという事が


レイには過去の事件のトラウマがあり、もう捜査の第一線に加わらないはずだった。

しかし今回の事件で盟友が殺された。しかもそれは兄の部下でもある。これは一家で敵討ちをしないといけない

レイとフランシス、それぞれ奥さんいるけど、なんだか影薄いというか

レイは別居中で、フランシスの奥さんアビー(ジェニファー・イーリー)は末期ガンなのね

これは男の側から描いた映画だというのがよくわかるのが、女の辛い所や、見たくないことには視点を
あわさない。

おそらくレイには離婚訴訟など、色々な問題を抱えているだろうし、フランシスは自分より奥さんが先に
逝ってしまうという恐怖感がある。

でもそれで心の中を少しでも支配されたくない概念が映画の中にもあふれている、あくまで男が男の為に
作った映画


そんな中、ノートン演じるレイが警官殺しの一件を調べていく過程で、
警察内の裏切りものを突き止めていく、汚職してる警官はいないか、内通者はいないか

すると今回の事件は悪徳警官の悪事のトラブルが原因で起きた事件だと判明する

しかもその悪徳警官のリーダーは娘婿のジミー



やるせないです


家族の立場と甘えと信念を試されるのではないでしょうか。


なんで義弟のジミーがこうした事件に携わるのか



自分だけ疎外感を感じたからじゃないでしょうか。



ジミーを婿に迎え入れたティアニー一家の中に甘えがあったのだと思います。


無意識のうちに、自分たちの一家だけで出来ている絆があり、甘えがあり、
何も言わずに通るルールがあり、それで成り立っている一家


そこに婿が来るわけですから


婿のジミーは家だけでなく職場でも冷遇されてます、職場に行っても、幹部は義理の父親、
所轄分署の所長は義理の兄、少しだけ自分の心境を理解してくれる義理の次男は、
一線を退いていたものの、自分の犯罪をつきとめてきた・・


こりゃないわ、です


ジミーの心に逃げ場がありません


でも、この一家全然気づかない(涙)

長年自分たちが気づいてきた家族のマイ・ルールとか『これが心地いい』って事を
客観視できていないわけですよ

今まで自分たちに馴染む人だけ受け入れてきた事が丸わかりです

そうやって一家は回ってきたんだろうなと思います。


生粋のアイルランド系暴れん坊のコリン・ファレルこの辺りをうまく演じております


ラストはジミーが、娘婿なのに、この一家の『負の部分』というか、ヨソモノを受け入れない部分?とか
『なぁなぁで済ましていた所』とか、『自分たちさえよければいい』という部分を全部背負っていく




こんなのってアリ?



・・・と思って観てました


・・・で残った家族はレイを除いて、ジミーのことを悪くいうんだろうなぁ・・・と思うとやるせなかったです

確かにジミーのやった事は悪いことかもしれない、でも、そこまでジミーを追い込んだのはダレなんだ?
といわれたら、家族なんでしょ?という


要領よくて同類で固まってる輩が、追い込んでおいて知らん顔ってないんじゃない?とも取れる映画でした


どの業界もそうなんだけど、経済学的+市場原理的に


客が集まるとか、一般ウケしやすいものには市場を開放してるのだと思います。

一部のマニアだけで盛り上がってるというものには、お前らだけで何とかしろwwwという
態度に出るというのは、昔からどこの国でもどの分野にでもあると思いますよ


マニアと『なにそれくえんのwww』な人をつなぐ目的で、仕事もしてますが(爆)

『なにそれくえんのwww』な人を振り向かせないと、本当にその業界に
魅力があるのかどうか?とも思うのでした


自分が『なにそれくえんの』と思うコトもまだまだあるし、そう思う理由もあるわけで、
自分が好きなコトも無理なく伝えたいとも思うので



プライド&グローリー [DVD]/エドワード・ノートン,コリン・ファレル,ジョン・ヴォイト

¥3,980
Amazon.co.jp