原題名:Catch Me If You Can
ディカプーの『華麗なるギャツビー』公開中なので
ハンクスのディカプーもお好みじゃないんだけど(なんじゃそりゃ)
脇役としてはピカイチ『胡散臭さ度ナンバーワン』のクリストファー・ウォーケンが
出ると聞いたら、むむ、これは何かあるのではっ!・・・と思い
実在した詐欺師で偽造防止小切手の開発に携わったフランク・アバクネイルの話の映画化
梅田ブルグ7で公開されていたのだけど、この映画公開当時、観たかった映画が
4~5本ぐらい重なっていたために後で観た…と思う
映画の中は'60年代、ディカプーまだまだこの頃は若いです
予告編はこちら、あらすじいってみる
時は'60年代、次々と身分を変え、偽装小切手を使い分け、FBIを欺く天才詐欺師がいた
彼の名はフランク・アバクネイル(レオナルド・ディカプリオ)
FBI捜査官・カール・ランディ(トム・ハンクス)は捜査の目をすり抜けるフランクを歯軋りしながらみている
しかしフランクが詐欺を働く背景には哀しい過去があった・・・
’60年代の米国は、家の鍵もろくすっぽかけてなかったというのだから、こんな詐欺師が21ヶ月も
つかまらなくて当然だったのだろう
それだけにフランクが詐欺を働く前に目の当たりにした家庭内不和は、彼にとってみれば、
信じがたい現実であり受け入れられない事実だったのかもしれない
当時作られた米国のドラマといえば、家族が仲良くて当たり前だったのだから
映画は、フランクが生まれた'63年のNYからはじまる
地元名士のシニア(クリストフォアー・ウォーケン)は、息子のフランクにいつも、妻ポーラ
(ナタリー・パイ)との恋のなれそめを語っていた。
兵役の頃フランスに赴任し、その町一番の美女がお前のママなんだぞと
しかしシニアは事業に失敗、母は浮気、離婚、フランクは父親から貰った小切手を片手に家を飛び出す
父親から貰った小切手が底をついた彼の前を通ったのがパイロット
パイロットになれば怪しまれなくてすむ、ではどうやって?
彼は少年記者と身分を偽り、ベテランパイロットから制服を頂き、航空会社の仕組みを全て聞き出し、
航空会社に潜り込む
パイロット姿になった彼にはありとあらゆる自由が約束されていた
偽造小切手を怪しむ人間も居ないので、金はいくらでも作り出される、提訴先の飛行機をタダで
乗り回す
同じレオ主演の『アビエーター』のモデルとなったハワード・ヒューズが見たら気が狂いそうな場面である。
そんな詐欺師をレオは嬉々として演じている
フランクも何度もカールと鉢合わせして、ヤバい展開になるところがある
が、フランクもフランクで、とっさの判断でカールを欺く
カールは、フランクの偽名がマンガの主人公ばかりなので、もしかすると自分は子供に騙されてるのでは
(遅い)と気づきはじめる
映画の中でも、背伸びしてるけど、子供じゃん…って顔が出てくるディカプー
『華麗なる~』と比べたら判るぞ、亀の甲より年の甲、ディカプーでさえも、
よる年波には勝てないか(おい)
そんなフランク、恋をしないかといえば、そうでもない
偶然にも新米看護婦ブレンダ(エイミー・アダムス)に恋をしてまい、
お医者さんにまでなってまう(こらこら)
ブレンダの父親(マーティン・シーン)が検事だと知ると、今度は弁護士に早変わり、
このあたりコントみたいである
本物のアバクネイルはルイジアナで司法試験をうけて弁護士の資格をとっているのだが、
どうやら『ハーバード』を通ってないと、ダメだったのだそうだ
劇中彼のウソというのは、家族を面白がらせるチャチなものから、
家族の離婚後は、適わないと判ってるのに、
家族のあの幸せをもう一度手にいれたいという空しい願望が
背景にあるのが判って来て見てると切なくなってくる
他人を欺いて陥れ笑うためのものではないのが判ってくる
周りの人間が残酷なのは、フランクがそんな理由でウソを塗り固めているのが
薄々判っているのに、最後は彼を晒し者にして知らん顔する所
そうすれば皆、楽に生きていけるし『心配してる』と一声かけるのは
誰でもできる、いい子の仮面を被るのは誰でも出来る。
ウソで固めてるわけではないけれど、
素性を怪しまれ試され誤解され存在を密告されて逃げ続ける
『アイ・アム・デヴィット』の主人公が心なしかダブる
カールが捜索願いが出ている少年のリストにフランクの名前が載っていたのを見つけ出し、
フランクはブレンダを信用して彼女に全て話すと、札束をトランクに入れて、空港で
落ち合おうとする
翌日
ブレンダに裏切られて空港は警察の山(唖然)
この時にブレンダが見逃してくれても
カールが突き止めるのだから彼の人生は同じ末路だっただろうと思う
残ったのはブレンダに対する不信感ぐらいなもので
そりゃウソついて逃げてるフランクの方が悪いのだろうけど
ゲロった(話してくれたんだから)見逃してやれよ(涙)とか思っちゃう
それからフランクは小切手詐欺をつづけ欧州各地を逃げ回る、
もう誰も信用するもんかという感じで
その道のプロ真っ青の人間の技術を駆使して逃げまくってカールの追っ手をすり抜ける
やっとつかまったのはフランクの母親の祖国・フランス
このシーンに出てくるディカプーを取り押さえる警官の一人が
アバクネイル当本人らしい(・・・デブの金髪おっさんです)
映画では12年の禁固刑を受けたあと、偽装防止小切手作りのためにFBIに協力というオチになってるのだけど、
本人は、もっと苦労したらしい
FBIに協力した期間は短く、釈放後も犯罪暦が詐欺罪だったので、ロクな仕事がみつからず、
銀行に小切手の偽造手口の方法を売り込むものの信じてもらえず、苦心したそうな
やっとのことで信用につながり今では偽装防止コンサルタントとして、逆もまた真なりという業務で、
騙した以上の財産を築き上げているアバクネイル氏
いかにして偽装を暴くかということに今度は命をそそいでそれをビジネスにしてるのだそうだ
米国では最初は製作することすら危ぶまれていたこの映画、ビックネームがこぞって出ることで、
信用につなげたといった方が正しかったのだろうか
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