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『アンタッチャブル』 はコスナーの映画じゃなくて(爆)禁酒法時代に実在した捜査官なんである。
エリオット・ネスによる回顧録『アンタッチャブル』によると、メンバーは独身で30歳まで、長時間の任務に耐えられる体力・精神力を持ち、銃の腕前は勿論、それ以外の特技を身に着けていることが条件だった
ネス以外のメンバーは以下の通り
マーティー・レハート、サム・シーガー、バーニー・クルーナン、ライル・チャップマン、トム・フリール、ジョー・リースン、マイク・キング、ビル・ガードナー、ポール・ロブスキー、全員財務省酒類取締局職員だったという
ネス自身も取締官で、信頼できる身内で固めていたのが実際の『アンタッチャブル』だった。
要は映画のように外部からスカウトするのではなく、日本のマルサみたいなものだったのだ。
一方取り締まられる側のアル・カポネといえばどうだろうか
シシリー出身ではないため、マフィアのボスになれなかったカポネは自分の息のかかった人間をボスに据え組織を思うままに操ろうとしていた。
カポネと対立していたマフィアのアイエロは抹殺しようとしていたが、いち早く察したカポネは何食わぬ顔で祝賀記念パーティーを開催、アリエロの三人の腹心、スカリーゼ、アンセルミ、ギンタをわざわざ招待し、バットで血と脳漿が一緒くたになるまで撲殺公開処刑をしたというのだから、そのコンプレクスぶりやいい加減にしろである。
その翌年、アイエロはタクシーに乗ろうとしたところをマシンガンの乱射を浴びて命を落としている。組織作りの天才だが、悪い方向に出たために捕まったのがカポネだった。
そんな実話を元にして作られたのがテレビシリーズの『アンタチャブル』、主演はロバート・スタックだった。
米国で『アンタッチャブル』といえば、スタック。『スタートレック』のピカート船長はパトリック・ステュワート、『X-men』のエクゼビア教授役のあの人ぐらい有名である。
スタックの自伝、『ストレート・シューティング』によると、エリオット・ネス役の最初のオファーはヴァン・ヘフリンだった
『シェーン』でアラン・ラット演じるシェーンが腰を落ち着ける宿の宿主を演じてたあの人である
が、ヘフリンは体調が思わしくなかったので断った(結局'_71年に心臓麻痺で死去)、次にオファーを受けたのはヴァン・ジョンソンだったが本人のOKは出たものの、カミさんが『やだ』といったためにダメだったという。ジョンソンはミュージカルからアクション、ラブストーリーまで、活躍した二枚目で、今で言うならヒュー・ジャックマンみたいなタイプである。なんでカミさんがイヤだといったかは知らないが、愛妻家だったのか
で、ロバート・スタックに三度目の正直があたったワケだけど、二枚目ではあったが、いかんせんジミだった(爆)この役を一世一代の当たり役にしてしまうのだから、彼もスゴいのだけど、甘さのないイメージがネスにぴたりと当てはまるというので、オファーがかかったらしい。
テレビ版ネスのイメージがあって映画版ネスにコスナーが選ばれたというのもある。
一時間に実在のメンバー10人も出すとストーリーとして纏まりがなくなるので、大鉈を振るって4人に登場人物を減らしたというのもネスを引き立たせる要因になったともいえよう。
実在のエリオット・ネスは回顧録の校了終了後、'57年5月16日、御役御免と言わんがばかりに心臓麻痺で死んでしまった。でもって残りの9人の『アンタチャブル』も任務では死んでいない。
ロバート・スタックは'91年に『アンタッチャブル・リターンズ(The Return of Eliot Ness )』という向こうのテレビシリーズに復活して、'03年にガンでお亡くなりになられています。
ま~その『リターンズ』の内容が、ネスはFBIに勤務していて、『FBI最強の男が帰ってきた!』・・・スゴすぎないか?これって(汗)。おっさん連中どこまでガンバるんだ?
さすがに'93年の『新・アンタチャブル』に出演する気はなかったみたいだけど(爆)