ええと、あの、レッスンで習った曲の3曲目ですが、またしても洋楽です。
The Beatlesの、While My Guitar Gently Weeps です!!!
僕は、この曲を習うまでは、The Beatlesの曲をまともに聴いたことなどありませんでした。
Let It Beとか、Yesterdayとか、Hey Judeとかしか知りませんでした。
それで、CDを買ってきて聴いてみた。
この曲は、もともと「ホワイト・アルバム」という通称で知られる、9枚目のオリジナル・アルバム、その名も The Beatles に収録されています。
White Album (Dig)/Beatles
¥2,136
Amazon.co.jp
まっしろやんけ!間違いやろ!
そうじゃないんです、ジャケットが白いんです。
そして、ベスト・アルバムとも言うべき、「赤盤」「青盤」のうち、「青盤」に収録されています。
THE BEATLES 1962 - 1970/THE BEATLES
¥2,587
Amazon.co.jp
このベスト盤は、選曲も素晴らしいと評判で、The Beatlesを聞き始めるには最適なCDです。
上に挙げたのは、イギリスからの輸入盤らしく、非常にお得な値段で赤盤と青盤がセットになっており、僕もこれの存在を知っていたら絶対にこれ買ってました。おすすめです。
そのかわり、輸入盤なので日本語のライナーノーツや歌詞は付いてません。まあ今は歌詞はインターネットで調べられるし、という方なら絶対にこの輸入盤ですね。
このWhile My Guitar Gently Weeps、曲の背景として有名なのは、なんと言っても「ギターの神様」エリック・クラプトンが、リード・ギターで参加していることです。
曲のタイトルは、直訳すれば、
「僕のギターがすすり泣いている間に」
とかいうことなので、その「すすり泣く」ギターを弾いてもらうために、作者ジョージ・ハリソンが、親友であったエリック・クラプトンに依頼したわけです。
当時クラプトンはすでに、優れたギタリストとして認知されていましたが、それでもあのThe Beatlesのレコーディングに、自分が参加してよいのか迷ったそうです。
しかしながら、この起用は大成功で、クラプトンのプレイは弦が切れそうなハンド・ビブラートによって、本当にギターがすすり泣く様を描き出しました。
タイトルはもちろん、演奏自体もクラプトンのプレイもあり、そして作者のジョージ・ハリソンはThe Beatlesのリード・ギタリストであったことも手伝って、このWhile My Guitar Gently Weepsという曲は、ギターを弾く人に好まれる傾向が強いようです。
もともと、The Beatlesの中でも、ジョン・レノンのファンは根っからのロック好き、ポールのファンはポップなわかりやすい感じが好きな人で、ジョージとなると、ファン層は本当に音楽好きな玄人っぽい人たち、という印象があります。
(ちなみにリンゴのファンは、ドラマーの中でも、テクニックよりも曲全体を把握して、プレイに活かすプロデューサータイプが多そうです。)
While My Guitar Gently WeepsはもちろんLet It BeやHey Judeほど有名ではないものの、ロック好き、特にギター好きの人たちに親しまれてきた、玄人好みの名曲です。
つまり、これはいわゆる「ギターの曲」として認知されているわけです。
だから聴いてみると皆さんどうですか、やっぱりギターが印象に残りますか?
残るでしょう。これはそういう曲なんです。
しかし、この曲をボーカリストとして歌うとなったら、果たしてギターが一番印象に残るだろうか?
僕はこの曲を歌うことになって初めてしっかり聴いてみて、一番印象に残ったのは、やっぱりボーカルだったんですよね。
ジョージの作なので、もちろんボーカルもジョージです。そして、ポールとジョンの圧倒的な歌のうまさに比べると、やはりかなり見劣りするジョージのボーカルですが、この曲では全体に自分のか細い声のキャラクターを活かし、声量をほとんど変えずに歌っています。
傷ついた情けない男のイメージが、出だしを少し聴いただけで浮かんでくる、そんなボーカルです。
そして意外にキーは高く、音程も正確です。リズムにも乗っています。
つまり、ジョンはポールには見劣りするが、ミュージシャンとしての確かな感性に裏打ちされた、基本のしっかりしたボーカルに、ジョージ独特のか細い、情けない、世の中に疲れ果てたようなキャラクターを加味した、というのが、この曲のボーカルなのです。
一言で表現すれば、それは「厭世観」。
僕にとってはこの曲は、ギターよりも何よりも、このジョージの実に頼りなさげな、「厭世観」が漂うボーカルこそが、「肝」だと思ったのです。つまり、この曲は「ボーカルの曲」だと。
メロディーに目を向けてみると、キーはAmでマイナー調ですが、サビはAになっている。マイナーキーの雰囲気からグワーンとAのメジャーな世界に変わっていく、この転調の感じが、音楽的にはこの曲の根幹ではないかなと思います。
そしてこのサビは、ジョージは本当に厭世的に、弱く小さく歌っていますが、音は結構高い。実はなかなか「歌い甲斐のある」音域になっているのです。
ジョージは、いったいこの曲で何を表現しようとしたのでしょうか?
彼はこの曲に親友のエリック・クラプトンを起用しましたが、その起用はクラプトンの自伝なんかを読んでみると、かなり唐突に決まったようです。
なんでも、その当日の朝に決まったとか、書いてあったと思います。
僕は、なんかそこに引っかかるのです。表向きには、「クラプトンのギターでなければこの曲のテーマが表現できない」とか「ジョンとポールが最近ぎくしゃくしてるので、たまに外からミュージシャンを呼ぶと彼らが仲良くしてくれるから」とか、もっともらしい理由はあったでしょうが、何かそれだけでないものを感じるのです。
この曲を録音したあとですが、彼らの間に形作られることになる、ある因縁が頭をよぎるのです。
その因縁とは?
エリック・クラプトンは、親友のジョージ・ハリソンの妻パティ・ボイドに横恋慕し、なんと本当に略奪して、結婚してしまうのです。
(実際には、パティが先にジョージに愛想を尽かしていたようですから、奪ったことにはならないのかもしれませんが)
この曲が録音された1968年当時、どうもすでにクラプトンは、この親友の妻に恋をし始めていたようなのです。
むむむ。なんか、そう言えばクラプトンにも、情けないほど自分をさらけ出した曲があったぞ…
いとしのレイラ!!!
僕の中では、このWhile My Guitar Gently Weepsと、クラプトンのLaylaは、完全に根っこが同じ、同じ世界観を共有する物語なのです。
ようし、何となくこの曲の世界観の入り口が見えてきたぞ。
というところで、ここから歌詞の具体的な内容を見ていきます。
というところで、続きは次回。
The Beatlesの、While My Guitar Gently Weeps です!!!
僕は、この曲を習うまでは、The Beatlesの曲をまともに聴いたことなどありませんでした。
Let It Beとか、Yesterdayとか、Hey Judeとかしか知りませんでした。
それで、CDを買ってきて聴いてみた。
この曲は、もともと「ホワイト・アルバム」という通称で知られる、9枚目のオリジナル・アルバム、その名も The Beatles に収録されています。
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まっしろやんけ!間違いやろ!
そうじゃないんです、ジャケットが白いんです。
そして、ベスト・アルバムとも言うべき、「赤盤」「青盤」のうち、「青盤」に収録されています。
THE BEATLES 1962 - 1970/THE BEATLES
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このベスト盤は、選曲も素晴らしいと評判で、The Beatlesを聞き始めるには最適なCDです。
上に挙げたのは、イギリスからの輸入盤らしく、非常にお得な値段で赤盤と青盤がセットになっており、僕もこれの存在を知っていたら絶対にこれ買ってました。おすすめです。
そのかわり、輸入盤なので日本語のライナーノーツや歌詞は付いてません。まあ今は歌詞はインターネットで調べられるし、という方なら絶対にこの輸入盤ですね。
このWhile My Guitar Gently Weeps、曲の背景として有名なのは、なんと言っても「ギターの神様」エリック・クラプトンが、リード・ギターで参加していることです。
曲のタイトルは、直訳すれば、
「僕のギターがすすり泣いている間に」
とかいうことなので、その「すすり泣く」ギターを弾いてもらうために、作者ジョージ・ハリソンが、親友であったエリック・クラプトンに依頼したわけです。
当時クラプトンはすでに、優れたギタリストとして認知されていましたが、それでもあのThe Beatlesのレコーディングに、自分が参加してよいのか迷ったそうです。
しかしながら、この起用は大成功で、クラプトンのプレイは弦が切れそうなハンド・ビブラートによって、本当にギターがすすり泣く様を描き出しました。
タイトルはもちろん、演奏自体もクラプトンのプレイもあり、そして作者のジョージ・ハリソンはThe Beatlesのリード・ギタリストであったことも手伝って、このWhile My Guitar Gently Weepsという曲は、ギターを弾く人に好まれる傾向が強いようです。
もともと、The Beatlesの中でも、ジョン・レノンのファンは根っからのロック好き、ポールのファンはポップなわかりやすい感じが好きな人で、ジョージとなると、ファン層は本当に音楽好きな玄人っぽい人たち、という印象があります。
(ちなみにリンゴのファンは、ドラマーの中でも、テクニックよりも曲全体を把握して、プレイに活かすプロデューサータイプが多そうです。)
While My Guitar Gently WeepsはもちろんLet It BeやHey Judeほど有名ではないものの、ロック好き、特にギター好きの人たちに親しまれてきた、玄人好みの名曲です。
つまり、これはいわゆる「ギターの曲」として認知されているわけです。
だから聴いてみると皆さんどうですか、やっぱりギターが印象に残りますか?
残るでしょう。これはそういう曲なんです。
しかし、この曲をボーカリストとして歌うとなったら、果たしてギターが一番印象に残るだろうか?
僕はこの曲を歌うことになって初めてしっかり聴いてみて、一番印象に残ったのは、やっぱりボーカルだったんですよね。
ジョージの作なので、もちろんボーカルもジョージです。そして、ポールとジョンの圧倒的な歌のうまさに比べると、やはりかなり見劣りするジョージのボーカルですが、この曲では全体に自分のか細い声のキャラクターを活かし、声量をほとんど変えずに歌っています。
傷ついた情けない男のイメージが、出だしを少し聴いただけで浮かんでくる、そんなボーカルです。
そして意外にキーは高く、音程も正確です。リズムにも乗っています。
つまり、ジョンはポールには見劣りするが、ミュージシャンとしての確かな感性に裏打ちされた、基本のしっかりしたボーカルに、ジョージ独特のか細い、情けない、世の中に疲れ果てたようなキャラクターを加味した、というのが、この曲のボーカルなのです。
一言で表現すれば、それは「厭世観」。
僕にとってはこの曲は、ギターよりも何よりも、このジョージの実に頼りなさげな、「厭世観」が漂うボーカルこそが、「肝」だと思ったのです。つまり、この曲は「ボーカルの曲」だと。
メロディーに目を向けてみると、キーはAmでマイナー調ですが、サビはAになっている。マイナーキーの雰囲気からグワーンとAのメジャーな世界に変わっていく、この転調の感じが、音楽的にはこの曲の根幹ではないかなと思います。
そしてこのサビは、ジョージは本当に厭世的に、弱く小さく歌っていますが、音は結構高い。実はなかなか「歌い甲斐のある」音域になっているのです。
ジョージは、いったいこの曲で何を表現しようとしたのでしょうか?
彼はこの曲に親友のエリック・クラプトンを起用しましたが、その起用はクラプトンの自伝なんかを読んでみると、かなり唐突に決まったようです。
なんでも、その当日の朝に決まったとか、書いてあったと思います。
僕は、なんかそこに引っかかるのです。表向きには、「クラプトンのギターでなければこの曲のテーマが表現できない」とか「ジョンとポールが最近ぎくしゃくしてるので、たまに外からミュージシャンを呼ぶと彼らが仲良くしてくれるから」とか、もっともらしい理由はあったでしょうが、何かそれだけでないものを感じるのです。
この曲を録音したあとですが、彼らの間に形作られることになる、ある因縁が頭をよぎるのです。
その因縁とは?
エリック・クラプトンは、親友のジョージ・ハリソンの妻パティ・ボイドに横恋慕し、なんと本当に略奪して、結婚してしまうのです。
(実際には、パティが先にジョージに愛想を尽かしていたようですから、奪ったことにはならないのかもしれませんが)
この曲が録音された1968年当時、どうもすでにクラプトンは、この親友の妻に恋をし始めていたようなのです。
むむむ。なんか、そう言えばクラプトンにも、情けないほど自分をさらけ出した曲があったぞ…
いとしのレイラ!!!
僕の中では、このWhile My Guitar Gently Weepsと、クラプトンのLaylaは、完全に根っこが同じ、同じ世界観を共有する物語なのです。
ようし、何となくこの曲の世界観の入り口が見えてきたぞ。
というところで、ここから歌詞の具体的な内容を見ていきます。
というところで、続きは次回。