日曜日の10時頃のことです。
そろそろ息子がバイトのために起きてくる時間に、
家のインターホンが鳴りました。
妻が出ると、
なんと息子の中学時代の陸上部の友達が二人立ってました。
「○○君いますか?」
「わーなつかしいね!息子はまだ寝てるからちょっと待ってて」
妻は嬉しそうに息子の部屋に駆け上がって行きました。
私は別にうれしくありませんでした。
息子はきっと会わないだろう。
今の自分を見られたくないだろう。
案の定、妻に起こされた息子は
「え、、なんで?急に来られても無理やわ。」
妻はちょっと悲しそうに
「ごめんねA君、B君。息子を起こしたんやけど無理って」
A君「そうですか。じゃ、この手紙渡してもらえますか?」
「手紙書いてくれたの?わかった渡しとく」
A君「実はC君が今度東京へ行くことになって、それで4人で同窓会しようと思ってるんです」
「あーC君かー。なつかしいね」
A君「○○君にLINEしたいので電話番号教えてくれませんか?」
「うんわかった」
妻は電話番号を教えて、A君とB君は帰っていきました。
妻は息子にA君の手紙を渡してきました。
「残念やったなぁ。数年ぶりやったのにね」
「まあ、予想通りやな。もし俺が息子やったら同じように会わん。普通は会いたくないやろ」
「そうなんかなぁ」
その数分後、
息子が起きてきました。
私は別室でyoutube見ていたので聞いてないのですが、以下、妻が息子と話した内容です。
「手紙読んだわ。すぐAに電話してきた」
「え?もう電話したの?」
「うん。4人で同窓会しようって」
「へぇーいいやん!」
「でもな、Bとは会いたくないねん」
「あら、そう」
「実はさ、俺が不登校のとき、Bに嫌なことされたねん」
「え、、、そうなん?」
「同窓会には行きたい。AとCに会いたい。でもBには会いたくない。どうしようかなぁ」
「A君とC君は知ってるの?」
「いやあの二人は俺の不登校のことは知らんはず」
「そう」
息子がバイトへ行ったあと、このことを妻が話してくれました。
B君は陸上部時代、息子とはとても仲が良かった友達です。
嫌なことってなんだろう。
いったい何があったんだろう。
妻が一つ思い出しました。
「そうだ、B君のお姉ちゃん不登校やったんよ」
「え、そうなの?」
「B君のお母さんかが話してくれたことがあって。あの時は不登校ってピンとこなくて。我が家には縁のない話やと思って聞いてた」
「そうなのか。B君はお姉ちゃんの不登校で苦労したやろな。それで不登校になった息子に何か言ったのかもしれんな」
「そうかも」
B君と息子に何があったのかは知る由もありません。
でも、
この4人が二十歳を過ぎればもう会うことはなくなりそう。
願わくば息子が同窓会に行けますように。
最後に妻から言われました。
「友達には会いたくないやろって言ってたけど、会いたいゆうてたやん」
「うん、ゆうてたね。ごめん」