謳う花 -6ページ目

謳う花

流れるように。其の儘。

心が凍てつく


なにをされても
なにを言われても


何も感じない



助けて
助けて


感情を、くれませんか


何も感じないむなしさだけが


心を浸す
想いは溢れて砂のよう

この掌から落ちていく





いつだって指は
あなたの糸を探るのに



あとひとつのボタンすら押せず



唯、焦がれる日々よ




嗚呼 遠い





数日前のわたしの姿すら





記憶の中に



いなかったのね






会いたいと



言えればいいのに



その術すら持たぬこの身よ





全てを掻き消す感情が
拐ってくれればよいのに
僕の笑顔は
とても醜い


笑えない
笑えない


いつまでも
いつまでも


やはり僕は笑えない
人に対して笑えない


笑顔を向けるということは
真に心を許すということだ

僕の笑顔は
醜く汚い
受け入れられなどしないと
恐れて今日も笑えない



だが僕は、かつて見付けてしまった

心に宿る笑顔を
この顔に写すことが出来た



光は、誰にでも降り注ぐ
今は深く深海の闇に潜り
深緑を迷い果てが見えなくとも


いつか小さな木の葉の隙間に
一筋の光は射すだろう



その希望を与えてくれたから
僕はなんの後悔も、躊躇もない




あなたに幸せが訪れますように
あなたが心から笑えますように



なんの見返りも要らぬから
どうか、その笑顔が真の輝きを照らすとき




あなたが本当に本当に幸せでありますように





ただ、ただ、
あなたが幸せでありますように




あなたが笑っていられますように
ここに僕は
真実を落とそう



過去には帰りたくない

明日がどれだけ辛くって
どれだけ困難でも


過去の一部の、幸せなときに戻れるとしても


あの日々だけは
やっぱり嫌なんです




閉鎖された屑籠は
きっと誰の目にも届かぬ



だから
思う
誰も、何も知らなくていい
醜い僕を知る必要はない




思うんだよ




僕がいつか膝を抱えて泣いたように
君が暗く狭い場所で同様に
泣いていたのだとしたら



ねえ、今がどれだけ離れていたっていい
もう二度と会えなくたって


それならせめて
君が一人空を見上げたあの時に

僕をやってくれないか?



くだらない話をするから
共に広い空を見上げて
笑おう



そうすればきっと
君も僕も、一人でない




出来るのならば


過去へは戻れない
戻りたくなんてない



だけど想像でいい
目を閉じあなたを抱き締める

そして追憶のなかで
あの日、一人と感じたあなたの傍にいれるなら




僕はきっと
ただただ思いきり抱き締めて
ここにいるよ、と


がんばったねって



その髪をたくさん撫でて
たくさん褒めよう


がんばったね
がんばったね







タイムマシーンなんていらないと今でも思う
けれどあるならば
あなたの元へ




君に届かなくても
僕は思うよ
目を閉じれば

暗闇のなかで光るサイレン



僕が君に唯一求めることがあるならば

その手のひらで
安らぎを


平穏の眠りに
深い眠りに





この世で
他にいらない




束の間の10分でいい




そのためならば
僕は何をも棄て
何にだって賭すのだろう




この思考の中の
その手はいつだって魔法
いつだって空想