遠くで、「マーマ!(1)(2)(3)(4)」の声が、聞こえます。

「うるさい!」と言って、私は、その声の持ち主である娘のリズム感を蓄えた流れを、

足で蹴っ飛ばして、ストップしていました。

 

でも、しばらくすると、

娘は必ず、復活したかのように、「マーマ!(1)(2)(3)(4)」と初めてきます。

 

そのまま続けていたら、いつまで続いていたかわかりません、

しかし、私は、私が寝ている向こうの不思議のアリスの世界では、

癌治療の強力な麻薬の痛み止めが、持続性を充分に保持したまま、

麻薬の痛み止めの副作用である便秘と妄想に、取り憑かれていたのかもしれません。

 

いろんな景色が、走馬灯のように、流れては消え、消えては流れる不思議のアリスの国の世界・・・・・

後で、娘から聞いたとき、「まま、浦島太郎にあっとったんやと言って、空の声が聞きたくて、風の声に、耳澄ませ、海の声が知りてくて、君の声を探してる」と言って、歌ていた。

 

私は、娘のおかげで、無意識に、不思議のアリスの世界から、生きる世界へ連れ戻されていました。

 

こわい経験でした。

 

ずーと声掛けをし続けてくれた娘の愛情のおかげです。