一通り説明が終わると、やはり最後は革製品や絨毯の販売会となった。


何とか全力かつ丁重にお断りし、そのタンネリを出ようとした時、


「50ディルハム」🖐


と、言われた。


えっ⁈あんぐり


しかし、そうだ、

ここはモロッコだった‼︎


「お金が要るなんて聞いていない。そもそも最初からタンネリに行くなんて聞いていない‼︎」


私は全力で抗議した。


しかし、私を連れてきた男(←もう"男"呼ばわりさせて頂きます)は、


「オレは要らないからボスに50ディルハムを」

と言う。


「そもそもあなたは私にお祭りの広場だと言った。タンネリとは一言も聞いていない。ましてやお金が必要だなんて全く聞いていない。あなたは私に嘘をついた!」


久しぶりに全力で相手を非難した。

せっかく仲良くなって信用したのに…

もう、悲しくなって泣きそうになった。


タンネリだと分かった時点で抗議するなり帰るなりしなかった私にも落ち度があると思ったので、

小銭入れに入っていた1ディルハムをかき集めて4枚ボスに手渡し、タンネリを飛び出した。


後ろからボスが、


「これじゃあタバコも買えない‼︎」


と、叫びながら着いて来ようとしたので、


「私は彼に騙された。それでもお金を要求するなら警察に言います!」


と、言いながら逃げてきた。


あぁ〜私のバカバカバカ‼︎


そもそも、初めて会ったばかりの調子の良い現地人にヒョコヒョコ着いて行くなんて!

どうかしてた。

今までの自分だったらそんな事しなかったのに…


せっかくのマラケシュ初日に心が折れてしまった。


頭のネジが緩みすぎて危機意識や判断力が低下してしまった自分に腹が立って仕方なかった。