ついに日本に帰る日がやって来た。
朝早いフライトだったので、前日からカサブランカ市内に宿泊していた。
宿泊したのは、以前のブログ
で登場したホステルだ。
6:45 まだ日の出前にホステルを出発。
治安は悪くない地域だが、辺りが暗いので、かなり早足で駅へ向かった。
徒歩10分程で、モロッコの国営鉄道"ONCF"の"L'OASIS(ロアジス)"駅に到着。
ちょうど、モスクから"夜明け前のアザーン(イスラム教のお祈りの時間を知らせる声)"が流れてきた。
あぁ、この旅でアザーンを聞くのもこれが最後だな…と思うと、とても寂しい。
"AEROPORT Med V(エアポート)"駅で下車。
ホームを出ると、簡単な荷物検査がある。
これを済ませて更に進むと空港と繋がっているのだ。
空港の窓からは、明け行く空が見えた。
何て美しい色!思わず見惚れてしまった。
今回は行きも帰りも美しい空に遭遇する事ができ、幸せな気分。
フライトスケジュールは、
10:00 カサブランカ 発→20:25 アブダビ国際空港 着
21:45 アブダビ国際空港 発→翌9:10 香港国際空港 着
実際には、カサブランカ出発が30分程遅延したので、アブダビでの乗り継ぎ時間が短くなってしまった。
アブダビでお土産を買いたかったが、そんな時間は全く無く、小走りでゲートへ向かったのだった。
そんなこんなもありつつ、何とか無事香港に到着。
ここからは13時台の飛行機に乗る予定だった。
行きと同じ経路なので、要領も分かったし、気が楽だ。
出発2時間前にチェックインカウンターへ。
ところが、まだ誰もいない。
近くのベンチに座ってしばらく待った。
それでも、誰も来る気配がない。
ムムッ!これはおかしい…🤔
隣の航空会社のカウンターで聞いてみた。
チケットを見せると、
「これは第2ターミナルでのチェックインですよ。」
ここは第1ターミナルだった。
行きは、確かにここでチェックインしたのに…
思い込みは怖い。
今回の件で思い知った。
慌てて第2ターミナルへの道を探すが、見つからないので、インフォメーションで聞いてみた。
すると、一度"入国"して外へ出てから向かわなければならないのだとの事。
😱な、何ですと〜⁈
ダッシュで入国審査の列に並ぶが、凄い行列…
かなり時間がかかってしまった。
ようやく外に出て、第2ターミナル目指して走る。
これがまた思っていた以上に遠い。
荷物重いし、長時間フライトで脚は浮腫んでるしで、思うように体が動かず、気ばかりが先走った。
ゼイゼイ息を切らしながら何とかチェックインカウンターに辿り着き、チケットを見せると、
「closed」
カウンターのお姉さんは表情を変えずに言った。
えっ⁈ど、どういうこと??
「だって、まだ時間あるのでは…」
というと、出発時間の30分前にはチェックインが締め切りになるのだとの事。
知らなかった…
今まで、2時間前にはチェックインを済ませていたので、チェックイン締め切り時間については意識した事が無かったのである。
👩🏻💼「あなたは、締め切り時間を10分も過ぎています。だからこの便には乗れません。」
ガビ〜ん😰
そ、そんな…
🧑🏻「何か他に方法は?」
👩🏻💼「別の便のチケットを購入するしかないですね。」
冷ややかに言われてしまった。
目の前が真っ白。
どうしよう…
まずは、同じ航空会社のチケットカウンターで、今日乗れる便がないか聞いてみた。
すると、
「ありますが、高いですよ。」
金額を聞くと、10万円!
んなアホな!
無理無理…
モロッコで散々値段交渉をしていたせいもあり、ここでも思わず
「高い!本当にそんな値段なの?」
と言ってしまった。
仕方なく、携帯電話で"スカイスキャナー(格安航空券サイト)"を検索。
すると、18時台の便があった!
日本到着は22時台。
料金は3万円台だった。
もう、背に腹は変えられまい。
速攻購入した。
これで何とか今日中に日本へ帰れる…
と、安心したのも束の間!
携帯の電池が残り1%になってしまっていた。
ヤバイ…
チェックインの時に携帯電話の画面をカウンターで見せなければならないのに…
充電しなけれはならないが、まさか香港では充電する事はないだろうと思っていたので、香港のコンセントに合うアダプターを持参していなかったのだ。
またまた、どうしよう…
こうもピンチは立て続けにやって来るものか…
半分パニックになってウロウロ空港ロビー内を歩き回っていると、携帯電話ショップがあるのを見つけた。
ここでお願いするしかない。
私は、携帯電話の画面を見せて、
「残り1%しかなくなってしまい、充電が必要なのですが、香港のコンセントに合うプラグがないので、充電していただけないでしょうか?」
と、すがる思いでお願いした。
すると、若い男性店員さんは快くOKして早速店のカウンターで充電してくれた。
もう感謝しかない‼︎
30分少々時間を潰してから再び店に戻ると、さっきとは違うお兄さんがいた。
「さっき充電させて貰っていたものなんですけど…」
と、声をかけると、
「ああ、日本人の方ですね。聞いてますよ。」
そう言って携帯電話を渡してくれた。
さっきのお兄さん、ちゃんとこのお兄さんに引き継ぎもしてくれてたんだ。
そして、電池は75%まで回復していた。
「助かりました!」
と、お礼のチップを渡そうとすると、
「いえいえ、結構ですよ。」
と言って受け取らなかった。
何て素敵‼︎
この店のお兄さん達に心から感謝だ。
見知らぬ国での不安が、フワ〜っと温かい気持ちへと変わった。
最後の最後に大失敗をやらかしてしまったが、人々の優しさに助けられ、とっても印象深い経験となったのでありました。
ちなみにこの後、到着ロがにわかに騒がしくなり、人が集まり出したので、何事かと思って見に行くと、
見たことのあるお顔!
マラソンの川内優輝選手が到着したのだった。
香港にも結構ファンがいるのね…
有名人を間近に見る事ができ、これも飛行機乗り逃したお陰かな…何て思った。