この、見る羽目になったきっかけもまぁまぁ不思議だった。
きっかけは職場の人達でした。
子どもの居場所の仕事なのでジブリの話は出ることはあるのですが、
一人の職員さんが鼻歌を歌っていて、一体何の曲?と聞くと狸合戦ぽんぽこのテーマだと言うし、もうひとりの職員が大好きな映画だからセリフから何まで全部言えます、聞きますか?2時間くらいかかりますが…なんてことを言ってくる始末。
はいはい、わかりましたわかりました!
観ます観ます。…いつかね!
…と次の日に近所のTSUTAYAの前を通りかかると、3日だけレンタル費用110円との看板が。
そう、最近はレンタル料金高いから渋っていたんですよ。
100円ならということで借りるとキャンペーンか何やらで結局無料になりました。
観た感想は……
切ない…でした。
これ、子どもが見てもわからないだろ…と。
わたしの受け取り方としては
大きな流れには逆らえない…。
なんなら、順応していくしかない…。
世界は残酷だよ。
でも、そんな切ない中にもやっぱり
「たぬきだから楽しまなきゃ!」みたいなメッセージもちゃんとあってね。
そう、これからの時代、何が起こるかわからない。抗えるものでもない。
わたしは、過去にボランティアやったり、反対運動に協力してみたり、色々とやってきました。ロビー活動も、陳情書の提出、教壇に立ったり、イベントやったりしてきました。
学校教育を変えていきたい!みたいなこととかも思って活動したりしていました。
当時の活動仲間たちはいまでもデモに行ったりしていますし、署名活動をやったりしています。(わたしはもうやめました)
楽しい活動もあった中で、しんどくなる活動もありました。
狸たちの多摩ニュータウンの建設の反発の戦いは、
例えば原発とか、道路問題、大型マンション建設などの反対運動と同じ。
わたしは、反対運動こそはやめましたが、今やってる消費活動(パトロン活動)は、そういった反対運動マインド?を引き継いでいる。
わたしは大型の商業施設が好きではないから、個人店に行って買ってる。
大型商業施設建設は反対運動も楽しい人はどうかやってもらいたい、その役割の人も大切。
でも、わたしのように、個人店を応援する人も大切。
どっちが楽しいかっていったら個人店を応援するのが楽しいからそうしてる。
柳宗悦の民藝運動も楽しいからできたと思う。
GHQに壊されそうになった日本民藝館が壊されずにいまも現存しているのは、柳宗悦たちの熱い想いと楽しんだ活動から成し遂げられた成果だったと思う。
楽しくなければやっていけない。
狸たちは最後、闘うことではなく、自然豊かだった風景を演出した。
本来の戦い方はそれだったんだと思う。
反発するより、1番胸に響いた…けれども時すでに遅しだった。
狸たちをイメージで使ってるから、楽しく面白い風にしているけども中身はかなりシビアなもの。
そりゃ、『火垂るの墓』と同じ高畑勲監督だものね…。
うん…橘玲を読んでいるからそこまで下には落ちなかったというか、
ちゃんと受け止められた気がする。
世界なんて残酷だし、したたかにやっていかなきゃならないこともある。
わたしたちは残念だけど、愚かでどうしようもない生き物で、だからこそ愛くるしいという非常に矛盾した生き物。
賢くあろうとしたって無駄だとわかってしまっているならば、楽しむしかないし、その、理不尽さや矛盾をとことん味わうしかない。
そして、その部分こそが、人工知能の不得意な分野(笑)
理解しがたい生き物。
楽しむしかないじゃない。
どうにも出来ないんだから。
どんなにあがいても、ひとり生き残ろうとしても、おんなじ船に乗ってるんだもの。
甲板にいるか、2等客室にいるか、ボイラーにいるかの違い。
浮き輪を手にしてるかどうかは、お金で手に入れるのか、信頼で手に入れるのか、運で手に入れるのか、価値観の違い。
(これが、時代によって変化。お金か学歴か血筋かなど)
……なのかな?って。
考えてもしょうがないけど、生き残る方法はひとつではない…ということも見ようによっては思うけども、
生き残ったところで…順応したところで幸せかどうかは、また別の問題…と。
そんな『狸合戦ぽんぽこ』の感想でした。
思ったよりヘビーに受け取ってしまったので、バカバカしいアニメでも観ようかな…と思いついたのは『有頂天家族』だけれども、お父さん、人間に鍋にされて喰われてるんだよな…ちょっとした切なさがあった作品なのを思い出してしまった…。
生きるって大変だよ。でも、
おもしろきことはよきことなり、
阿呆の血のしからしむるところ、なので、
受け入れて楽しく生きるしかないんです。
タヌキたちはそんな事を教えてくれてるんだな…と。
たぬきとは楽観的なようでいて、全てを受け入れる、そんな存在なのかもしれません。