ブラウン管の辻褄合わせを受け入れるのは


私たちが辻褄合わせをする生き物だからだろう


批評家の矛盾を否定するのは


私たちがそのことに気づいているからだろう







フィクションに感動し


ノンフィクションに嘆く
また6月がやって来る


あなたが地上に降りてくる





雨に打たれないように


傘をふたつ持っていくね
ゆらゆら

ゆらゆら


ぼくはくらげ


眠れない夜の海をわたる




鳥になったあなたは

空のかなたへ


風になったあなたは

雲のむこうへ



ゆらゆら

ゆらゆら



ぼくを食べようとする

おおきなくじらにも出会った

ぼくの背中にのる

ちいさなわたげにも出会った


ゆらゆら

ゆらゆら



ゆらゆら

ゆらゆら



しばらくすると

ほんわりのひかりを見つけた


なんだろう




にんげんのあかちゃんだ



あんあん泣いてるよ










あれ



泣きやんだ






なぜだろう






あかちゃん

やわらかな手の中

やさしそうな女のひとが笑ってる






そうか

お母さんがいたんだね









ぼくのお母さんはどこだろう

ぼくのかぞくはどこだっけ





ゆらゆら






眠れない海の中




醒めたら




あたたかい夢の中