Paulo Coelho
It is often the last key on the ring which opens the door.
大抵の場合、最後の鍵がドアを開ける。
Paulo Coelho
Copyright©2011 Paulo Coelho
感受性
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなったのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
「自分の感受性くらい」茨木のり子
words
言語化された言葉も素敵だが、
されない言葉も同じくらい素敵である。
お祝いに同居人から素敵にかわいいペンケースとペンを頂きました。
さっそく今日使ってみると、さらさらと書きやすい。
毎晩の日記が楽しくなりそう。
ありがとうございます。大事にします。
Paulo Coelho
Live with no regrets and love with no excuses.
後悔なく生き、理由なく愛せよ。
-Paulo Coelho
Copyright© 2011 Paulo Coelho
光
失敗。
目を背け、耳をふさぎ、臭いものに蓋をした。
少しずつ、そんな小手先のことも通用しなくなった。
逃げたい心と、立ち向かわなきゃいけない心と、2つが葛藤していた。
失敗ばかりに目を向けていた。
「失敗ばっかりの人生」
そう言っては、ますます自分を傷つけることにも気付かずに
何度も何度もそうつぶやいては心は荒れていった。
手に入らないことが惨めで悔しくて、
他人の幸せに心から喜べない自分のちっぽけさがますます惨めにさせてくれた。
いつからだろう、少しずつ自分の体で戦うようになった。
自分のレベルも知らずに裸一貫で立ち向かい、ぼろぼろになる。
自信は奪われ、プライドはずたぼろ、心は傷だらけ。
しかし不思議なことに、それは決して悪い気はしなかった。
家族や友達が傍にいることを、そのたびに強く、強く感じていた。
「生きる意味なんか知らない」
「さっさと早送りできればいいのに」
死ぬ覚悟もなく、ただ怠惰的に努力すること、生きることから目を背けていた人生だった。
みっともない姿だった。
いつからか、重い雲にどんより覆われた生活に
一差しの光が入るようになった。
光に魅入られ、光を求めた。
調子に乗っては、そのたびに雷雨を落とされるような目に遭い、
これではいけない、とあてもなく、振り切るように
とにかく前に、前にと進んでいった。
時には、暗いジャングルの中でひっそりと隠れたこともあったが、
確実に、着実に前に進んでいた。
ある日のことだ。
重い雲が消えた
そこら中に光があふれている
障害物も何もない、
キレイな空間にたどり着いた。
突然
「ここに来るための道だったのか」
と悟った。なんでかはわからない。
人生が大きく変わり始めた。
停滞していたものは動き、古いものは違う形になり、新しいものが絶え間なく入る。
宝物の正体がわかった。
そしてそれは無限だ。
絶え間なく惜しまなく、与えられることも与えることもできる宝物だ。
ようやくひとまず終わった。
これから始めよう。