●土地の産物を使ったお菓子
(ブルターニュ)
ブルターニュといえばそば粉のガレットやクレープを思い浮かべる方も多いかと思いますが、私が思うブルターニュの3大地方菓子は、クイニー・アマン、ガレット・ブルトンヌ、ファー・ブルトンです。
さてこのクイニー・アマンですが、ブルトン語で「クイニー」はお菓子、「アマン」はバターのこと。つまりブルターニュ名物の有塩バターのお菓子です。今に伝わるブルターニュのお菓子の中でも1番古いものだといわれています。プロポーズするとき、男性が女性の家に贈ったともいわれています。19世紀、この地方でも最果てのドゥアルヌネという土地が発祥地のようです。
当初はシンプルなパン生地だったようですが、時代を経るにしたがって、バターの香りいっぱいのお菓子になったといいます。このお菓子の誕生にまつわるこんな話も伝わっています。
「ある日パン屋のおかみさんがパン種の上にバターの塊をおきっぱなしにしてしまった。生地にバターがしみこんでしまい、そのままでは売り物にならないが、もったいないので、焼いてみたらとてもおいしかった」。
有名なお菓子は失敗から生まれることがほんとうに多いです。
@Maison Riguidel, Quiberon
@Le Vieux Four, St.Malo(左下のもの)
@La Huche à Pain, Vannes(左下のもの)
作り方は、イースト、水、小麦粉で作ったデトランプ(基礎となる生地)を発酵させ、砂糖と有塩バターをパイのように折り込んでオーヴンで焼きます。店によってパイのようにサクサクだったり、パンのように弾力があったりするのがおもしろいです。
@Laigre, Rennes
フランスの素朴な地方菓子/マイナビ出版(2017/2/27)
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