エリック・アイドルが新しいショウについて語る:「コメディ、哲学、それと、おならジョークも一発」 | CAHIER DE CHOCOLAT

エリック・アイドルが新しいショウについて語る:「コメディ、哲学、それと、おならジョークも一発」

[ORIGINAL]
Eric Idle on his new show: Comedy, music, philosophy 'and one fart joke'
4:49 pm on 2 June 2024
https://www.rnz.co.nz/news/national/518488/eric-idle-on-his-new-show-comedy-music-philosophy-and-one-fart-joke

エリック・アイドルが新しいショウについて語る:「コメディ、哲学、それと、おならジョークも一発」



エリック・アイドル(『モンティ・パイソンのSPAMALOT』2023年) Photo: CINDY ORD / AFP

エリック・アイドルは1961年からショウビジネスの世界で活動している。『空飛ぶモンティ・パイソン』などで知られる、間違いなく伝説的な英国のコメディグループ、モンティ・パイソンのメンバーのひとりであり、また、モンティ・パイソンの曲も数多くの手がけている。

6人がぞれぞれに活動するようになってから、アイドルはソロでも音楽を中心に活動してきた。

コメディ番組をいくつか制作し、数々の映画にも出演している。その中でも、最もよく知られているのは『The Rutles: All You Need Is Cash(オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ)』だろう。ビートルズのパロディバンド「The Rutles(ラトルズ)」を主人公とした映画で、アイドルはポール・マッカートニーをモデルにしたキャラクターを演じている。

また、映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』をミュージカル化した『モンティ・パイソンのSPAMALOT』はブロードウェイで大ヒットし、トニー賞のミュージカル作品賞、グラミー賞の最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞など、数々の賞を受賞した。

その後も、アイドルが“アイドリング”状態で停止していることはない。今回ニュージーランドで上演されるワンマンミュージカルは、彼の最も有名な曲である、映画『ライフ・オブ・ブライアン』の“Always Look on the Bright Side of Life”と同じく、『Always Look on the Bright Side of Life』というタイトルになっている。

このワンマンミュージカルについてアイドルは、「コメディあり、哲学あり、それと、おならジョークも一発あり」だとRNZの“Sunday Morning”で言っている。

「サプライズがたくさんあるよ。ほんとうにワンマンミュージカル。楽しめるものにしようと思ってる。おかしくて、興味深いものにも。ちょっと悲しいところ、哲学的なところ、お別れのシーンもいくつかあるからね。それから、歌うところもかなりある」

Listen ▶︎ Eric Idle: Always looking on the bright side of life 25′51″ Sunday Morning (02 Jun 2024)

爆笑の連続のショウの中には、コメディアン(*/俳優)のロビン・ウィリアムズ、ビートルズのメンバーのジョージ・ハリスンといった亡くなった友人たちへのトリビュートも含まれている。ハリスンは、1979年にモンティ・パイソンが『ライフ・オブ・ブライアン』を制作する際、資金を提供したことで有名だ。『ライフ・オブ・ブライアン』は表現の限界を押し広げる名作となったが、アイドルは「映画のチケットに史上最高の金額を払った人」と言っている。(*ハリスンは資金提供の理由を「脚本を読んで、その映画を観たいと思ったから」と言っていたため)

「彼は自分の家を抵当に入れて、製作費を全額出してくれたんだ。それで、彼はあの映画を観ることができた。彼がいなかったら、あの映画は作られていなかった」

ハリスンは2001年、がんのために58歳で亡くなっている。

「僕らはかなり長い間友だちだった。一緒に休暇に出かけたりもしたよ」とアイドルは言っている。

「その世界では有名で伝説的な人たちの違う側面を見るのはいいものだね。ただ人生を楽しんだり、休暇を楽しく過ごしたりしてる、ふつうの人として。ごくふつうの人間のように過ごしてる、実際そうだったんだよ」

ショウにはラトルズに関する「たくさんのもの」も含まれており、「僕が作った、誰も知らない続編のようなもの」だとアイドルは言っている。



ショウビジネスの世界で60年以上も活動しているアイドルだが、現在、「ある意味行き詰まった状態」になっているという。モンティ・パイソンの作品とそのほかの彼の作品の印税をもってしても、「残念なことに」、『空飛ぶモンティ・パイソン』の人気スケッチ“Money Programme/マネー・プログラム(There Is Nothing Quite So Wonderful As Money) ”のキャラクターのようなわけにはいかないのだ。

「ショウビジネスは変わってしまった。みんな誰かを利用し始めて、例えば、ミュージシャンはお金を払ってもらえない。曲を書いた人々には支払われないんだよ」

「Spotifyがすべてを殺してしまった。YouTubeはすべてを盗んでいく。それに今、テレビはだめになってる。まともに支払うことをこばむ配信サービス会社に破滅させられてしまっているんだ」

「なんせ、彼らはハイテク企業なんだ。サーカスをやっていくためにはテントの下にいるみんなを理解して、養わなければならない、みたいなショウビズの世界じゃないんだよ。ものごとは認識されているとおりではないかもしれないし、新聞とかで人々がそれに気づくのはたやすいことじゃない。何が起こってるのか、みんなどうやって知るんだろうね?」

「悲しい事実だけど、まあかまわないよ。ものごとは常に変わっていくものだから。それに……僕はサーカスにいるのが好きだしね。僕のひいおじいさんはヴィクトリア時代のサーカスでリングマスター(司会者)をしていたんだ。そう、僕は“Flying Circus”にいたし、遺伝的にサーカスの一部でもあるんだよ。それで、出かけていって、人々を楽しませなければならないっていうのが苦じゃないんだね」(*『空飛ぶモンティ・パイソン』の原題は『Monty Python's Flying Circus』)


2013年、“surviving” モンティ・パイソンのメンバーが集結した。:マイケル・ペイリン、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ(2020年没)、テリー・ギリアム、ジョン・クリーズ。グレアム・チャップマンは1989年に亡くなっている。Photo: AFP

現在、アイドルはロサンゼルスに住んでおり、祖国は「狂ってしまった」と言う。

「ヨーロッパ(*EU)を離れたとき、あれは正気の沙汰じゃなかった。それに、18年間も保守党が政権を握ってきたんだよ。恐ろしい場所だと僕は思うけどね」

「とはいっても……フットボールは大好きだし、クリケットも大好きだよ。それと、あそこには友だちもいるし。でも……ほんとにいらいらさせられる。だって、3ヶ月以上はヨーロッパに行けないんだから。ほんとにばかなことだよ。自分たちで自分たちをすごくだめにしていってると思うね」(*ブレグジット後、ビザなしの場合、英国のパスポートを所有する旅行客は、ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国内に180日間の旅行期間中のうち90日しか滞在できなくなっている)

しかし、アイドルは第二の故郷(*アメリカ)のすべてが気に入っているというわけではない。

「1年に3ヶ月ほどは、フランスに退避しなければならないね。それは……Trumpitis(トランプ元大統領の支持者)みたいなのがいるから。彼らはその話をしないではいられないんだよ」

アイドルは、好きなコメディアンは主に彼と同時代に活動してきた人々、「ピーター・クック、ダドリー・ムーア、ジョナサン・ミラー、そして、アラン・ベネット」だと言っている。けれども、一番好きなのは彼の友人でもあるロビン・ウィリアムズだという。「一番素早くて、スピーディで、聡明で、最高に素晴らしいスタンドアップ(コメディアン)だろうね……コメディのアインシュタインだよ」

ウィリアムズは2014年に亡くなった。死因は自殺と判断されている。

「それから、ビリー・コノリーがいる。彼も最高に素晴らしいコメディアンだ。彼は自分という存在をもとに、より現実的な感じだね」

もうひとり、アイドルの友人として知られていたのはデヴィッド・ボウイだ。もし彼が音楽的天才でなければ、コメディの分野に進んでいた可能性もある、とアイドルは言っている。アイドルはボウイの息子で映画監督のダンカン・ジョーンズのゴッドファーザーでもあるそうだ。

「彼が父親のことをとても誇りに思っているのを知ってる。そして、彼の父親は……なんせ、すごくおもしろかったんだよ。彼はコメディアンが大好きだったし、僕らはただふざけまわって、いつも笑ってた。それにいらついてた人もいたけどね」

「彼はすごくおもしろい人だった。古くからあるトーク番組のインタビューを受けてるときに、そういう感じが出てるのを見たこともある……ほんとうにおかしいんだよ」

『Always Look on the Bright Side of Life, Live!』ニュージーランド公演は10月、オークランド、ウィエリントン、クライストチャーチで上演される。





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*(* )の部分は加えています。
*リンク先は英文です。




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マイケルは出版記念のトークショウ、ジョンは舞台版『フォルティ・タワーズ』(こちらはジョン自身が出演するわけではありませんが)、そして、エリックは歌あり笑いありのワンマンミュージカル、と。えー、これは楽しいの間違いなしでしょう! ニュージーランド以外にも、アメリカ、カナダ、オーストラリアでの公演もあります。今年10月には、『スパマロット』の裏側をつづった本『The Spamalot Diaries』も出版されるそうです。パイソンズのみんなの創作エネルギーはほんとうにすごいと思う。だいじなことなので何度も言いますが、“surviving”パイソンズにはそれぞれ一回は会いたいと思っているので、みんなまだまだ元気でがんばって下さい。それにしてもエリック、ショウができるくらいに元気になってほんとにほんとによかった(嬉泣)

ところで、エリックがInstagramを始めました(Facebookも)!! 


@realericidle on Instagram
(埋め込み設定がオフになっているのか、ポストの埋め込みができないので、リンクを貼っています。画像はスクリーンショットです)

数日前にポストされた1枚目の写真、帽子とメガネのファッションも表情もめちゃくちゃいいなー! InstagramもFacebookも公式サイトのリンクで知りました。Xではアカウント開設の告知をしていないみたいで、まだぜんぜん知られていないもよう……ひっそり始めて、どうなるのかようすを見ているとしか思えないのですが、どうなんでしょうね?



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