「厳しい状況にある」ジャン=ピエール・レオのためにクラウドファンディングが立ち上げられる | CAHIER DE CHOCOLAT

「厳しい状況にある」ジャン=ピエール・レオのためにクラウドファンディングが立ち上げられる

[ORIGINAL]
Une cagnotte ouverte pour l’acteur Jean-Pierre Léaud qui « traverse une passe difficile »
Par Yves Jaeglé
Le 13 juin 2023 à 20h11, modifié le 14 juin 2023 à 22h34
https://www.leparisien.fr/culture-loisirs/cinema/cinema-une-cagnotte-ouverte-en-faveur-de-lacteur-jean-pierre-leaud-13-06-2023-SPMXAKH4RZAENAIZOOENK5KUN4.php


「厳しい状況にある」ジャン=ピエール・レオのためにクラウドファンディングが立ち上げられる


『大人は判ってくれない』に始まる、フランソワ・トリュフォー監督の“アントワーヌ・ドワネル”シリーズ全4作品に主演し、人々の記憶に残るヌーヴェルヴァーグ俳優が、79歳にして精神的にも経済的にも厳しい状態となっているという。彼の友人やファンは彼を助けるための募金を呼びかけている。

posted:2023年6月13日(火)20時11分 modified:2023年6月14日(水)22時34分(フランス時間)



この情報はSNS上のファンを動かした。そして、フランスのみにとどまらず、クラウドファンドサイトLeetchiで、プロジェクト“Soutien et reconnaissance à Jean-Pierre Léaud (ジャン=ピエール・レオに支援と感謝を)”が立ち上げられた。このプロジェクトは当初の目標額15,000ユーロを超える金額を達成し、総額20,362.84ユーロで、水曜日の夜に終了している。



ジャン=ピエール・レオは、フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』で1959年にカンヌ映画祭で監督賞と国際カトリック映画事務局賞を受賞した。彼が演じた少年は、両親から見捨てられてさまよいつつも、陽気で反抗的、その実、優しさに飢えるあまり悪いことばかりして、最後にはどうしようもなくなってしまう。そんな主人公の少年はパリ中の子どもたちのヒーローとなり、さきがけとなった。そのヌーヴェルヴァーグのアイコン的俳優が、79歳となる今、「精神的にも身体的にも、物質的にも厳しい状態にある」というのだ。

多くの映画ファンにとって、謎に満ちた俳優

今回のサポートプロジェクトは“Les Amis de François Truffaut”が立ち上げ、その後、ユニフランス会長、シネマテークフランセーズ前ディレクター、『カイエ・デュ・シネマ』の映画評論家、そして、ジャン=ピエール・レオの親しい友人であるセルジュ・トゥビアナに引き継がれた。トゥビアナはカンヌ国際映画祭から戻ってきた際に、レオから不安になるようなメッセージを複数受け取っており、彼を心配していた。「助けを求める叫びでした。6歳年下の私を、あの夢のようなヌーヴェルヴァーグのアイコンを兄として育ってきた私たちを、頼ってきていました。私は彼の家に会いにいきましたが、彼を励ますのはとても難しいことでした。彼は起き上がることもできなかったのです」

トゥビアナはメディアの報道には出さず、まず映画界の人々に働きかけた。そののちに、“Les Amis de François Truffaut”がファンに呼びかけた。内容は、ジャン=ピエール・レオはヴァカンスに出かけることもできないというものだった。彼はクレタ島を再び訪れることを夢見ている。彼のケアをしてくれている妻との美しい思い出の地だ。しかし、気力が大きく失われてしまっているのだという。そしてそのあと、数多くの映画ファンに、この伝説的俳優の生活と書類上のことを整理するための助けを求めた。



レオが受け取っている年金の額は「多くない」。彼は特に若い頃に多くの仕事をしているが、将来的なことを考えたことはなかったからだ。「ギャンブラー」だと彼の友人たちは言う。彼はカルト的な俳優だ。しかし、出演映画は監督ありきの作品で、彼の若い頃はブロックバスターのようなものはなかった。もちろん、彼は『夜霧の恋人たち』、『家庭』、『逃げ去る恋』(シンガーのドロテがザビーヌ役で出演)のアントワーヌ・ドワネルであり、『男性・女性』(若きシャンタル・ゴヤと共演)など数多くのジャン=リュック・ゴダール作品にも出演している。2022年9月にゴダールが出身地であるスイスで亡くなったことは、彼にかなり大きな影響を与えている。「彼は電話でむせび泣きしていました。ふたりは最新のプロジェクトを一緒にやることにもなっていたのです。ゴダールはあきらめなければならなくなりましたが。ゴダールのような人々は、彼にとって重要な、色々なことを教えてくれる人でした」とトゥビアナは言う。

「そのため、彼は非常に心を痛め、精神的に孤独となり、身体的にも自由がきかない状態となっているのです」

“アントワーヌ・ドワネル”シリーズは、アントワーヌの子ども時代から大人になるまでの物語で、子どもっぽい壮大なノンセンスから、大人の小さな取り決めごとまでが描かれているが、その間、レオには指標となる人物が3人いた。トリュフォー、ゴダール、そして、ジャン・ユスターシュだ。レオは、ユスターシュの名作『ママと娼婦』でも、1973年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞している。



2016年、レオはカンヌ国際映画祭において名誉パルム・ドールを受賞し、長いスタンディングオベーションを受けている。その際、彼はタキシードに身を包み、映画への鮮やかなラブレターを届けた。「ジャン=ピエールはシャイです。彼は称賛される場所にはあまり出ていきません。彼は日本と韓国で特に愛されています。それらの国に行くように再三言っているのですが、彼は今、非常に心を痛め、精神的に孤独となり、身体的にも自由がきかない状態となっているのです」

アントワーヌ・ドワネルは愛を求めている、常にずっと。ジャン=ピエール・レオは今すぐに愛を必要としている。バカンスと経済的支援とケアだ。支援金とは、単に金額の大きさだけの問題ではないことが多い。小さな優しさを示すものなのだ。恋は逃げ去るものかもしれない、でも、友情や称賛はそうではない。





*リンク先はフランス語です。




昨日(今朝)の記事に書いたレオのためのクラウドファンディングを取り巻く状況がくわしく書いてある記事があったので、訳しました。フランス語の記事で、仏→英は翻訳サイトです。だいたいの話だと思って下さい。訳していて、何度もつらくなって仕方がなかった。でも、どういうことなのかちゃんとわかってよかったし、やっぱりレオが大好きだと思いました。2014年に初来日しているけれども、きたのはその一回だけ。レオ、元気になって、また日本にぜひきてほしい。のんびりでいいから。その時はなんとしてでもまた会いにいきたい。



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