女王陛下の | CAHIER DE CHOCOLAT

女王陛下の


先週の木曜日の深夜。仕事が終わって、ふと見たニュースにエリザベス女王の訃報が。そこからBBCのLive映像をずっと見ていて、結局、同じ内容を3周ぐらいした。それにしても、4月にフィリップ王配の崩御、6月にプラチナ・ジュビリー、そして、今、9月。怒涛の半年間。在位期間が70年ということは、ほとんどのイギリス国民が女王しか知らないくらいの状態なわけで、なんとなく不安感に包まれているというのもわかる気がする。私ぐらいの者でも、イギリスといえばエリザベス女王で、コインや紙幣、切手には女王の顔があるのがふつうのことだし、「女王陛下の〜」みたいなフレーズも当たり前のように色々なところで見たり聞いたりしてきた。それらすべてが変わってしまうというだけでも寂しい。BBCのラジオでは、「女王の安定感」ということをしきりに言っていた。私は特別に英国王室ウォッチャーなわけではなくて、エリザベス女王はなんだか好きだなあ、素敵だなあと思っていた程度。でも、やっぱりとても悲しい。私はイギリスという国が小さい頃からずっと好きで、ずっとなのになんでだかわからなくて、昨年(あまりにも遅いが)それがはっきりとしたものに変わって、ようやく目が開いてきた感覚がある(遅すぎる)。1952年からの70年余りという時間を考えると、そこに女王の存在がずっとあったんだな、と思う。


パイソンたちもエリザベス女王の思い出を語っていた。

最初にエリック。


「良いユーモアのセンスを持つ偉大なレディ。彼女は僕が10歳のときから女王だった」


ナイトのマイケル。オフィシャルサイトとFacebookに。


「女王の崩御というとても悲しいニュース。彼女は僕の人生の中で重要な人物だった。たびたびの戸惑いの時にも、彼女は静かに常に変わらずしっかりとまとめてくれていた。素晴らしいユーモアのセンスがあり、話を語るのがうまかった。僕の妻と僕は幸運にもウィンザー城に招かれたことがある。女王陛下はとてもリラックスしていて、僕たちが立っている見事なカーペットを差して、それが交換されたときのことを話してくれた。より糸がそうじ機にからまってちぎれたことにメイドがまったく気づいておらず、彼女の背後でカーペットがだんだんほどけていっていたのだそうだ。良いカーペットが失われたことにはらを立てるどころか、女王は身ぶり手ぶりいっぱいに、たくさん笑いながら、その話をしてくれた。スラップスティックが好きな君主がいるというのは素敵なことだ」


ジョンのは『007/ダイ・アナザー・デイ』のプレミアの時のことですね。


「女王には一度お会いしたことがある。『あなたのことは切手で拝見しております』と言いたい強い衝動を抑えるのがたいへんだった。

悲しく思う、フィリップ王配がいなくなってから、どれほど寂しかったかを考えると、特に。

それでも、彼女はかつて『誰が永遠に生きたいと思うでしょう?』と言っていた。

彼女がいてくれて、僕たちは恵まれていた」


エリザベス女王が亡くなられたスコットランドのバルモラル城は、家族で過ごした場所であり、フィリップ王配が女王にプロポーズした場所でもあるそう。2日前まで仕事をして、幸せな思い出のある場所で静かに人生の終わりを迎えるというのは、ほんとうに理想的な最期だと思う。今頃、フィリップ王配とお茶を飲んでおしゃべりされているでしょうね。


BBCの速報映像。すごく良い編集だし、エルガーだし、ちょっと泣きそうになる。