clothes on film 2020 | CAHIER DE CHOCOLAT

clothes on film 2020

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今年2月に始まったIGN Japanでの連載“映画衣装の密かな愉しみ”、まだ1年経っていなかったんですね……第1回はもうかなり昔のことのような気がします。少しずつふり返りをやってみたいと思います。これまでの記事の映画にも興味を持っていただけたら嬉しいです。


第1回『ジョーカー』の衣装が語るアーサーのリアルな人物像
『ジョーカー』は、かなり綿密に選んで作り上げられた衣装から、時代、街の雰囲気、アーサーのパーソナリティと心の変化などを感じられる作品。色の使われ方が印象的です。階段のシーンの赤いスーツはやっぱりかっこいい。


第2回『マリッジ・ストーリー』距離と変化、そして、あるひとつの仮説
イメージや見た感じ以上に人物の心理がとても細かく衣装に反映されている作品です。衣装デザイナーは『ジョーカー』と同じくマーク・ブリッジス。細かすぎて記事に入れられなかったことはここに書きました。


第3回 白い服、熊の毛皮、花のドレス……『ミッドサマー』の美しい衣装が意味するもの
これはひととおり考察が出揃ったぐらいの時期だったので、できるだけ出てない内容を入れるようにしたつもりです。ない頭を悩ませつつも謎解き的なのは楽しかった。見守り案件と言っていたオークション、花のドレスはアカデミー映画博物館に6万5000ドル(約700万円)で落札されましたね。


第4回『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』のファッションに隠された「新しいハーレイ」の心理
パンデミックがなかったら、今年のハロウィーンで覚醒ハーレイの衣装を着た人をたくさん見られたんだろうなあと思うと残念ですね。内容と分量的に記事に入れることはできませんでしたが、ユアン・マクレガー演じるブラックマスクのナルシシスティックなスタイリングとアイテムが個人的には好きでした。


第5回『ブレードランナー 2049』2049年の世界で彼らが身につけるものとその理由
Kのコートの素材(と金額)がちょっとびっくりでした。そして、完全実用アイテムでもかっこいいハリソン・フォード。衣装ではないけど、ウォレスが目が見えない設定なのは、オリジナルのタイレル博士のラストと関係があるのかが気になります。


第6回 衣装が伝える『TENET テネット』の“リアリティ”
人物描写が薄いと言われている『TENET テネット』ですが、衣装からにじみ出る人物像にはすごいものがあると思います。記事には入ってないことや雑談はこちらに書き散らかしました。そういえば、ニールのお守りはイギリス領インドの1パイス銅貨だったんですね。


第7回「ファンタスティック・ビースト」 変化と成長の旅、その装い
個人的に好きな衣装は1作目のニュートの青いコート。ティナの変化もいいですよね。パリでぱっつん前髪のボブといえば、『アメリ』を思い出さずにはいられませんでした。キャラとして好きなのはクイニー&ジェイコブ。可愛すぎるふたりのこれからが気になる〜。もちろんマッツのグリンデルバルドにも期待高まります。


次回、第8回は年が明けてからになります。連載で取り上げてほしい作品を編集部に伝えて下さっている方もいるようで、とても嬉しいです。基本的に好きなことしかない、仕事というには楽しすぎるこの連載、濃い内容をお届けできるようにがんばりたいと思います。来年もよろしくお願いします。