ある土曜日の午後、

夫は娘だけ連れて近所に出かけた。


「二人で行く」と言われ、

一緒に行くことを拒絶された。


視界に入るな、

排除したい、と言われているような気がした。


行ってきますの言葉もなく、

ガチャリと玄関のドアが閉まる音が聞こえ、

私は部屋に取り残された。


その音を合図に、

夫の前では耐えていた涙が溢れ、

胸が潰れるような重さが、

ズンと一層重くのしかかってきた。


苦しい。消えたい。

消えたい消えたい消えたい。


スマホで『苦しい 電話』と検索した。


誰かに聞いてもらわなければ、

気持ちを吐き出さなければ、

自分が消える選択肢を選んでしまうかもしれないと怖かった。