大腸がんの特徴
日本で一番身近ながん
早期発見できれば治りやすいがん
有効な検診があるがん
治療法の確立が進んでいるがん
大腸がんは1975年以来増え続けており,2012年以降悪性腫瘍の中で最も多いがんになりました(国立がんセンターがん情報サービス)。
とはいえ、大腸がんは比較的治りやすいがんであり,2009年から2011年の相対5年生存率(性別,生まれた年,年齢分布を同じにした日本人集団との比較)は男女とも72%です。
大腸がんといわれたら、まず知りたい基礎知識をまとめました。
大腸とは?
大腸は、口から肛門まで約10mの消化管(食べ物の通り道)の一部で、消化管それぞれの役割は以下のとおりです。
口:食べ物を噛んで細かくする
食道:胃に食べ物を送り込む
胃:粥状になるまでこね混ぜる
小腸:消化・吸収の中心
大腸:水分を吸収して便の形にする
大腸は、食べ物の最後の通り道です。1.5~2mほどの長さの臓器で、結腸と直腸に分けられます。
大腸は小腸に続いて,右下腹部から始まり,右上腹部→左上腹部→左下腹部へ至り、肛門へつながります。
結腸は盲腸,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状結腸に分けられます。
直腸は直腸S状部,上部直腸,下部直腸に分けられます。
大腸がんは増えている!
大腸がんにかかった患者数は、全がんのうち全体では1位、男女別では2位となっています。
そして、大腸がんの患者数は増えています。
その原因は、
①高年齢者が増えた(大腸がんの原因は「老化」)
②先進国になった(高脂肪食が増えた)
と考えられます。
大腸がんの自覚症状
早期の段階では自覚症状はほとんどありません。
ある程度大きくなると、
⚫︎血便(便に血が混じる)
⚫︎便通の異常(便秘や下痢を繰り返す、便が細くなる)
さらに進行すると、
⚫︎腸閉塞(腹痛や嘔吐)
大腸がんの深達度(ステージ)
大腸がんは、粘膜に発生し、大腸の壁の中を徐々に深く進みます。がんが大腸の壁のどの深さまで広がっているかを示す言葉が深達度です。
がんの進行の程度は、「ステージ(病期)」として分類します。
大腸がんのステージは0期〜Ⅳ期まであり、深達度、リンパ節転移・遠隔転移の有無によって決まります
ステージ0:がんが粘膜内にとどまる
ステージⅠ:がんが固有筋層にとどまる
ステージⅡ:がんが固有筋層の外まで浸潤している
ステージⅢ:リンパ節転移がある
ステージⅣ:血行性転移(肝転移・肺転移)または腹膜播種がある
大腸がんの治療の選択
0期〜Ⅲ期では、主にがんを切除できるかどうかを判断し、切除できる場合には内視鏡治療または手術(腹腔鏡下手術または開腹手術)が勧められます。また、Ⅲ期もしくは再発リスクが高いⅡ期の場合は、手術のあとに薬物療法を行うことが勧められます。
※ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を指し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する悪性腫瘍に限って使うとされていますが、特に区別しないこともあります。
おすすめ動画
Cancer Channelさんのこちらの動画がとてもわかりやすかったです。
【動画で知ろう!!もっと知ってほしい大腸がんのこと】
1.大腸がんってどんな病気?
1-1 大腸がんの基礎知識
1-2 大腸がん検診と内視鏡検査・内視鏡治療
1-3 結腸がんと直腸がんの違い
演者:石黒 めぐみ先生 (東京医科歯科大学 統合イノベーション推進機構 医療イノベーション推進センター 准教授)
統計
「国立研究開発法人国立がん研究センター」によるがんの統計はこちらにあります。
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PDFはこちらから
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小冊子
国立がん研究センターがん情報サービス編「がんの冊子」
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大腸癌研究会編「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン」(PDF)
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がん予防の小冊子
国立がん研究センターがん情報サービス編「科学的根拠に基づくがん予防」(PDF)
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一般社団法人がんと働く応援団編「現役世代のためのがん防災マニュアル」
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人生は1度きり。だから思いっきり楽しむべきよ。
by ココ・シャネル