結納
無事に結納が済んだ。
心配していた頭髪、私とフィーリングのあう美容師さんだけあって私は満足して家に帰ってきた。
…
以下家族の反応。
母:アラ~ 老けてなくていいじゃない!
でしょでしょ?
妹1:みだれ髪にしたの?成人式に行く人みたい。
何がみだれ髪やねん。
妹2:何ソレ 今まで見たことない髪型。演歌歌手?
(`д´)ア? んだと、コラ
父: つぅがるぅ~かぁいきょぉ~~ ふぅ~ゆげぇ~しきぃ~~~
≡≡・゚・(ノД`)・゚・。
いいもん。私は気に入ってるもん。
食事会自体は、楽しく過ごす事ができました。よかったよかった。向こうのご両親もやっぱり楽しい方達で安心。普通に盛り上がりつつ食事ができて二重丸だった。
ところで、こういうあらたまった席で、あらためて男の人ってスーツ着ると3割増しだよな、と実感する。
普段と違ってTもキリっとして心なしかカッコイイし。うーんスーツ萌え~。
Tの弟君なんか、普通にカッコイイ。イケメン君。えー、こんなにかっこよかったっけ?と思ってしまった。
妹達にも超好評で、弟さんカッコイイ!と私達姉妹3人の意見は一致した。
…え、と…Tの立場は…ま、いいや。
しかし弟君、普段、事務所で会う時は全然そんなこと感じたことなかったのに、スーツマジックかな。。不思議だ。
T、負けるなー私はカッコイイと思ってるよー!スーツを普段からもっと着てくれー。
明日結納
結納の為の頭髪セットを予約した。
着物を着るってほんとに大変。
普段の髪型じゃだらしないのだそうだ(母親談)
着物の頭髪セットに関して多少トラウマのある私は少々憂鬱。
そのトラウマとは…
成人の記念写真の時、振袖をきて頭髪セットをした。
母親が勝手に予約したオバチャン美容室だったのが災いし、自分の希望した髪形とはニュアンスの違う仕上がりになり心底がっかりした。
当時、前髪を斜めにたらしてタイトにまとめあげるスタイルが流行っており、そのようにオーダーしたつもりであった。
しかし出来上がったスタイルは、デコ全開の前髪に、高くそびえたったとぐろ巻きの頭髪という目も覆いたくなるスタイルだった。私はその時おでこにはスキーによる怪我を負っており、かさぶたが痛々しい感じだったのだがそれも全開まるみえの状態だった。
全く気に入ってないが、写真館の予約時間も迫っており、さらに気の弱い私なのでやり直して欲しいとも言えず…。
そしてしぶしぶ美容室を出て車に載ろうとした時、あろうことか、その高くとぐろ巻いた髪が天井につっかえ、横に『ぐにゃり』とひんまがってしまった。
その出来事で私の機嫌も最高潮にひんまがり、そんな心理状態で撮った写真の出来上がりは案の定サイアク、一度見たっきりお蔵入りとなり、あれから二度と日の目を見ることはない写真となった。
このような苦い思い出が私を憂鬱にさせる。
明日は今自分が行きつけている美容院の担当さんに予約をしてあるのでそんな悲惨は頭髪にはならないと思うが、それでも少し心配だ。
結納準備
…ハッキリ言って気が重い。必要以上に緊張している私。
結納とは言っても略式で、会場が用意してくれる漆塗りのおぼんにのった簡単なお飾りに結納金を入れて婚約指輪をのっけて…という用意も簡単な形だけのもの。
しかも、私からの結納返しもついでに飾ってしまい同時に交換してしまおうというお気軽でほとんど食事会のようなものの予定。
だったのだが…
今日、彼が会場にお飾りとか結納金の水引とかの確認を電話したらなんと
「用意できるのはおぼんだけ」といわれたらしい。
なんですってー!!
松などの飾りは長崎だか遠くの他県から取り寄せなくてはならず、今からでは間に合わないとのこと。
でも予約する前に結納飾りの話を聞いた時、
おぼんとお飾りセットで水引がついてます。形は2種類から1つお選びいただけます。
って言ってたと思うんだけど…頼むよ担当さん~。
でも私の彼はもんのすごく強いので、そんなことには絶対負けはしない。
むしろここぞとばかりに熱く燃え上がり、絶対に絶対に絶対に絶対に、自分の意見を通してしまう。
クレーム寸前のオーラをかもし出しつつハッキリと話が違う!と言ってのけ、即刻在庫を探させ、結果的に料金そのままでお飾りOK、オマケに印鑑までGETしたらしい。
すごい…多分私だったら泣き寝入り、ものすごくがんばってせいぜいお飾りをなんとかしてもらう程度だろう。つくづくすごい…
そして更に電話を切ってしまう前に、「弟妹達に営業していいから料理もいいもの出してネ(はぁと)」と付け加えるのもわすれない人なのだった。。
まさか食べてる横で営業されることはあるまい……妹達よ…すまん!
なれそめ6
その帰り道…
好きな人の話になった。
前に親友M子から、Tは好きな人がいるんだって、と聞かされていた私は、好奇心一杯で
今好きな人いるんだってー?だれだれ?文系の子?
とTに聞いた。
本当に純粋な好奇心からの質問だった。そしてTが好きになるのは文系の子と信じて疑わなかった。
Tははじめ答えようとせずはぐらかしていたが当然の反応と言えた。友達とはいえいきなり好きな人を聞かれてもホイホイと気軽には答えられないだろう。
また、私も絶対聞きたいというわけでもなく、おもしろそうだから聞き出してやれという気持ちだった。(思春期にありがちな好奇心だが、文字にするとサイテー)
そして友達だから協力できたらしてあげようとも思っていた。
口が重いTに対して私は
へーM子には話せるのに私には話せないのか~なんだよ~教えてくれたら協力するよ~
とかすねるフリをしたりしてからかっていた。また、ま、男の子だしいきなり好きな子聞いても答えてくれるわけないやな、と思いつつ会話のネタとして好きな子話を引っ張っていた。
すると突然意を決したようにTが、
わかった教えるよ。
とついに口を割る決心をした。私は、お?話す気になったのか、と友達として認められた気がしてちょっと嬉しくなりつつ
で、だれ?
と聞いた。
するとTは
チャリ漕ぎながら話すのも落ち着かないし誰に聞かれるかわからないからちょっと静かな公園によろう
と進行方向を変えた。
私はありゃ~結構深刻なことだったのね、しつこく聞いて悪い事したかなと少し後悔したが好奇心の方が勝ってしまったのでおとなしく後についていった。
なれそめ5
みんなが行かないなんて、ましてや親友すら行かないなんて、盛り上がらなさそうだしつまんなくなかろうか…と心配になり行く気が急激に無くなってしまった。
でも、あんなに元気良く行く!と宣言してしまった手前、みんなが行かないなら私も行かない。とは言い出しづらく
じゃぁ2人で行こうか?
とのTの問いに
いいよ・・・
と答えてしまっていた。
そしてほんとにみんな行かないの~??(裏切り者ー!)
という私の訴えもむなしく他の皆は
じゃーまた明日ね!
と散り散りに帰っていってしまった。そんな仲間の裏切りに軽いショックを受けつつ、
じゃ、(しょうがないから)行こうか!
と気を取り直してカラオケに向かった。
実はTは歌がものすごくうまい。それは知っていた。体育祭の後、クラスの打ち上げでカラオケへ行った時に尾崎やチャゲアスを歌いこなし高得点をはじき出していた。
だから純粋に歌を楽しもう、と思って楽しく2時間くらい2人で変わりばんこに歌い続けた。
今考えると乗り気じゃなかったのによく間が持ったな、と思うが、その時はなんの苦もなく時間がすぎていた。
そして、帰るときになってTが
家まで送るよ
と言い出した。
なれそめ4
そして秋も深まったある日、私の親友M子がスイーツカフェの割引チケットを片手に
みんなで行かない?
と誘ってきた。もちろん断る理由が無い。(受験生の自覚ゼロ)
スイーツなんかに男の子がノってくるかなぁと思ったが皆ぞろぞろとついてきた。(みんな受験生の自覚ゼロ)
記憶が薄れてしまっているがもしかしたら仲間うちの誰かの誕生日だったのかもしれない。。
そしておいしく安くスイーツを食べ満足して帰ろうとしたとき、
せっかく放課後みんなが揃ったんだからこれからカラオケ行こうぜ、いける人いるー?
とTが言い出した。
私はその当時カラオケが大好きでよくM子と2人で行ったりしていた。2年までは部活が無い日(中間や期末テスト期間)は必ずといっていいほどカラオケにくりだしていた。(親にはナイショ)
そんな私がその話に乗らないはずはなく、
はいはーい行く行く!
と元気良くノリノリで応えた。
が、しかしその時返事したのは私しかいなかった…。いつも一緒にいってるはずのM子でさえ
今日はちょっと…
とか言っていた。
元気良く挙げた手がむなしかったのは今でも忘れない。
な、なぜ?行きたいの私とTだけ!?とうろたえつつM子や友達に
えーなんで今日は行かないのー?行こうよ~~!
と誘ったのだがみんなの反応はものすごく悪かったのを覚えている。
なれそめ3
とはいっても準備期間中は恋愛とかトキメキとか全く感じたことはなかった。単に仲間うちの一人としてしか見ていなかったので準備中のTの動向は一切覚えていない。
そうして体育祭の準備を一生懸命やりとげ、最終的にはクラス一丸となってマスゲームを成功させた。
12クラス中3位だった。理系特進クラスの上位入賞は今まで無かったらしく私達は嬉しかった。
そして、係だった仲間は体育祭後もなかよくつるむようになり、その仲間内でカップルができたりするようになった。受験真っ只中なのに。やっぱり皆バカだ。間違いない。
でも私がTを恋愛対象としてみることはなかった。いくら顔が好みでも。
それにその仲間の中には高1の時の元カレもいて、実はそいつにアプローチされていた。(皆勉強しろよ~…)
しかし私はこいつとは付き合う気ゼロだったので今は受験だし誰とも付き合う気は全く無いと断り続けていた。
なれそめ2
普通3年ともなると受験勉強優先で体育祭は2の次になる。だいたい体育委員やクラス委員がその役を押し付けられるのが世の常だ。
そして具体的に準備を進めるのは進路が決まったヒマな人か、もしくはお祭り人間がやる。
私は後者だった。勉強はハッキリいってキライだし、そういうお祭りの方が好きなので進んで準備する係になった。バカである。私のような普段勉強してこなかったやつこそが2学期も必死に猛勉強すべきであるのに勉強の苦痛より体育祭の準備を選んだ。一番の親友も私と同じ考えだったので、一緒に係になった。
そしてTもお祭り好きなのか何なのか(バカなのか)準備する係に進んでなっていたのである。
なれそめ1
Tと出会ったのは高校3年。同じクラスになってから。はっきり言って顔が超好みだった。でも彼には文系クラスにかわいらしい彼女がおり、一緒に帰っていく爽やかな姿を見て「きっとあんな文系の、ちょっと派手目の女の子が好きなんだろうな」と自己完結していた。
そして自分はTにとって対象外だと思った時点で私自身も無意識的にTを恋愛対象からはずしていた。
はっきりいって望みのない相手を好きになるほど時間と労力の無駄はない。(自論)
そんな感じで、1学期をあっという間に過ごした。1学期の間にTはかわいらしい彼女とは別れたようだったが、クラスメイト以上の存在にもならなかった。
しかし、2学期、体育祭の準備で私達は急に接近した。