転職が決まり、健康診断で行った病院で、何気なく手にした1冊。
色を抑えた美しい水彩画のイラスト。ただぼんやりと柔らかい水彩画が
多い中、とてもしっかりとした立体感も併せ持つ、色彩も絶妙な絵に
魅かれ、外国の絵本かな?と中を開きました。
(文も絵も日本人名が載ってるのに、訳者だと思い込み…)
詩を紡ぐような文章。そこらの下手な映画よりずっと心に響くお話でした。
母と二人暮らしだった少年は突然、母を亡くし、親せきの家へ。。。
その町には三本足の犬が住んでいました。
犬は少年を見るのですが、初めは少年の目には入りません。
心が深く沈んだままの少年はいじめられ、学校へ行かなくなりました。
少年は三本足の犬にだけ、心を許すようになります。
いとこは学校に行かずに遊びまわっている、と少年を妬み、
ある日、犬が姿を見せなくなりました。
探しまわった少年が見つけたものは・・・
病院にいるのを忘れたわけではないのに、涙が溢れてきました。
ジャーナリストであり、詩人である作者、山本けんぞうさんが
見てきたものの何か、かもしれません。
空想的な話とは思えない、とてもリアルなストーリー。
人生の中ではとんでもなく辛いことがあることもあります。
そういう時って、余裕がないから見えなくなっちゃうけど、
よく周りを見渡せば、独りじゃないって気付けるかもしれません。
潰れちゃいそうになった時に、何度も読み返したい
大人たちへお勧めな、愛蔵書にしたい1冊です。

