生きとし生けるもの
 

 

 

ずっと心待ちにしていた

北川悦吏子先生の医療ドラマ

 

『生きとし生けるもの』

拝見しました

 

すばらしかった…‼

 

 

あらすじ(公式より)

 

佐倉陸(妻夫木聡)はたぐいまれなる才能を持った外科医だった。しかしあることがきっかけでメスを握れなくなる。精神的にも追い詰められた結果、外科を追われ内科医となった。入院患者と向き合う日々が続く中で、余命宣告されたがん患者である成瀬翔(渡辺謙)の担当医に。繰り返される手術と抗がん剤治療にうんざりした成瀬は陸に「殺してくれよ」と言った。陸はあっさりと「いいですよ」と。「でもその前に、やりたいことはありませんか」。そして2人は病院を抜け出し、バイクで旅に出た。キャンプをしたり、生まれた街へ行ったり、初恋の人・中野百合(原田知世)に会ったり。成瀬はたびたび体調を崩すが、主治医である陸がついているから安心だった。2人の失踪は上司の小宮滝人(田中哲司)や看護師・菅田陽子(大政絢)らの知る所に。しかも研修医・吉岡薫(杉野遥亮)は陸がある薬を薬品棚から持ち出すのを目撃していた…。人生最後の旅を通して「人は何のために生きるのか」を模索するロードムービー。

 

 

 

 

2019年に

北川悦吏子先生が

【究極の一問】という番組にご出演された際

劇作家の鴻上尚史さんと

対談されたことがありました

 

先生の究極の問いとは

 

【人はなぜ死なせてもらえないのか】

 

当時 10年以上にわたって

難病と闘ってこられたなかで

"病の痛み"との闘いは

死よりもつらいと感じ

この問いを抱かれるようになったと。

 

日本で現行は禁じられている

積極的な安楽死という選択肢があれば

闘病している人は

逆に気持ちが楽になるのでは、

日本人は”死”を暗くて重いものと

とらえがちだけれど

死の感覚を変えたい。

そう思って『半分、青い。』も書いておられたと。

 

「”死”をカジュアルにとらえたい。

日本人の死への感覚を変えたい。」

 

そして、

ライフワークとして、

医者側から見たものではなく

患者側から見た医療ドラマを書きたい

とお話されていました

 

 

 

北川先生のドラマが好きで

北川先生のお人柄も好きな私は

先生が体調を崩されるたびに

及ばずながら心配しておりました

 

同時に 

先生があたためてこられた

この物語が届く日を

ずっと待っていたのですスキ

 

 

こうした経緯を経て

満を持して実現したドラマ

『生きとし生けるもの』

 

 

"死"と"病気" 

そこに至る"痛み"に

肉薄するドラマでした

 

 

子どものころから虚弱体質で

2021年に大きな手術をした私は

もう冒頭から涙していました

 

渡辺謙さん演じる

死にゆく作家・成瀬の

渾身の病者のお芝居…

 

冒頭で成瀬さんが

車いすから立ちあがるときに

大きくため息をついて

ひと呼吸おいてから

どっとベッドに移動するんですよね

 

そうだった…

ほんとうに痛いときって

ため息ばかりついている…

車いすから立ちあがるという

たったひとつの動作にすら

気合がいる…

 

自分の術後の痛みを思い出して

涙があふれてきましたうっ・・

 

私の痛み止めは3時間じゃなくて

5時間ごとだったな…

 

渡辺謙さんはご自身が過去に

大きな病気を乗り越えてらっしゃるからでしょう

病みゆく様は 激痛の記憶が

ありありとよみがえるほど

リアルでした

 

でも痛くても

妻夫木聡さん演じる佐倉先生のように

誰かがさすってくれると

ふしぎとやわらぐんですよね…

 

 

同様に

長年 病や痛みと闘ってこられた

北川先生ご自身の経験が

色濃く反映された物語で

ぐっとくるセリフも多かった

 

死ぬ前にやりたいことを

10個書きだせと言われても

 

「何もない ただ怖い」

 

と絶望したり

 

かと思うと 

佐倉先生とバイク旅に出て

 

「この世は美しい」

 

と 生に執着してみたり

 

病気がつらいからもう死にたい

死ぬのが怖い 死にたくない

 

刃の切っ先の上に立つような

命の瀬戸際で揺れる心情

 

 

「俺は弱虫になった」

 

「生きる権利があるなら

死ぬ権利もあるだろう」

 

「頭の中にある記憶に

思い出に触りたい」

 

「助けたいけど助けられないから

人はただそばにいて

おしゃべりするんだなって」

 

 

そして

 

佐倉先生によって

「医学の進歩によって

格段に平均寿命は延びました

でも それってほんとに

人々を幸せにしたんでしょうか」

 

という 

現代の医療への問いかけもなされます

 

 

最後 佐倉先生と

病院のベッドの女性との会話が

沁みました

 

「私は私である限り

幸せにはなれない

いつだって病気がついてきました」

 

「幸せってゴールですかね

生きてるとたまに吹くご褒美みたいな

気持ちいい風のことなんじゃないですかね」

 

この言葉を聞いたら

心がふっと軽くなりましたキラキラ

 

私もあの夏 あの痛みを乗り越えて

娘の受験をサポートし

仕事に復帰したんだから

きっとまたがんばれる

これからいろいろ大変だけど汗

 

先週末のコミコンや先月の別府で

家族や工さんのおかげで

幸せの風をたくさん浴びたから

がんばろう…‼と

前向きな気持ちになれたのでしたキラキラ

(卑近な例でごめんなさいうさ・ペコ

でも私には大切なこと…

エンタメのチカラってすばらしいキラキラ

 

 

成瀬さんと佐倉先生を見守る

周囲の方もよかったキラキラ

 

佐倉先生は

死に至る薬を病院から

持ちだしてるんですが

それを大政絢さん演じる看護師さんや

田中哲司さん演じる上司

杉野遥亮さん演じる

佐倉先生の後輩が

庇ってくれるんです

 

そのとき

上司に報告する看護師さんが

言おうとすること 恐らくは

 

「あの薬を持ち出したということは

もしかしたら佐倉先生が

成瀬さんを安楽死させてしまうかも」

とか

「このままでは

病院の管理責任が問われる」

とか 

 

そいういうことを

上司が「言うな」って

言葉にさせないんですよね

 

それが素敵で…キラキラ

 

今ってなんでも

強い言葉が否定してしまう風潮が

あるじゃないですか

 

よかれと思ってしたことや

暗黙の了解となっている思いやり

 

それらを「責任を問う言葉」が

あぶりだして駆逐してしまう

 

それを避け そこにある

やさしい曖昧さを そっと見逃す

そのために あえて言葉にしない

させない

 

「言葉」で

数々の美しい物語世界を構築してきた

北川先生が問う

「言わない」ことの大切さ…

 

"言えること"はとても大事だと思います

でも"あえて言わない"ことも

同じくらい大事だと思うのです

 

 

とにもかくにも

キャストさんや脚本はもちろん

撮影・美術・音響・編集ともに

とても丁寧に作りこまれていて

胸を打つドラマでした


海外の映画祭に

出品できないものだろうか…

『PLAN75』『ベイビーブローカー』

『ドライブ・マイ・カー』を

観たあとのような余韻です


新たな地平を切り拓かれた

北川先生に敬意を表したいです

 

今回は渡辺謙さんと妻夫木聡さんの

ロードムービーでしたけれど

北川先生には

ぜひ同じ終末医療をテーマに

連ドラをお願いしたいです

もちろん体調と相談されながら

 

このテーマでこんなすばらしい

物語が描けるのは

北川先生だからこそと思います

 

難病の女の子と

やさしい先生の物語がいいなハート

 

そしてその先生役には

ぜひ工さんを

キャスティングしていただきたいですスキ

 

原田知世さんの

あの笑顔にもまた会えたし💓


さて私も

高齢の母に会いに帰省しよう

 

 

 

Tverでぜひご覧ください

と言いたいところですが

 

 

 

 

NETFLIXで独占公開中の

ディレクターズカット版が

さらにいいので

そちらがおすすめですキラキラ

 

ぜひ‼

 

 

 

 

 

 


 

 

今週の

こどもディレクターは

全身にタトゥーを入れた

TEPPEIさん

 

タトゥーのことをご家族に

お話ししに行かれてました

 

私の目には正直TEPPEIさんの

全身タトゥーは怖くて汗

 

それを受け容れるご家族

その結果 TEPPEIさんは

自由に活動できてるんですよね

凄いなキラキラ…と思いました

なかなかできることじゃない

 

 

『Believe』は

狩山さんの脱獄がうまくいくか

ハラハラしました汗

 

狩山さんの味方かと見えた

林区長は裏で誰かと繋がっているようだし

 

「あなたの味方です」って言ってた

秋澤さんは帝和建設の手先と見えて

あれ?やっぱり狩山さんの味方??

ますます謎が深まるばかり汗☆

 

うちのダンナさんが

「あの弁護士の汗 いらないよな…」

って ぼそっと言ってましたが

汗拭いててもカワイイと思う 秋澤さんup

 

 

 

 

ではみなさま

新緑が美しい季節ですね

どうぞよい週末をき