ところが翌2月11日。
少し遠出の買い物のためにお留守番をしてもらっていたところ帰宅したらケージの中でうんちをしていました。

かつてそんなことは一度もなく、少し元気もないし食欲もないかな、年齢のせいかな、どうしたのかな、と心配はしていたけれど祝日で病院のお休みだし、もともと食も細くガツガツしたところのない子だったので、明日まで様子を見ようと思っていました。


翌日は夫が通院で、送迎のために私も仕事休みにしていました。

朝起きると、リビングでフリーで寝ているちいちゃんがクッションの上でくったりと寝ていました。

まわりにはまたうんちが点々・・・


「絶対におかしい!)と確信し、ちいちゃんを乗せて夫を病院まで送り、その足ですぐに動物病院へ駆け込みました。


診断は「免疫介在性溶血性貧血」

舌の色も悪く、体に力もなく、「非常に状態が悪い、すぐに入院してください。今日の日中に急変するかもしれない容体だとご理解ください。」と言われました。


頭がまっしろになり、世界中がまっくらになったような気がしました。

ともかく夫を迎えに行き、顔をみたとたん、まっくらだったまわりが急に現実にもどり、涙が溢れてとまらなくなり、号泣しながらなんとか夫に先生の説明を伝えたら「なんで!なんで!どうしてそんなこと!」と・・・夫もまっしろになっていました。

病院へ戻り、とりあえず入院し治療を始めてもらうことにし、また夕方来ますとちいちゃんを託しいったん帰りました。

ところが午後に病院から電話がかかり、「ちょっと状態があまりよくないので来られるのであれば早めに」と。

ちょうど娘は朝から旅行に行っていて、心配させるので様子を見てから連絡しようと思っていたのだけどその知らせに動揺してしまって娘に泣きながら電話をかけてしまいました。

当日は帰れないので、翌日早く帰ってきてもらうことにし、眠れない一晩を過ごしました。

ちいちゃんは頑張り、急変することなく朝を迎え、帰宅した娘と会いにいきました。

入院はそれから5日間。貧血の改善がなければ輸血もありうる、と言われていました。

面会に行くと、病院が苦手でおうちが大好きなちいちゃんは、私たちの顔を見ると『帰りたい』と一生懸命立ち上がろうとします。

それが可哀想で、毎日何度も面会は行きましたが、陰に隠れてちいちゃんの姿だけ見て帰ることも。

でもきっと元気になって帰ってくると思っていました。



おうちで使っている毛布を持たせ、週末は会えないので神社にお参りしてお守りをもらいぬいぐるみにくくって持たせて。

病院ではやはりごはんを食べないので、調子がよければ一時退院して自宅で、との話も出ていました。


そして月曜日。


私たちは『つれて帰れるかも』と思って大好きなアジやりんごやささみを用意して面会に行きましたが、待っていたのは・・


『状態が落ち着いたのでレントゲンを撮ったところ脾臓に大きな腫瘍があり貧血の原因はそれで、もう手を施すことができない』という辛い辛い宣告でした。


今、これを書いていても涙が溢れてどうしようもありません。

私たちはちいちゃんを自宅に連れて帰ることにしました。

先生はそれでも1週間から2週間はなんとか、と思われていたようです。


ちいちゃんは、お家に帰ってささみやりんごを少しだけ食べることができましたが、体に力が入らずくったりと寝ていました。 

家族みんなでリビングでちいちゃんを囲んで寝ましたが、夜中何度も息が荒くなり私は一睡もできませんでした。

朝、雨が止んでいたので、くったりとしたちいちゃんを毛布に抱っこして家族3人でお散歩に行きました。

ちいちゃんは夫の腕の中で一生懸命いつもの道を眺めていました。

それから4時間後、ちいちゃんは夫、私、大学が休みに入っていた娘にも見送られて虹の橋を渡りました。