バレンタイン・デーに 旦那様と二人で『「横山幸雄ピアノ・リサイタル~様々な時代をめぐってⅡ~』へ行ってきました

会場は、すみだトリフォニーホール(小ホール)。
自宅から錦糸町はえらく遠く、帰りはしんどかったですが、いろんな意味で収穫あるリサイタルとなりました。
<プログラム>
シャコンヌBWV1004 J.S.バッハ=F.ブゾーニ編
ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」op.53 L.V.ベートーヴェン
スペイン狂詩曲 S.254 F.リスト
夜のガスパール M.ラヴェル
<アンコール>
亡き王女のためのパヴァーヌ M.ラヴェル
組曲「鏡」より道化師の朝の歌 M.ラヴェル
生シャコンヌが聴きたかったのです!どうしても!
私のピアノ曲ランキング上位に常にランクインするシャコンヌ。
そんなこともあり、辛口コメントとなりますが 個人的感想のためご容赦ください。
思いっきり自分のことは棚に上げて話します(笑)
残念でした。
もっともっともっとクリアに弾いて欲しかった。
「ここの左手、もっとクリアにして欲しー」「主題がもやついてる~~~~」 という箇所があったり、ミスタッチがあったり、“静”の部分はモワ~ンした印象がぬぐい去れない演奏でした。
でも、“動”の部分はさすが迫力ある演奏で、一発目の曲として大いに盛り上がったと思います。
その後は、技巧派と評される横山さんらしい演奏が続き、力強くダイナミック、迫力満点、思わず手の動きに目がいってしまう演奏でした。
「様々な時代をめぐって」というサブタイトルがあるにもかかわらず、アンコールもラヴェル続きだったのはいかがなものか?と思いましたが、これまた大好きな「亡き王女のためのパヴァーヌ」は引き込まれる演奏で堪能できました

で、何が収穫だったのかと言うと、いろいろ考えさせられた結果、私が目指している方向は間違っていない、やっぱり私にはこれなんだ、というスタイルが明確になったことが一番大きかったです。
そのためにどうしていくか・・・というのは、一生 試行錯誤の繰り返しだと思いますが・・・。
具体的にお話しますと・・・
ず~っと昔から、ピアノリサイタルでいつも残念に思ってしまうことを今回も深く深く実感しました。
横山さんが参加されている音楽教室が主催だったからかな、今回のリサイタルは観客にお子様が多かったから特に そう感じました。
お教室の生徒さんたちなのでしょうね~。
みんなおしゃれしていて、ホワイエにいると「あれ?どこかの発表会?」と錯覚する光景でした。
小さなピアニストが「どんな曲を弾くんだろう」「私も弾けるようになるかな」とワクワクドキドキしながら横山さんの演奏に注目しているわけです。
その曲に興味を持つか持たないか、大好きな曲になるかその場限りの曲になるか、このリサイタルにかかっていると言っても過言ではありません。
だから、余計に感じてしまいました。
なぜ ピアニストの皆さんは一言もしゃべらないのでしょう???
プログラム冊子に曲・作曲家の解説はとても詳しく書いてありました。とても良い内容だと思いました。
でも、せっかくだから声を発して欲しかった。
その曲を選んだ理由ぐらい話してくれてもいいのにと思ってしまうのは私だけですかね?だって何かしら理由があって、その日その舞台でその曲を弾くのですから。
日本国内で 「クラシックは敷居が高い」というイメージが強いのは、この閉鎖的な雰囲気、知らない人間は楽しめない雰囲気、にも起因していると思います(あと、料金がお高いこと)。
舞台と観客席が一体になり難い雰囲気。
でも、そこで 曲が作られた背景や作曲家の話、その曲を選んだ理由、思い入れ、聴きどころ等を演奏家が直に観客にお話くださるだけで、親近感が湧くと思うんですよ。
そのことをきっかけにマイナーな曲に興味を持ったり、「また この人のリサイタルへ来てみよう!」「他の人が演奏するとどうなるのかな?」っていうことにつながるのではないのかな?
私も子供の頃に、先生がもっと時代背景や作曲家の話をしてくれたら、ピアノへ向かう姿勢が激変していただろうな~と思うわけです。だから、小さなピアニストが多く訪れていたこのリサイタルでは、余計にお話をして欲しかった。
オーケストラでは指揮者の方がお話してくださったりすることが多いですが、ピアノリサイタルでお話してくださった方は・・・特別企画以外(元々、解説つき企画)ではヘルフゴットくらいかなぁ(まぁ、そんなに聴きに行っていないけど・笑)。
1人にかかる体力・プレッシャー等がオケとは違うのかもしれないし、集中力が途切れるとかいろいろあるかもしれないけれど、でも、それでお金をもらっているんだし・・・と思っちゃうのは、私だけ?(おまえ、何様?って感じの意見ですみません)
もちろん、そういうしゃべり付企画のリサイタルを選んで行けばいいって話ですが、子供が大勢来ているなら・・・と思っちゃったんですよね~
欧米のように元々クラシック(西洋音楽)が染みついている環境ならば良いですが、日本は違う。
音楽家には、もっともっとクラシックを広めようという努力が必要なんじゃないかな。
そんなことを帰りの食事中に旦那様と話しながら、話題に上ったのが飯森範親さん。
のだめ千秋先輩の指揮指導や小さな地方オケを他県からも聴きに来るファンがいる人気オケにした飯森範親さんの持論 「音楽家はサービス業です」
まさに私が求めていたものはこれなのです。
飯森さんは、「だって、どんなに完璧な演奏をしたって、ホールにお客様がいなかったら意味ないでしょう?」とおっしゃります(その通り!!!)
だから、彼はスポンサー廻りもファンとの交流も、とにかく演奏会場に足を運んでもらうためならどこにでも出かけるし、これまでの型にはまらず、お客様が喜ぶことをどんどん考えて実行しています。
こちらのサイトにも飯森さんのお話が載っています。
特に、サイト2ページ目は深く頷いてしまうし、こんな思いで演奏してくださっているんだな・・・と思うと、ますます山形交響楽団の演奏を聴きたい!って思ってしまいます

飯森さんの本を読んで私が共感した~と騒いでいたら、旦那様も興味を持ってくれて同じ本を読んだのですが、それほどクラシックに詳しいわけではない旦那様もすっかり飯森ファンになってしまい、旦那様は「山形のホールで聴きたい」と騒いでいます(笑)私以上だね・・・
舞台上で演奏してそれで 「はいっ、終わり」 では、自己満足と同じだと思うんですよ。
でも、プロの演奏家はお金をいただいているわけですよね。発表会とは違います。
もちろん、演奏はエクセレントでしょうが、それだけではなく、もっともっと観客のほうを向いて欲しいんです。
素晴らしい演奏で満足させるだけのリサイタルがあっても良いのですが、今回のはな~。
今回のリサイタル、企画(「様々な時代をめぐって」)は素晴らしいのに、アンコールがラヴェルづくしになってしまったこと、ご自身が参加している教室の小さなピアニストが聴きに来ているのに一言も声を発せずに終わってしまったことは、とてもとても残念に思いました。
観客に媚びを売って欲しいわけではないですよ、誤解なきよう。
生意気コメント満載となってしまいましたが、1人でも多くクラシックファン、ピアノファンが増えて欲しい・・・それに尽きます。
いろいろ考えさせられたリサイタルでした。
ポチッとおねがいします!!!

~今日の音楽用語~
calmato
カルマート は、「静かな、おだやかな」という意味
ドビュッシーの「月の光」でも出てきます
~今日の一曲~
「スペイン狂詩曲 S.254」 by.F.リスト
横山さんのリサイタルで圧巻だったこの曲
キーシンの演奏でどうぞ