前回の記事 「新型コロナ通信(51)- 第5波(3)」 の続きです。
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あれから記事を更新しようにも、「何故、8月15日をピークに第5波が収束したのか?」 という疑問については、結論が出ませんでした。
日本人に固有の(遺伝子)に抵抗力がある説もありましたし、デルタ株の遺伝子複製においてエラーが生じる説。それから日本のワクチン接種ラッシュによって集団免疫を獲得した説などいろいろですが、どれもそれだけでは十分に今回の現象を上手く説明できない。
結局のところ、巷の専門家や研究者が 「いろいろと複合的な要因によって・・・」 と誤魔化すように、わけがわからんのです。
ワクチンを打っていたところで感染することは、「ブレイクスルー」 という用語と共に、既に知られ渡っています。
しかし感染して、その感染が伝播しようとも重症者が出ない。
これはワクチンの効果と言わざるを得ないでしょう。
では、一見3ヶ月周期で感染のピークを繰り返すのは何故か。これはやはりその感染者の周囲に、感染できる人がいなかった。正確に言うと感染できる人は 「いた」 のですが、その伝播の中で重症化する人がいなかった。
とりあえず、重症化する可能性を有する人たち。それは遺伝子的特徴もありますし、身体の抵抗力免疫力的な問題。そういう人達が一通り感染してしまっているということなのだと思います。
はっきりと言えることは、基本的な予防手段 : ①マスクの着用や②うがい、そして③手洗いや④換気といった手段により、確率論的には、感染をそれなりに防げていると思います。しかし、ひとつ大きな穴があれば感染します。
ちょうどマスクと同じです。同じマスクを同じように付けてはいても、感染する人と感染しない人。つまりは予防に成功した人が出て来ます。マスク非着用時の感染確率が60%、マスク着用時が20%であれば、マスクを着用していても、100人のうち80人は予防に成功しますが、20人は感染してしまうのです。
これぐらいの数理モデルは、後付けであれば、「8割おじさん」 とやらがあとから実証してくれるでしょう。
そんなことは、今はどうでもいい。
今回の第6波 「オミクロン株」 は、感染力はデルタ株よりも数倍高い。これは既に日本でも数値となって表れています。それともうひとつの特徴は、症状が軽いということ。南アフリカでの話ですから、日本でも同じとは言えませんが、症状としては熱も出ず、身体の節々が痛むといった症状が主訴らしいです。
しかし日本の場合は、昔であればインフルエンザが流行する寒くて空気の乾いた時期ですので、ウイルスを含む飛沫なども細かくなり、エアロゾル化しやすい環境にありますので、呼吸器に入れば咳は出ますし、もっと奥に侵入すれば気管支炎そして肺炎を発症します。これはウイルスの特性というよりは、環境要因。
その辺がまだ良くわからないところと言えます。
医療機関が、軽症者も無症状者も入院させていたら、病院がパンクして当たり前です。
今の日本の新型コロナ医療で問題なのは、其処です。
感染者はたくさん出ようとも、急に症状が悪化した感染者がきちんと入院出来て、適切な医療を受けられれば、社会的な混乱までには至りません。
そして今回の 「オミクロン株」 の感染力からすれば、今現在、医療機関で取られている対策では到底防ぎきれません。つまりは今回の第6波では、如何に肺炎や血栓などの症状を呈している患者を迅速に入院させ治療させるかだけなのです。
濃厚接触者うんぬんは、もうこれだけ感染が広がったあとでは、意味がありません。
いわゆる自らの責任を回避するための 「役所の論理」 で動いていては、コロナ禍を収束させることは出来ないということです。
医療関係者からしてみれば、もう既に状況としては、新型コロナ感染者として入院してくる患者以外にも、新型コロナに感染している(かも知れない)患者が病院に来る状況にあるということです。
これは当然のことながら、医療従事者自体がブレイクスルー感染の原因になる場合もあるということです。
つまりは、中等症か重症かはわかりませんが、入院して治療する必要のある人たちは、在宅なんちゃらであろうが、きちんと責任をもって当たって貰いたい。
だからと言って、保健所の職員や臨時の非正規職員に仕事をまかせて終わりではないでしょ?きちんと労働法を守るための仕掛け作りはしましょうよ。
中央官庁からは現場が見えないし、現場に近い地方自治体から中央には現場の声が通らない。役所におけるそのジレンマはわかりますが、しかし人の命が掛かっているのです。
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では、日本の第6波はどうなるのか?
ウイルスがエアロゾル化して、呼吸器の奥に吸い込む人も出て来るはずですので、どうしても肺炎を発症する感染者は出て来る。ワクチン接種率が高いので、それでも肺炎の症状自体は軽く済むのかも知れませんが、やはりこれから、高齢者や基礎疾患があり免疫力が落ちている人達の間では、一定確率で中等症患者や重症患者は出て来ると思います。
感染者自体は鰻上りに(エクスポネンシャル、指数関数的に、幾何学級数的に)増加しますが、感染者にしめる中等症および重症患者の数は、前回よりも下がるでしょう。
しかし感染者数は前回とは比べ物になりませんので、総じて中等症・重症患者は第5波と同じか、あるいはそれを超えると思います。
逆に中等症・重症患者もしくは死者の数が第5波を越えないようであれば、コロナ禍自体が収束を示していると言えるでしょう。
自分の場合、身近に高リスクの家族がいますので、さすがにリスクの高い行動は取れませんが、そうでなければ、通勤も通学も、ほぼ日常生活通りで問題はないのではないでしょうか。
しかし日常生活における感染リスクは前回以上に高まると思っています。家の近所のスーパーもですが、入り口では馬鹿みたいに検温とアルコールによる消毒を強要してくる近所の総合病院などは、受付窓口周辺が常に人だかりで蜜な状況なので、あんな環境に5分もいたら、まず感染します(苦笑)
第5波のときも、家に1人感染者が出ると 「家庭内感染」 を起こしてその家庭は全滅していましたが、今回はそれ以上になるでしょう。
結局のところ、ワクチンや治療薬といった科学の産物、これらを除いてみんなが出来ることと言えば、①手洗い、②うがいに、③マスクの着用、そして、④換気ぐらい。
あとは感染しそうな場所には立ち寄らない。そしてしっかりと栄養と睡眠を取る。それくらいしかありません。
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どうもすみません。
グダグダと書きましたが、リスクの少ないご家庭では、気を付けるところを気をつけさえすれば、普通の生活を送られて何も問題ないと思います。
若干リスクのある家庭の場合は、この冬を如何に乗り切るかに掛かっているでしょう。
そしてその期間は経験則的には、長くはありません。ピークまで1ヶ月(60日)から90日。そして見るべきは、そのときの重症者や死者の数であり、感染者数ではないということ。
そして、そのコロナ禍を乗り越えれば、次に待っているのは 「薔薇色」 の世界というわけではなく、次に待っているのは、コロナ禍のツケとも言うべき 「不景気」 です。
100年前の 「スペイン風邪」 のときは、「世界大恐慌」 となって表れましたが、既にその兆候は世界的なロジスティックスの停滞。そしてそれに伴う物価高として表面化してきています。
今現在、金融市況も実態と大きく乖離していますが、多分それが数年後に表面化するのでしょうか。
まあ、そんなことを憂いたところで仕方ないので、早く自分の本分である 「エロの世界」 に戻りたいと思っていますが、このブログに目を通してくれている皆さまには、今年も良い年になりますよう、お祈りしております♪