半年くらい前に書いた前回の記事 「新型コロナ通信(52)- 第6波」 の続きになります。
第7波が来ないと思っていたわけではありませんが、夏場のパンデミックは冬場と比べると空気の湿度が関係しているのでしょう。ウイルスが呼吸器の奥深くに侵入して肺炎を起こすことも少なく楽観視しておりましたので、まさか第7波の記事が来ようとは、思ってもいなかったのですが。
地方もそうですが、ここのところの東京における感染者の増加が2倍(200%)を超える状況に、「ちょっと拙いぞ」と思い始めたところです。
何が拙いのか。
これだけの数の感染者の増加が判明しているということは、何を表わすかと言うと、それを超える数の人達がPCR検査を受けているということです。
そして先週あたりは、まだほとんどが軽症者。酷くても中等症者でしたが、感染者の数が指数関数的に増加すれば当然、それに時間差で追従するように中等症者や重傷者の数が伸びてくる。
そうなると何が厄介かと言うと、また医療機関と保健所が機能しなくなるのです。
保健所の方が「俺たちはベストを尽くしているんだから、俺たちが悪いんじゃねー」と思っているのか思ってないのかは知る由もありませんが、業務プロセスの問題を分析し、改善することなく放っておけば、また同じことが起こるだけ。
そして怖いのは、本当に必要としている人達、緊急の人達に、医療機関や病床そして救急車もそうですが、必要とされる人材や資材が振り分けられなくなるのです。
第7波(BA.5)
では第7波は、いったいどんな感じなのでしょうか。
正直もう最近では、新型コロナの情報はほとんど追い掛けてはいませんでしたが、幾つかのヤバ目の情報が目に入りました。
半年前の冬場、第6波のときのオミクロン株は、BA.1と言われるもの。その後春先にオミクロン株のBA.2の流行があったようですが、その症状が比較的マイルドであり、特に感染爆発も起こしていなかったことから、自身はほとんど気に留めておりませんでした。
では今回の第7波の主流となりうるBA.5はどうなのでしょう。
第6波を超える感染爆発
既に東京では、1週間前の感染者数から2倍(200%)以上に増えているということで、事実上感染爆発と言っても良い状況になりつつあります。
ウイルス自体の感染力が強いのか、あるいは、感染経路などの環境要因によるものなのかは、まだ分かりません。早急に「感染学者」が明らかにすべきことではありますが、昨今の東京での強い日照や高い湿度と温度を考えると、エアロゾルはすぐに降下してしまいますので、どう考えてもそれ以外の要因。
年齢別の感染者数をみると、これはウイルスの変異によるものと思われますが10代が最も多く、年齢が高くなるに連れて感染者数は減少していきます。
つまり第6波などでも同じですが、より低年齢の子供を介してウイルスが伝播しているということです。
そしてその子供から親や大人に移ることで感染が広がっている可能性が高い。
肺炎を発症する感染者の増加
そして大きな問題は、もうひとつ。
第7波では肺炎患者が多く見られるそうなのです。
「『受けられない』PCR検査場に行列も…“キットなし” 医師が市民に求める“第7波”対策とは?」
この報道(記事)で肺炎患者の増加を訴えているのは、埼玉県にある「ふじみの救急病院」。
救急病院ですので、患者は救急車で運ばれてくるわけですので、この報道では患者の年齢等は明らかになっていないものの、体力が低下していたり基礎疾患に問題がある高齢者であると推測されます。
肺炎を起こす以上は、ウイルスが肺胞まで到達している必要があるわけで、他者から排出されたウイルスを含むエアロゾルを吸い込んで発症したのか、あるいは、喉(のど)や口腔内で繁殖したウイルスを吸い込んだのかはわかりませんが、前者であれば、空調が効いており低い湿度や温度に保たれている室内での感染の可能性が高い。
いずれを防ぐにも、前者はマスク、後者は手洗い、そしてうがい。
そして誰しもに求められるのは、この感染爆発のときに新型コロナに感染することを避けるのはもちろん、それ以外であっても、病気や怪我で病院に掛かるリスクを減らすこと。
医療機関に保健所がいずれまたパニクるのは目に見えていますから、医療機関に掛かること自体がリスクであると認識する必要があります。
第8波?(BA2.75 ケンタウロス)
そしてもうひとつ危惧されているのが、第6波のオミクロン株から派生した通称「ケンタウロス」と呼ばれる変異種BA2.75がどうもその後に控えているようなのです。
「新型コロナ最悪バージョン『ケンタウルス』が韓国上陸…初の患者発生」
インドで確認され、その後、米国・オーストラリア・カナダ・ドイツ・英国と広がり、この記事では韓国で第一号の感染者が見つかったとのこと。
第7波のBA.5よりもさらに感染力が3倍以上というのですから、いずれ日本に来ないはずがありません。
ドイツが入っておりニュージーランドが抜けているものの、これらの国はほぼファイブアイズ(英米の軍事機密をシェアする締結国)ですので米軍経由で沖縄あたりからまたジワジワと広がっても不思議ではありません。
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もうオミクロンを最後に新型コロナには引退して貰いたかったのですが。
しかし、多くの感染者が軽症に留まり、肺炎などを発症し中等症化・重症化するのが高齢者だとするならば、それはインフルエンザでも同じわけです。
そして現在、社会の動きを止めることにも多くの批判が集まっています。
では問題は何なのか。ずばり「医療体制」でしょう。
また多くの国民が、救急車搬送でたらい回しにあって命を失い、多忙な保健所職員のケアレスミスから見落とされた人達の一部が命を落とし、そして新型コロナに感染していないのにもかかわらず、運悪く怪我をしたり持病の悪化した人達が医療崩壊の巻き添えを喰って亡くなるのでしょうか。
「けしからん!」と言うのは、簡単なのですが
自分がいつその立場になったとしても後悔しない「生き方」を模索して行きたい、と思っている今日この頃です(笑)