昨日の 「体位の話(14)」 の続きです。

 

前回の記事では、間違ってお伝えした情報を修正させて頂きました。

 

「江戸四十八手」 と呼ばれる、体系化された 「特別な体位」 があるわけでもありませんし、茶道や華道のように、「本家」 のようなものが存在するものでもありません。

今ある体位の多くは、「鴛鴦閨房秘考(おしどりねやの志ぐさ)」 や 「紅白譜」 といった系統を引くものが大部分ですが、しかし、それでも、「鴛鴦閨房秘考(おしどりねやの志ぐさ)」 などの文献に基づき、きちんと書かれている方達はほんの少し。数から言えば、間違った情報を氾濫させているサイトが大部分というのが現状です。

 

そこまで 「目くじら」 たてる必要があるかと言われると微妙ではありますが、数多くのサイトが、【鵯越えの逆落とし】 を女性が逆立ちしている状態でク/ンニする体位と紹介したり、女性が片膝を立て、片足を伸ばしているような背面座位を 【乱れ牡丹】 と紹介したりする現状は、あまりにも 「滅茶苦茶」 過ぎます。

もう、まさしく 「悪貨が良貨を駆逐する」 ということわざの通り。


多くのサイトでは、【後ろ櫓(やぐら)】 と 【仏壇返し】 の意味が取り違われて使われていますし、【浮橋】 や 【狂い獅子】 の体位は全く異なるものですし、【入船本手(吊り橋)】 の体位を滅茶苦茶です。

細かいことを言えば、【網代本手】 では、女性が脚で男の脚に絡め取るところがポイントなのに、全く書かれてもいなければ、再現もされていません。

 

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しかし、「それぞれのひとの セ/ックスに正解・不正解がない」 ように、間違った情報であろうと何であろうと、別にその体位を他人に披露するわけでもありませんので、安全に気を付けてさえいれば、基本その人たちが楽しめていれば、それで良いと思っています。

 

でも、どうせ楽しむなら、偽りのある 「なんちゃって」 体位などではなく、古人が楽しんできた、いにしえの 「体位」 で、江戸時代の開放的な 「性」 の文化に、想いを馳せてみたいもの。

 

「鴛鴦閨房秘考(おしどりねやの志ぐさ)」 に基づいた 「江戸四十八手」 その他の情報を提供するサイトもいくつかありますので、宜しかったら、以下のサイトを参考にしてみて下さい。

 

お薦めのサイト

 

【きもイク】 気持ちよくイクカラダ

愛のいとなみ

四十八手のセックスsex体位

 

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今回は、「百手秘戯図」 など 「紅白譜」 の系統を中心に、一般には、あまり良く知られていない体位の名前を、整理してみたいと思います。

 

 

「百手秘戯図」 関連の体位

 

 

【本間取り(ほんまどり) 別名 【差し向かい】 あるいは 【前どり】 とも言う。女性が仰向けに寝て、膝(ひざ)を軽く曲げて脚を開き、男性は膝と肘を床について挿入する、いわゆる普通の 「正/常位」 を指します。

 

【磯の波枕(いそのなみまくら) 【空竹割】 のように男女が脚を伸ばし、その脚が交互になる 【松葉ちがい】 の状態で、互いに両手を相手の肩に回し、身体を密着させる正常位。

 

松葉ちがい

 

【四つがらみ】 【四つ手がらみ】 とも言う。女性の両脚が男性の腰に、女性の両手が男性の背中に絡んだ形になるタイプの正/常位。

 

【小股ばさみ】 【外がけ】 とも言う。女性が両脚を伸ばした態勢で挿入する伸/長位。

 

小股ばさみ

 

【足かかえ】 【本茶臼】 の状態から、女性は膝(ひざ)を曲げ、男の腹の上に乗せて、男がその女性の膝を抱え込むタイプの騎/乗位。

この写真のような状態で男性が腕を抜き、女性の膝を抱え込むようにしたもの。

 

 

【後ろづけ】 仰向けになった男が両足を開き足首を持つなどして腰を高く上げたところに、女性が男に背を向けた状態で上から乗るタイプの騎/乗位。女はひざをつくか中腰になり、または両手を床につく。男女の位置が逆になった 【砧(きぬた)】。

 

【海老(えび) 本茶臼の状態で、女性が前屈みになるタイプの騎/乗位。

 

海老

 

【十文字がけ】 【横茶臼】 とも言う。仰向けの男性に女性が横から乗るタイプの茶臼。

 

十文字がけ

 

【茶臼回し】 茶臼の状態で、男性が女性の腰を抱えて回すこと。

 

茶臼回し

 

【抱えどり】 【すくい上げ】 とも言う。男性は正座か胡坐(あぐら)を掻き、女性は男性に背中を向けて腰を下ろしたタイプの座位。【櫓がけ】 の女性が、向きを変えたもの。

 

抱えどり

 

【背負いがけ】 男性が椅子などに座った 【抱えどり】。

 

背負いがけ

 

【櫓がけ(やぐらがけ) 【腹櫓(はらやぐら) 【地蔵抱き】 【投網(とあみ) 【俵がけ(たわらがけ) とも言う。男性は正座か胡坐(あぐら)を掻き、女性を両膝(ひざ)の上に抱えて向かい合わせになるタイプの座位。【居茶臼】 との違いは、【居茶臼】 の場合は、男性が脚を前に伸ばすが、【櫓がけ】 では、男性は正座かあぐらを掻く点にある。

 

櫓がけ

 

【玄宗どり】 櫓がけの状態で、女性まかせにすること

 

【突き回し】 【本駒駆け】 の状態から、女性が腰を下ろした状態の体位。

 

突き回し

 

【鶴の羽交い締め】 【鶴の羽返し】 とも言う。【抱えどり】 の状態で、女性の背後から男性が両腕を腋の下から差し入れ、首の後ろで手を組み動けないよう締め付る(羽交い締め)体位。女性を美しい鶴に例えてこの名が付いたとのこと。

 

鶴の羽交い締め

 

【股すかし】 【茶臼がらみ】 の状態から、男性が女性の片足をすくい上げる形の体位。

 

股すかし

 

【向こう突き】 【櫓がけ】 の状態で、女性が後ろに反りかえっているもの。

 

【立ち鼎(たちかなえ) 【蝉がけ(せみがけ) 【鯉の滝登り】 とも言う。男女が向かい合って立ち、女性が片足を男性の腰に絡め、男性はその脚を下から抱え上げる立位。

 

立ち鼎 

 

【立ちどり】 【立ち臼】 とも言う。男女が向かい合って立ち、女性が片足を男性の足などに絡め、男性はその足か尻を外側から抱え込む立位。

 

たちどり

 

【鵯越えの逆落とし】 【唐獅子の逆落とし】 とも言う。男性は仁王立ちになり、女性を逆向きに抱えて、互いに口や舌で攻める形。立ってするシックスナイン。

 

【大みだれ】 はめている最中に、男性が男性自身を抜き、その男性自身で女性のク/リやアソコを愛撫すること。

 

【四国攻め】 【四所攻め】 【四所づめ】 とも言う。体位に関係なく、男性が舌と両手と男性自身を使って、女性の四ヶ所を同時に攻めること。

 

【三味線攻め(しゃみせんぜめ) 【三所攻め】 【三所づめ】 とも言う。体位に関係なく、男性が女性の三か所を同時に攻めること。

 

【丹田くじり】 正/常位の状態で、男性が女性のク/リなどをいじること。

 

【うけあし】 女性が上体を浮かせない形の 【入船本手】。

 

【机がけ】 【ことぶき本手】 の状態から、男性が足を引いて膝(ひざ)をつき完全に腰を下ろす形。

 

机がけ

 

【富車(とみぐるま) 【ひき蛙(ひきがえる) とも言う。【ことぶき本手】 の状態から、男性が足を引いて膝(ひざ)をつき、腰を浮かし気味にする体位。

 

富車

 

【昇りがけ】 【深山本手】 の状態で、男が両ひざを床につけずに攻める形。男性は中腰になる。

 

昇りがけ

 

【きぬかつぎ】 【かつぎ上げ】 【肩車】 とも言う。【深山本手】 の状態から、男性が女性の足を肩までかつぎ上げる体位

 

きぬかつぎ

 

【片かけ】 女性の片脚を男性の肩に乗せる屈/曲位の変形。きぬかつぎより楽であるが、男性と女性の上半身が離れるので、密着度はやや弱くなる。

 

片かけ

 

【坐りづけ(すわりづけ) 【居づけ(いづけ) とも言う。【富車】 の状態から、女性が腰を浮かし気味にして、男性がその腰などを手で持ち自分に引きつけること。

 

坐りづけ

 

 

【参考】

四十八手 閨の戯れ事(しじゅうはって ねやのざれごと)

閑話究題 XX文学の館 地下本雑考 態位集系譜考序説

愛のいとなみ

裏的用語解説講座 四十八手

携帯DE四十八手

 

(つづく)

 

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