昨日の 「体位の話(11)」 の続きです。

 

前回に引き続き、「座位」 を解説していきます。

今回は予告通り、【乱れ牡丹(ぼたん)】 の話から。

 

実は、【乱れ牡丹】 と似た体位である 【絞り芙蓉】 との違いや、数ある四十八手サイトの間違い情報を見比べていて、【乱れ牡丹】 部分の説明が難航していました。

 

 

【乱れ牡丹】 は、胡坐(あぐら)を掻いた男性の上に、女性がまたがって脚を大きく開き、男性が女性の脚を下手で抱えるという、まるで AV さながらのポーズ を取る体位です。

「かかえどり」 と呼ばれる体位の一種ですので、男性が女性の脚を下手で抱える 部分が大事なポイントになっているようです。

 

乱れ牡丹

 

女性の脚先は、男性の脚の上が基本なのでしょうか?

 

女性の脚先を浮かせておくのは、かなり大変だとは思いますが、脚先が男性の脚から外に出て床に付いてしまっても、内側で床に脚を付いてしまっても、【乱れ牡丹】 とは少し違うような気がします。

女性は、男性の寄り掛かっても良いのですが、脚では一切身体を支えず、体重は男女の交接部分と男性が支える手に掛かっているのが大事であるような気がします。

 

ちなみに 【乱れ牡丹】 と呼ばれる 「家紋」 を見つけました。似ているとしたら、実際の 「牡丹」 の花よりは、こちらの 「紋章」 の方が、体位の形に何処か似ています。

 

 

下の花弁が男性の胡坐(あくら)に、上の花弁が女性の脚に見えてしまうから不思議です。

女性が上になって、膝(ひざ)同士をすぼめれば、まさしく 「この紋章」 に見えてしまいます。(笑)

そして何よりも、大事な共通点は、合わさっている 「男女の交接部分」 が中心になっていること。

 

男性に身体を預けて脚は浮き、女性の全ては交わっている 「アソコ」 に集中しているのに対して、男は、女性を脚を抱えるために上半身には力が篭ているために、力がみなぎっている。

 

明らかに、女性の 「気持ち(ハート)」 が高まる体位と言えます。


「鴛鴦閨房秘考(おしどりねやの志ぐさ)」 には、この 【乱れ牡丹】 の記述があるようなのですが、その記述によると、どうも 【乱れ牡丹】 の体位を取る場合は、まず 【本駒駆け】 なるバ/ックに近い体位を取り、アソコをはめた状態のまま、① 女性のお尻を自分のお腹の上に乗せる状態にして、そこで正座から胡坐に崩し、② 自分(男性)の腰を少し前へのめらせるようにしてから、③ 女をおもむろにおこして、女の左腕で首に巻きつかせた後、④ 女の両足を開いたままグットすくい上げるんだとか。

 

ちなみに、【本駒駆け】 とは、正座して後ろ手の男子に、女性が後ろ向きになって男性の太腿をまたいで膝(ひざ)をつき、自分で息子を手に取り腰を下ろす、「座位」 と 「バック(後/背位)」 が合わさったような体位です。

 

本駒駆け

 

この 「紋章」 に近づけるのであれば、すくいあげる男の手は、もうちょっと 「女性の臀部(お尻)」 に近いところの方が良いかも知れません。

 

 

そして、この 【乱れ牡丹】 と似ていて、混同しそうな体位であり、自分も困惑した体位が 【絞り芙蓉】

ちなみに、【絞り芙蓉(しぼりふよう) が、どんな体位かと言うと、こんな感じです。

絞り芙蓉

 

こちらの体位は、「かかえどり」 ではないので、男性の手は基本自由。女性の胸をいじったり、交接部分を探ったりと、やりたい放題できるのが魅力です。(笑)

また、女性の開いた脚が男性が開いた股よりも外側にある のもポイントのようです。

 

ちなみに、自分は 「愛のいとなみ」 というブログを良く参考にしていますが、それは、きちんといろいろな古文書にあたっているためです。

そして、この著者も、【乱れ牡丹】 と 【絞り芙蓉】 の違いに悩むことになるのですが、この著者が 『いろの辞典』【改訂版】 をあたってみたところ、

 

アグラをかいた、男性の膝の上へ、片足を伸ばして半身になり座る スタイル。男性が女性の乳房やサネなどにかわいがることが出来るなど色々な愛撫の方法を楽しめるのが特徴。男に引き寄せられつつ倒れ、足を高く上げるさまが、大輪の芙蓉が華やかに開くのに似ている事に由来する。

 

といった記述を見つけたとのこと。

 

女性が片足を伸ばしているのは、男性の脚の内側にある脚で、もう一方の脚は、しゃがむ以上は立て脚な筈。位置は逆に男性の胡坐の外ということになります。

 

この説明を見て上記の推測から、思わず思い浮かべてしまったのが、この図です。(笑)

 

 

体位で出演しているお二人のモデルが実に可愛そうなのですが、この企画を監修した人も、こういった挿絵を使用している他のサイトを参考にしたのでしょう。(苦笑)

 

 

ある意味、実に残念です。

 

【絞り芙蓉】 の話に戻ります。

 

【絞り芙蓉】 のポイントは、男性が女性に脚を掛けて女性の脚を思いっきり開いているところ にあると言えましょう。

【乱れ牡丹】 は、男性が女性の脚を抱えて開き具合やはまり具合を調整しますが、【絞り芙蓉】 の場合は、男性が脚の開き加減や腰の当て具合を変えたり、女性の腰を手で操作して調整しているわけです。

 

***

 

【乱れ牡丹】 も 【絞り芙蓉】 のどちらの体位も、床や布団の上だと挿入が難しそうですが、ソファーなどを利用すればいくらか楽になるようにも思えますし、たまには、この 【縛り芙蓉】 の挿絵にあるように、干して積んである布団のところで、このように乱れてみるのも悪くない気がします。(笑)

 

(つづく)

 

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