前記事 「ニッポンのセ/ックスを読み解く」 の続きです。

 

前の記事では、相模ゴム工業の調査以外にも、国立社会保障・人口問題研究所の 「出生動向基本調査」 などを参考にしましたが、この調査の存在を知ったのは、実は 「荒川和久氏」 の記事を読んででした。

この方は 「独身研究家」 を自称されておりますが、社会学者並みにきちんと統計の数字を掴むなど論理的ですし、「統計」 という掘りの外側からの攻めと、一方で 「独身」 の心理に基づく掘りの内側からの攻めはなかなか見事。

「人の相性」 を ”単なる主観的な思い込み” と言い切るような 「切れ」 は実に圧巻です。(笑)

 

ちなみに、荒川氏のインタビュー記事はコチラ:

 

   「第1回 いつの時代も『恋してる男女』は3割だけ。独身研究家に聞く『私たちの恋愛がうまくいかない理由』」

   「第2回 『理想のタイプ』って言うけれど…私たちがデートでつまずく理由」

   「第3回 『恋愛の先に結婚がある』は幻想です。浮気や不倫が流行る理由」

   「第4回 『恋愛が上手くいかない』と『結婚できない』が別問題である本当の理由」

   「最終回 あなたといる時の私が好き!理想でもスペックでもない『恋愛の指標』って?」

 

恋愛と結婚、浮気、理想と現実。

「人間関係論」 とでも呼びたくなりますが、大変参考になります。

 

***

 

いつの時代も 「恋している男女」 は3割だけ。

前回の記事の結論と繋げると、「その中の1割は不倫や浮気」 と言うことになります。

 

「タイプという幻想に縛られないで」 というアドバイスも秀逸です。

特に若者は 「アイドル」 とか、そういった 「幻想」 からスタートしているはずです。

自分の願望や妄想的イメージを大切にすることも悪くはありませんが、しかし、恋愛にしろ結婚にしろ 「現実」 であり、また、こればかりは一人で出来るものではなく、相手のあることです。

多くの恋愛を経験し、多くの失敗を繰り返し、多くの涙を流して 「現実」 を学び、「現実」 に軌道を修正して行くわけですので、これも当然と言えば当然です。

 

「男性は追っかけたい生き物」「手に入りそうで入らない距離が大事」 という言説を否定するのも、共感出来ます。

自分も、男は、「山の向こうにいるカモシカは追わない」 と思いますし、狩りの上手い男であれば、「手に入らない距離では捕まようとしない」 と思ってます。

 

そんな荒川氏の頭の中にある数字は、

 

   「モテたり恋愛出来たりする男は3割もいない」 

 

んだそうで、その2~3割に該当するのが 「オラオラ系ギラギラ肉食男子」。これに対し、余っている7~8割の独身男子は受け身らしいので 「草食系男子」 ということのようです。

「草食系と肉食系では、攻めるアプローチが違う」 と言っていますが、確かにごもっとも。(^^;

 

「恋愛」 において、「恋」 と 「愛」 を区別するというのも、納得できます。

「理想のパートナーなんてどこにもいない」 のは当然としても、「自分と同等がそもそも厳しい」 というのも、かなり熾烈(しれつ)な表現です。

これは 「マッチング理論」 から来ているようなのですが、この辺りは、異性を条件で振り落としたり、自分の価値観を基準にダメ出ししている人が、いつまでたっても、自分の相手を見つけられないのと、確かに、凄く関連性がありそうです。

 

女性向けのコラムを読むと 「女心」 が基軸にあり、男性向けのコラムを読むと 「男心」 が基軸にあるのが普通なのですが、彼の良いところは、男女どちらかを見て言っているわけではなく、両方を見て 「ニュートラル」 な視点から 「マッチング」 を捉えているところです。

 

彼が 「女子会」 は控えなさいと言っているのも、「いろいろな人と会いなさい」 と言っているのも、ひとつの意見や価値観に囚われず、いろいろと自身を揺さぶる意味で、そして、そこで本人が 「全く異なる価値観」 に出会い、「新たな視点」 や 「新たな視線」 に気付くことを期待してのことだと思ってます。

「機会」 を最大化し、「気付き」 によって目的地を 「最適解」 に収斂させるために、「エントロピー」 を出来るだけ高めて不安定な状況に置こうとしているわけです。

 

背景にある考え方は、かなりロジカルです。

 

婚活している人は勿論、結婚や恋愛に悩んでいたり、結婚や恋愛に 「一家言」 のあるひとは、是非読まれてみることをお薦めします。♪