「音楽は魔物」 | 姐の部屋

「音楽は魔物」

浅からぬ絆のあった或る人が「音楽は魔物」と私に言ったことがある。
  

本当にそうだと思う。
 
それは理性のバリアなど素通りして、
一気に心の一番奥の部屋までストレートに入り込んでくる。
いわゆる左脳ではなくって右脳エリアにダイレクトに働きかけてくるとでも言おうか。
 
 
若い頃からの私をよく知っている人は、
私のことを激情家だけども、クールで理性的でUNISEXな奴、って思ってる。
 
殆どのケースではそう。
自分で自分を操縦できなくなったりはしない。
だって誰より感情が激しいからこそ、それを制御することを早くから身につけてきたもの。
自分を客観的に分析すること、
きちんと言語化してみせること、
自分の中に存在する複数の自分をきちんと認識し耳を傾けること。
 
 
なのに、ごくわずかな確率で、
そういう自分の理性を通り抜けて
いきなり根っこを狂わせてしまう波長を持った相手がいる。 
で 音楽を通じてそういう目にあったことが2回ある。
互いの中の弦と共鳴しすぎて増幅しあって止まらなくなる相手。
滅多にそんなことになる音楽的出会いはないんだけど、
あったらもう事故みたいなものだ。


これはどうにもならない。
不意にクロロフォルムをかがされるようなものだから。
 
しかも事前にわからない。
対策が立てられない。

ある意味では幸福なこと、かもしれないけれど、
自分が自分のものでなくなるのはかなり恐ろしい。
 
だけどどこかで、怖いモノ見たさに身を任せるところが私にはあるんだろう。
だから「懲りない奴」って言われるんだけども。
 

音楽は魔物。
 

それは間違いないな。
 
ときどき甘美で危険な獣になる。
  

だけど、だから、やめられないのかな。
 
この魔物になら魂を喰われても本望だと思わせるから。 

 



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