(前回の続き 最終回)





ソーサーに乗った少し大きめのカップには
並々とコーヒーが注がれていた





うわ、飲み切れるかな…





一口飲んでみる





あんまり苦くない






自家製のスコーンと一緒に飲むと






あれ、飲めるなあ







今まで、どんなに丁寧に煎れて貰ったコーヒーも
苦くて、やっぱりコーヒーはニガテ
となりまたコーヒーから遠ざかる
を繰り返していたけれど、こいつはちょっと違うぞ






へええ…
コーヒーって、こんななんだ







スコーン美味しいなあ






今までカップ一杯コーヒー飲むのは
結構大変だったのだけれど





飲み終わる頃には
なんだかいい気分になってた







コーヒー飲めてるよ







少し時間がかかったけど
運ばれたコーヒーを飲み干した








他にお客も居ない
女亭主と私だけの小さな空間






どれくらい居たかわからないけれど
そういえば結局店を出るまで、
誰も入ってこなかった






会計をする間、コーヒーについて話しをした






なんでも、この店では焙煎からやっていて
焙煎した豆も、時間が経つと酸味が増してしまうので
冷凍したりして鮮度を保つんだとか。
今まで苦いと感じていたのは、そのせいだったのかな





女亭主は、丁寧にコーヒーに纏わる話しをしてくれた





ひとしきり話しを聞き
私は、初めてコーヒーが美味しく飲めた事
お菓子がとても美味しかった事の
お礼を言って店を出た






あれから、コーヒーへのニガテ意識がなくなり
どこかへお茶を飲みに行っても
コーヒーを頼むようになった







まだ何か食べるものと一緒でないと飲む事はないけれど
そうやって飲むコーヒーが






美味しいなあ






と思えるようになった







長かったコーヒーの重い扉が開いた







おわり











全三回、長くお読みいただき
ありがとうございました。