映画:「おくりびと」
おくりびと
――――――――――――――――――――――――――――
監督: 滝田洋二郎
出演: 本木雅弘
山崎努 他
【解説】
チェロ奏者の大悟は、所属していた楽団の突然の解散を機にチェロで食べていく道を諦め、妻を伴い、故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接へと向かう。しかし旅行代理店だと思ったその会社の仕事は、“旅立ち”をお手伝いする“納棺師”というものだった。社長の佐々木に半ば強引に採用されてしまった大悟。世間の目も気になり、妻にも言い出せないまま、納棺師の見習いとして働き始める大悟だったが…。
――――――――――――――――――――――――――――
納棺師という「死」に直面する仕事をテーマにした作品だけに、感動的なエピソードが丁寧に、静かに、時には笑いを交えて積み重ねられる。身近な人の死を経験したことのある人なら共感できるところが多々あるだろう。
全体としてよくまとまっているし、ダレるところもなく最後まで観れるけれど、話がよく出来すぎていて予定調和的、伏線がミエミエで白ける、笑いが親父ギャグレベル(年寄りの観客にはウケていたみたいだけど)・・・と気に入らない点も多々あり。特に受け付けられなかったのは、ものを食べるシーンが美味しそうに見えず、音も含めて汚いところ。食べること=「生」を「死」と対比するための大切なシーンなのに、「生」への悦びを感じられない。
役者では、主人公の妻役の広末涼子が浮いてしまっている感じ。夫の仕事に「穢らわしい」と反発する場面はもっと説得力のある演技が必要だし、全体を通してみても役柄に対して演技が子どもっぽすぎる。西田尚美くらいの役者が演じたほうが良かったような。ただ、脇を固める山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史らベテラン俳優陣はいい味を出しているし、本木雅弘の美しい所作は作品への真摯な気持ちが伝わる演技。鑑賞後には爽快感もある、観て損はない作品。
【超個人的評価】
