第79回アカデミー賞
授賞式の感想。
司会のエレン・デジェネレスの進行は悪くなかったけど、ちょっと毒が中途半端だったような。どうせやるなら徹底的に毒を吐いたほうが面白かったのに。
プレゼンターで好印象だったのは、やっぱり作品賞プレゼンターのフランシス・フォード・コッポラ&ジョージ・ルーカス&スティーヴン・スピルバーグの大物監督3人組。コントのようなやりとりが楽しかったし、その3人からスコセッシへオスカーが渡った時には会場も大歓声で感動的。スコセッシは相変わらずの早口で「Thank you!」を繰り返して本当に嬉しそうで、観ている方も幸せな気持ちになりました。(その後の作品賞発表を舞台袖から見守っていたのも可愛らしかった)
あとは、アビゲイル・ブレスリン&ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスのチビっ子コンビ。ジェイデンが進行を間違ったり、言葉が詰まったりした時にさっとフォローするアビゲイルが姉弟のようで微笑ましかった。それを客席から見守るウィル・スミス夫妻も良い家族っぷりが伺えて好印象。
ウィル・フェレル&ジャック・ブラック&ジョン・C・ライリーのミュージカル風コントもなかなか良かった。ジャック・ブラックは友達にすると面白いタイプかも(でも段々ウザくなるかも)。
受賞スピーチでの好印象は、ヘレン・ミレン。最後にオスカー像を掲げて「クイーンへ」と締めた姿は格好良すぎ。逆にイマイチだったのはジェニファー・ハドソン。世間的には感動的なスピーチとの評判らしいけど、どうもねえ…。去年のジェイミー・フォックス(「ドリームガールズ」で共演)と内容は被ってるし、彼女は何となく底意地の悪そうな感じがする。あの仏頂面のブサイクさ加減がダメなのかしら。個人的にいけ好かないだけかも。フォレスト・ウィテカーも結局何が言いたいのよ、って感じだったけど。
あとは、受賞スピーチではないけど、アル・ゴア元副大統領&レオナルド・ディカプリオのどうでもいい話は論外。しょうもないジョークを話す時間があるなら、こんな所じゃなくてもっと意味のある所でお得意の環境問題の講演でもやってろよ、って感じ。
他に気になったのは、ブレイク前に「ピロボラス」っていう影絵集団のパフォーマンスがちょこちょこ入ってたけど、これが何気にすごかった。
ドレスが素敵だったのは、ニコール・キッドマン、ヘレン・ミレン、ケイト・ウィンスレット、リース・ウィザースプーン。
続いて授賞結果の感想。
まず驚いたのは、作品賞を「ディパーテッド」が獲ったこと。確かに興行的に一番成功した作品ではあったけれども、娯楽色が強くてしかもリメイク作なので、芸術性という意味で敬遠されるかと思ったけど、やっぱり今年はスコセッシの年だったってことかな。去年の「クラッシュ」の流れから行けば、「バベル」や「リトル・ミス・サンシャイン」が獲っておかしくないはずだけど、アカデミーも従来のいかにもハリウッド的な作品を良しとするか、いかにも芸術性・ストーリー性重視の作品を良しとするか、色々方向性を探っている段階なのかな。「ドリームガールズ」が作品賞ノミネートを逃した時には後者が重視されたように思えたけど、受賞結果を見ると、結局前者を重視しているようで迷走している感じ。
「パンズ・ラビリンス」は、ハリウッド作品相手に撮影賞・美術賞・メイキャップ賞を獲っていながら、外国語映画賞を逃すという結果に。外国語映画賞はヨーロッパ勢が強い、という壁は破れなかった模様。
主題歌賞はノミネート5作のうち3作までが「ドリームガールズ」からだったのに、受賞したのは「不都合な真実」。単に票割れしただけかもしれないけど、「不都合な真実」を評価することで政治的な態度を表そうとするアカデミー会員の態度が透けて見えるようで何となく気に入らない結果。
以下、受賞結果一覧
は予想外の結果だった部門。
◆作品賞
ディパーテッド The Departed
◆監督賞
マーティン・スコセッシ Martin Scorsese (ディパーテッド)
◆主演男優賞
フォレスト・ウィテカー Forest Whitaker (ラストキング・オブ・スコットランド)
◆主演女優賞
ヘレン・ミレン Helen Mirren (クィーン)
◆助演男優賞
アラン・アーキン Alan Arkin (リトル・ミス・サンシャイン)
◆助演女優賞
ジェニファー・ハドソン Jennifer Hudson (ドリームガールズ)
◆脚本賞
マイケル・アーント Michael Arndt (リトル・ミス・サンシャイン)
◆脚色賞
ウィリアム・モナハン William Monahan (ディパーテッド)
◆撮影賞
ギレルモ・ナヴァロ Guillermo Navarro (パンズ・ラビリンス)
◆編集賞
セルマ・スクーンメイカー Thelma Schoonmaker (ディパーテッド)
◆作曲賞
グスタヴォ・サンタオラヤ Gustavo Santaolalla (バベル)
◆録音賞
ドリームガールズ Dreamgirls
◆音響効果賞
硫黄島からの手紙 Letters From Iwo Jima
◆主題歌賞
「I Need to Wake Up」 (不都合な真実)
◆美術賞
ユージェニオ・カバレロ Eugenio Caballero (パンズ・ラビリンス)
◆衣装デザイン賞
ミレーナ・キャノネロ Milena Canonero (マリー・アントワネット)
◆メイキャップ賞
パンズ・ラビリンス Pan's Labyrinth
◆視覚効果賞
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
◆アニメーション映画賞
ハッピー フィート Happy Feet
◆外国語映画賞
善き人のためのソナタ The Lives Of Others (ドイツ)
◆ドキュメンタリー映画賞(長編)
不都合な真実 An Inconvenient Truth
◆ドキュメンタリー映画賞(短編)
The Blood of Yingzhou District
◆短編賞(実写)
West Bank Story
◆短編賞(アニメーション)
Tha Danish Poet