「思い出」の修復完了 台風の水害で傷んだ文集など | 犬の病気 皮膚病

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昨年9月の台風12号の水害で傷んだ古文書など歴史資料の修復に取り組んでいた和歌山大学(和歌山県和歌山市)などは、那智勝浦町から預かった文集やアルバムなど23点の修復を終え、12日に同町に引き渡した。

那智勝浦町は、被害の大きかった那智川沿いで捜索や復旧活動する自衛隊やボランティアに「住民の思い出になりそうなものは破棄せず保管を」と呼び掛け、アルバムやランドセル、位牌(いはい)などを回収、保管。紙資料など修復が困難なものについては、町が同大学らに依頼した。

和歌山大学豪雨被害歴史資料保全対策プロジェクトと県内の研究者らによるボランティア団体「歴史資料保全ネット・わかやま」(代表はいずれも藤本清二郎和歌山大学教授)は、10月末から12月末まで約30人がかりで、泥やカビの除去、修復に取り組んだ。

藤本教授によると、資料は濁流にのまれており、消毒して乾かした後、ハケなどで丁寧に細かい砂を除去し、土のにおいを消した。被災から時間が経過していたため、カビの除去にも神経を使ったという。

製本された文集などは簡易な裏打ちをして整形。ほぼ原形に復元できた。一方で卒業アルバムなど印刷物は一部ページが固着して、修復不能のものがあり、表紙の掃除にとどめたものもある。

町役場で作業の説明を受けながら、「思い出の品」を受け取った植地篤延副町長は「被災者にとって何物にも替え難い思い出。作業してくださった皆さんの思いとともに、できる限り、持ち主の元に返したい」と感謝した。

東南海・南海地震が30年以内に60%以上の確率で発生するいわれる和歌山県で、文化財、歴史資料の保全は課題の一つとなっている。

藤本教授は「地域や家庭の記録も立派な歴史資料。修復は可能で、被災しても捨てないでほしい。行政には専門職員が保全に従事できる態勢をつくってほしい。今後は専門職員の横の連携を構築していきたい」と話した。


思い出の品展示

那智勝浦町は思い出の品として回収し、洗浄、修復した中で、持ち主の判明していない約200点を町立市野々小学校で公開する。16日から2月12日まで。

出典:紀伊民報