5月になると、草も勢いを増してきます。
私がお世話になっている馬追蒸留所は、もちろんワイナリーも兼ね備えた蒸留所ではありますが、前任のワイン担当者は主に醸造に携わっており、畑の管理者は実質1人しか居ない状態という事で、広大な畑を持ちつつも全てに手が回っていない状態でした。創業当時に在籍していた担当者は、イケイケドンドンでぶどうを植えたものの、結局手が回らない事を理由に管理を破棄してしまったとの事です。・・・なんて酷い。
なんと。
この大草原の中にブドウが植わっているんです!
私という人手が増えたので、草わらから苗木を救出する作業を始めます。
まずは、草をかき分けてブドウの樹を見つけて支柱を立てました。一応、両端の柱は立ててあったので、検討を付けながら真っ直ぐに探すと、どうにか見つける事が出来ます。その支柱にそって、草刈機で通路を作りました。
最後に、樹の周りは刈払機や鎌を持っての草刈り。
ようやくブドウ畑っぽくなりました。
3年目の苗木なのに、大きさは1年目の苗木程度。完全に雑草に負けてしまい弱々しい姿。中には完全に枯れてしまった苗木もあり、悲惨な状態としか言いようがありませんでした。とりあえず、無駄な枝を排除して苗木と同じ状態に仕立て直します。本当は着手したい区画は沢山あるのですが、とりあえず今年は出来る限りで再生を行い、結果が伴えば手遅れかも知れませんが来年度に再チャレンジ。ダメならもう一回土づくりからやり直したいと考えています。
この作業を行ったのが5月下旬で、現在の状況を見るとブドウは息を吹き返して葉を大きく広げていました。恐らく大丈夫と思われます。3年生と言いながら1年生サイズなので、留年した区画と個人的に呼んでいます。
一方、鹿の子がノコノコやってきて虎視眈々と狙われたヤマソービニオン。
前回のブログで写真を乗せましたが、かなりの食害を受けた為、こちらも1年目の苗木に近くなる程の大剪定を行いました。ヤマブドウ系品種の強さに掛けた緊急避難的な方法でしたが、見事に復活。
このブログを書いている時点では開花も始まりました。しっかり果房も付けて、どうにか収穫を目論む事が出来そうです。
しかし、樹形は無茶苦茶です・・・。コルドンなのか、ギヨなのか、片側なのか、両側なのか、もうその樹の勢いに任せた剪定を1つ1つに対応しなくてはならないので、手間ばかりかかります。1~2年目が上手く行かないと樹形は揃わない=結果、面倒な畑になります。
そんな中、今年も開催された札幌大通公園の「ライラックまつり ワインガーデン」にも参戦してきました。事後報告とはなってしまいますが、醸造は前任者ですが、それ以降の濾過や調整等は全て私が携わったワインも少々・・・。少しずつ、みなさんに再発信していきますので、今後もご期待下さい。