アウトドア向き? 呑ん兵ぇ向き? 持ち運び便利な小型パウチ入りワイン

ブラインドテイスティングコンテストの燃え尽き症候群で、ワインを飲み疲れた感があったので、今日は変化球を飲んでみました。

 

アルコール類を購入する際は、大抵の場合は缶か瓶に入っています。その理由として、もちろん歴史的背景などもありますが、何よりも内容物の保存性が重要だからです。近年は紙パックのお酒なんかも多く販売される様になりましたが、世の中のリサイクル思考なども影響されているからでしょうか。厳密に言えば、それだけ容器包装の技術が進化したからというのもあります。また、ペットボトルなどの材質はああ見えて空気を透過しています。これは瓶との決定的な違いです。

 

 

●酸化対策

ビールに至っては「缶より瓶の方が美味い」という人が多いみたいです。某、大手ビールメーカーS社に見学した際に伺うと「充填する際に缶ビールの場合0.3~0.5秒だけ空気に触れる為、充填機械は常に高速で回転しています。瓶であれば充填口から直接注ぎ込んで蓋をする事が可能で、より空気に触れずに済む」そうで、医療分野に用いられる真空充填機といった高額な設備投資が必要であったり、それに見合った容器の開発も重要になってきています。

 

●アルコール対策

大半の紙パックや袋形(レトルトパウチなど)の容器において、内容物側は主にPEF(ポリエチレンフラノエートのフィルム)層になっています。製袋時にヒートシール加工(溶かして接着)をする事によって袋形となるのですが、このフィルムはプラスチックの様なものであり、酒類に含まれるアルコール成分がこれを溶かしてしまい、破袋(袋が破れる)する懸念があります。このフィルム層をアルコールの浸食に耐えられる高いバリア性能を持った素材の開発が進んだ事が、酒類の簡易パッケージ化に拍車がかかった要因の1つであります。

 

●防腐対策

缶飲料に至っては、コーヒーやジュース等の酸性値を示すものも、酸自体が(スチール、アルミ)の内側を腐食させる可能性があるので、こちらも特殊なポリマー樹脂を塗布するなどの加工がされています。ワインに至ってはアルコールにも酸にも気を付けなければならない為、缶入りのワインが発売されたときにはその缶の内側の保護処理にも注目されました。今でこそペットボトル入りのワインなんかは当たり前になってきましたが、パッケージ業界では初登場時に大騒ぎしたものです。

 

 

 

 

 

 

味わいも悪くない、すっきり飲み切りサイズも良い!

 

形的にも10秒チャージできてしまいそうなワインですが(やめとけ)、容量はどちらも187mlとなっており、通常ボトルの4分の1サイズ。シャンパーニュ、ボルドー共通で「Quart」サイズです。アルコール度数は白が11.5%、赤が12%と表記されています。

 

 

白ワインの方は、使用品種がコロンバールとシャルドネ。

グラスに注ぐと黄金色の輝き。健全で良質な状態です。コロンバールといえばアルマニャックやコニャックといった寒い地域で生産されるブランデー向き品種として用いられるので、酸味が豊富なのかな、と思いきや中程度の酸味です。シャルドネにさほど特徴を感じないとするならば、コロンバールの特徴を上手く生かしたワインではないでしょうか。リンゴやカリンのフレーバーに合わせて、白コショウやナツメグ、フェヌグリークシードなスパイスも感じます。余韻は短いので、少し焼き色を付けた魚料理やパスタ料理には合うと思います。期待していなかった(失礼)分、なかなか良い味わいだと思います。

 

 

一方、赤ワインはカベルネソーヴィニヨンとシラー。一応Vin de pays D'OC表記もあり。

グラスに注いでもかなり深い赤色。飲み口(スパウト)の部分に澱的なものが付着していたので、かなり濃厚なワインと思いました。定番のカシスよりはブラックチェリーの印象が強いワインで、シラーが入っている割にはそれほど主張は無く、わずかな黒オリーブ感。スパイスっぽさも黒コショウ系が僅かに。カベルネ主体のワインくらいかな、と感じました。余韻は中程度にあり、アウトドアでBBQをしながら・・・ではちょっと弱いかもしれませんが、モツ系のお肉、焼き鳥(あえて美唄焼き鳥と言おうw)や焼きウィンナー、砂肝のアヒージョ的な料理にはしっくりくるかもしれません。

 

 

正直言って安ワインの部類でありながらコストパフォーマンスは良いとは決して言えませんが(278円で購入)、思っていた以上にしっかりしたワインで驚きでした。売り文句の通り、瓶を1本かかえてキャンプや山登りというのは大変かもしれませんが、このサイズであればポケットにも入る上、重くありません。コレはもうちょっと評価されても良いかもしれませんね。(自分ぐらいの酒キャンパーになると重たい瓶を並べる事に至福を感じてしまう病なので物足りませんがw)

 

 

 

 

 

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