かなしいのに惹かれる曲 

 

 

こんにちは。おいでくだって感謝です。

きょうは、暦の上では「父の日」ってことになってますね。

でも、各々に事情があって、お父様の居られない方々も在られるやろさかい・・・。

私は、5月の第2日曜日と、6月の第3日曜日を、あえて【親の日】って呼ぶことにしとるんです。

うちんとこの教会では、暦上の母の日に、『親の日感謝礼拝』っていう名目で、しとんやけんね。

 

 

さて、そんなわけで今回は・・・久々に、本格的な芸能ネタを書かしてもらうことにします。

ほんまは、きょう御紹介しよ思とる曲は、母の日にした方が良かったんかもしれんけど、

恥ずかしながら、そん時は思いつかんかってね。(^-^;

でも、6月に入って『あっ。父の日でも良いとしたら紹介できるかなぁ』と思て、曲を選びました。

 

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今回、皆さんに紹介さして頂くんは、吉本新喜劇座員の小藪千豊さんが歌われてる1曲。

タイトルは、『プリン』です。

世間では、あんまり知られてないような曲かもしれんのですが、これね、すごい良い曲なんですよ。

小藪さんのお母様が亡くなられるまでの実話を基にして、曲が出来上がっとるんですよね。

作曲は、う~みっていう方がされとんやけど、書かれてる詩は、小藪さん自身のもんです。

 

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小籔千豊さんっていうと、テレビでは、めっちゃ毒舌家・辛口で評判ですよね。

大阪の新喜劇に出られてた時は、ロン毛のオタク役、シスター小藪とか、様々に演じとられました。

 

ギャグでは、こんなんもありましたよ。関西在住の方は、たぶん御存知やろと思いますけどね。

 相手に凄む際 

「俺はなあ、今まで数々の悪いことやってきとんねや。殺人、強盗、恐喝、窃盗、詐欺、婦女暴行、

密輸、誘拐、放火・・・以外は、やってきとんねや!」って言うて。

「じゃあ、他に何も残ってへんやないかい!」とかってツッコまれるパターン。

 その後 

「つまみ食いとかあるやろがい。水・出しっ放しとか。妹叩くとか。ダブルドリブルとか。おかわりしたのに残すとか。ブランコなかなか代われへんとか。メロンパンの上だけ食べるとか」とか言う。

 

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でもね、そんな小藪さんが。

まるで、お母様の思い出を綴るように、素朴な感じで歌われるところから、曲が始まるんです。

最初は、お母様が、小藪さんに対して、常に言い聞かせとられたと思われる言葉から始まります。

 

たくさん教えてくれた 

男は泣きごと言いな 女の子には優しくし せこい事は しなさんな

やっといたらよかった言う前に やることやっとき

でも もう教えてもらわれへん もう褒めても もらわれへん

 

 

ほって、次に歌われるんが、こんな感じのお母様やったんやなって解るようなフレーズです。

 

デパートのプリンが好きで 神戸のパンが好きで

漬けもんが好きで 阪神が大好きで

運動神経が いいわりに なぜか めちゃ足が遅くて

行儀に  うるさくて  たまに兄妹と間違われた・・・

 

 

ほって、次が、お母様が最期を迎えようとされる前の様子かなと想像のつく言葉です。

 

最後にバイクとばして 買うてきたプリン

口まで もっていっても もう食べてくれなかった

もっと早く買うてきたら・・・よかったな

 

で・・・次のフレーズが、お母様が、小藪さんの将来のためにって教えてくれたこと。

でも、その事を言われた後、つらい事が起こり始めるんです。。。

 

大人になって役立つから 将棋は覚えとかな あかん いうて

おもちゃやで盤と駒を買うてくれた

現実的でサバサバして 弱音なんか吐かんオカンが

明日から入院するし 一応 言うとくわ

 

ほって、こっからは・・・もう涙なしでは聴けません。

たぶん、お母様が、病院のベッドで、自分の命を終わろうとされとるような瞬間なんでしょう、

こんな言葉なんですよね。

 

ベッドのうえで 最後の力 ふりしぼり

俺の小さい頃の思い出 伝えようとしてる

こんなに思ってくれてるのに・・・ 何にも出来なかった

 

もっともっと 聞いとけば よかった

もっともっと 触れとけば よかった

もっと良いとこ 見せたかった 全然やった

 

たくさん教えてくれた 気づいたときには・・・

 

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しもた・・・あの時に。ちゃんと、しといたら良かったんや。

やるべき時に、やる事が出来なんだで、こんなに後悔しとんやろな。


そんなふうに、自分の親御さんとか身内に対して思うことが、もしかしたらあるかもしれんやんね。

この曲は、まさに、小藪さん自身の、お母様に対する後悔の気持ちを歌うとんかもしれんのですよ。

彼は、後輩芸人の方々に「いつかは親も居らんなるんや。出来るうちに親孝行せなアカンぞ」って。

よう、そういうふうに言われとんやそうです。

私らぁは、普段やったら、ありがとうって気持ちがあっても、恥ずかして、なかなか言え~へん。

でも、よう聞く【孝行したい時に親は無し】いう言葉どおり、出来るうちに親孝行しとかななって。

そういうふうに反省されられる思いがするんですよ、この曲を聴いとったら・・・。


小藪さんのお母様は、彼が幼い頃から厳しく育てて、御年玉とかプレゼントも一切くれんような。

そら・・・厳しい母親やったそうです。

コレしたい、アレしたいって思いがあっても、そういうお母様やさかい、本音は言われへん。

でも、お母様は、子どもにとっては何より良い言葉の数々を、生きとるうちに与えられたんやね。

聖書ん中にある『天の父は子どもには何より良いものを与えてくださる』いう御言葉どおりです。

きっと、厳しい中にも、愛に溢れたお母様やったんやろなって、何となく想像がつきますよね。

 


実際、テレ朝系で放送中の「徹子の部屋」でも・・・、

小藪さんがゲストやった日、お母様の思い出を黒柳徹子さんに話すと、徹子さんが号泣されたとか。その番組自体は、残念ながら、リアルタイムでは視れんかったんやけど。

私は、様々な機会に小藪さんとお母様のエピソードを訊いとったさかい、良かったなと思とんです。

 

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小藪さん本人が歌われとんですけど、聴いてみると、歌い方は、確かに下手かもしれません。

でも、上手に歌うから良いとは限らんのやってことを、この曲を聴くと、思うんやないでしょうか。

では、お聴きくださいね。