仕事帰り
肌を吹き抜ける風が心地よくて
坂の手前のベンチでひと休み
横浜らしい
起伏に富んだ風景を眺める
空は
雲が不思議な陰影を魅せて
聴こえてくるのは
過ぎゆく夏を惜しむような蝉の大合唱と
木々の葉を揺らす風の音
人払いしたかのように
誰も通らない昼さがり
一瞬と永遠の狭間を
ただ感じる
立ち上がったわたしの頭をかすめるように
トンボが団体で右往左往する
背丈以上もある夏草の向こうに
栗の実の
イガイガのシルエットが見え隠れ
マザーアース(母なる大地)は
晩夏の風景の中に
次の季節を少しずつ
忍ばせているようだ
いつもありがとうございます
