占星術とカバラの歴史　その２

占星術の起源は「不明」とされていますが、一応、チグリス川・ユーフラテス川を中心に広がるメソポタミア地方が発祥だと言われています。

遠い昔に世界史の授業で聞いたような単語たちですが、地図で調べてみると、このあたり。

現在は主にイラクという国があるエリアですね。

一言でメソポタミア地方といっても意外とその範囲は広いですが、この広大なエリアの中でも、シュメール人によって形成された都市で、占星術の基礎となる天体観測が活発に行われていたようです。

シュメール人と言えば、宇宙人説も流れちゃうくらいの超謎民族。

考古学史上最大のミステリーと言う人もいるくらい、ロマン大好き人間の心を掴んでいる民族です。

１日24時間、1時間60分、1ダース12こなど、今現在、私たちが使用している色々な単位がこのシュメール人によって発見されていたそうで、宇宙人説が出てきちゃうのも納得。

医学、薬学、建築学などあらゆる分野の高度な知識を持って一大文明を築き、その中でも特に「天文学」と「数学」の進化に貢献したと言われています。

紀元前2,000年頃には、占星術の概念で欠かすことのできない「黄道十二宮」も定められていたそうなんですが……紀元前2,000年って、日本だと縄文時代ですよ。栗を拾ったり、貝塚ができたりしていた頃。

どれだけこの地方の文明が突出していたかが分かります。

しかし実はこの天体観測に従事していたのは、シュメール人ではなく、カルデア人という別の人種なんだとか。

もともとこの地方に住んでいた土着の民族と書かれているものもあれば、別の地域から移り住んできたと書かれているものもあり、こちらもまた謎めいた人々ではありますが、シュメール人並みに知能の高い哲学者集団だったようです。

人間離れした頭脳を持った民族が２つも存在していたこの時代のこの地域、一体なんなんだ…

天体観測自体は、メソポタミア地方に限らず古代エジプトでもマヤでも行われてきたと思いますが、カルデア人による天体観測が占星術の礎をつくったと言われるのは、ひとつは約2,000年にわたって緻密な天体観測記録を取り続けたこと、もうひとつは、天体の現象と地上の現象に関連性を見出したことだと考えられています。

星の運行と人間の営みを照らし合わせた結果、その２つには明らかな因果関係があると、彼らは結論づけました。

そして、星の動きには何らかの「意志」が働いており、星の動きを知ることで人間はその「意志」を知ることができるのだという彼らの導き出した原理が、占星術の基盤となります。

今でこそ占星術の大前提とも言うべき原理原則ですが、遥か4,000年も前に、とんでもなく長い時間をかけて星々の動きを観察し続けたらこそ得ることのできた、まさに古代の智慧なのですね。