2024年5月13日の地裁判決確定により「社宅制度」の格差は「間接差別」と認定されたAGCグリーンテック(株)は、全社員合わせても30名程度であり、ユニオンちよだとの団体交渉開始後に男性の一般職(営業支援事務を本社オフィスで行う)が1名採用される2021年まで、男性の一般職は誰もいませんでした。

 

 この記事では、親会社であるAGC株式会社が会社ホームページで公表している「事務職」の実態について報告しますが、こちらも見直しが必要ではないでしょうか?

 

AGC会社ホームページに掲載のサステナビリティデータブック2023では、

「社会-人財マネジメント-AGCの取り組み-■人事制度の整備」に掲載の

「社員数(AGC)」の表(p.70右上)において、

一般社員のうち事務職は、2022年12月末時点で、

 

男性12 女性500名 合計512名 女性比率98%

 

と公表されている。

 

また、社員就業規則第108条(コースの設定)では「事務職」に相当する「Cコース」は

ハ、Cコース

豊富な実務知識・能力を習得・開発し、所属組織の円滑な業務運営のために、

主として事務的業務を正確・迅速・効率的に遂行することが求められる人材。

と規定されている。

 

さらに、新入社員研修でも配布される本社人事部門作成の「人事制度」における説明には

Cコース(Clerk

役割機能:事務的業務を正確かつ迅速に遂行

配置活用の考え方: 実務能力を積み上げさせ、能力向上を求める

とあった。

 

しかし、実際には、上記の就業規則や人事制度に従って事務的業務を正確かつ迅速に遂行することを中心に行っている男性社員は誰もいないのである。

「事務職」としてカウントされているCコースの男性は、自動車ガラス事業や化学品事業の顧客近くに構える営業拠点にて、営業職、俗に言う「営業マン」の仕事を行っている。

 

なお、上記の社員数(AGC)の表の左側には、

「従業員が性別や年齢・勤続年数などに関係なく活躍できるよう、必要となる役割・機能・責任を明確にし、公正に評価しています。」と記載があるが、

そもそもCコースの男性が担う営業職の業務は、Cコースの役割「事務的業務を正確かつ迅速に遂行」とは異なる業務が大半であろうから、会社はCコースの男性を「公正に評価」できているのであろうか?

2021年7月に突然能力不足を理由に解雇された、当時人事部所属のBさんは、この点につても大いに疑問を感じていたのであった。