AGCグリーンテック(株)は5/13の地裁判決を控訴せず確定しました。これにより「社宅制度」の格差は「間接差別」と認定されました。親会社である「AGC株式会社」の住宅関連の福利厚生制度適用の実態について報告しますが、これも見直しが必要ではないでしょうか?

 

 ・ 新卒採用ホームページに掲載の募集要項

 

 


では、

 

 ➢ 「福利厚生」-「施設」に「独身寮、社宅、既婚の希望者は外部借上社宅制度(家賃補助)あり」 

 

キャリア採用・第二新卒採用ホームページに掲載の福利厚生

 

 


では、 

 

➢ 「社員寮」に「自宅からの通勤困難な社員が安心して仕事に取り組めるように社員寮を提供しています。各拠点によって間取りや、設備、寮使用料(10,000円~16,600円、駐車場は1,000円)などが異なります。」 

➢ 「借上社宅制度」に「45歳未満の従業員が利用できる制度で、市価家賃(家賃+共益費・管理費)が首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)では15万円以内、その他の地域では12万円以内の物件を社宅として借り上げることができます。社宅使用料は市価家賃の半額です。なお上限超過額を自ら負担する場合、市価家賃25万円/月までの物件を契約することができます。」と案内されている。

しかし、実際には上記のAGC株式会社の住宅関連の福利厚生制度は、社員が利用申請を行っても入居要件に当てはまる一部の社員のみ適用される。 

 ・ 社員寮

 ➢ 「35歳未満の独身者」「35歳以上の独身者で転居を伴う異動後一年以内」「単身赴任者」のうち、自宅から就業場所への通勤時間が片道2時間半以上かかる者 

✓ 30歳以上の者は、上記の寮使用料(毎月10,000円~16,600円)はその2倍 

✓ 会社が指定した物件のみで、社員本人が物件を選択することは不可能 

 

 ・ 借上社宅制度

 ➢ 上記の案内より「45歳未満」かつ「既婚の希望者」であれば外部の借上社宅を利用可能だと認識してしまうが、人事部のイントラネットで公開されている入居要件により、「主たる家計維持者」でなければ適用されない。利用申請にあたり、配偶者の源泉徴収票を提出し配偶者より年収が多いことを証明しなければならない。上記の新卒採用・キャリア採用等の対象は、いわゆる総合職であり、転居を伴う異動(国内では20日前に本人へ通知・海外では3か月前までに通知)の可能性が常にあるが、この「主たる家計維持者」に当てはまらなければ、いわゆる住宅手当(給与所得と同じく課税対象)を含め全く住宅関連の福利厚生制度を利用することができないのである。

 

 

 Bさんは、上記の住宅関連の福利厚生制度の適用条件は、総合職社員の労働環境の実態(毎月の超過勤務時間は平均25時間以上のため、片道2時間以上通勤に時間を割くことは困難である等)や、晩婚・未婚化が進んでいること、結婚後も夫婦とも正社員あるいはフルタイムで働き続けるケースが殆どであるといった実態に合わず、社員間で大きな不公平や不満が生じていることから見直しを図るべきと人事部の幹部に直接意見してきたが、全く取り合ってもらえなかったのである。