労組の団体交渉で指摘した直後の2018年に大改訂したのにも関わらずAGCグリーンテック社の給与規程は、「総合職」「一般職」で賃金表を区分する旧態依然とした男女別の賃金体系となった。
2024年4月24日の団体交渉で会社社長は、
就業規則第2条 従業員
① 総合職 職能ランク基準に相応する専門知識を基礎とした総合的な判断能力を発揮し、非定型で幅のある業務を円滑に遂行する能力があり、会社の命ずる認知に赴任可能な者
② 一般職 一般事務等の定型的、補助的な業務に従事する職種であり、就業場所に異動がない者
を何回も発言していた。
ところが、実態はこの「総合職」と「一般職」の定義が就業規則にできたのは2015年である。2012年頃から組合員が会社に抗議するようになり、後付けのように就業規則に記載したと推測。
2015年以前の就業規則に「総合職」「一般職」の定義はなく、「社員」「契約社員」だった。
第2条 従業員
1. 社員 雇用期間の定めがなく、通常の勤務をする者
2. 契約社員 勤務時間や勤務日数が社員より短い者、雇用期間の定めがある者、臨時に雇入れる者等社員と異なる条件で会社と雇用契約を結んだ者
2018年に大改訂された賃金表は、総合職には昇給はもちろんA~Eランクの横となる昇格がある、一般職にランクはなく縦の1~70号俸の昇給のみ。
AGCグリーンテック社は、総合職のランクはA~Eであり、一般職のランクは1~70と言っていたが、まさに男女差別として取れるが、総合職のA~Eにもそれぞれ号俸がある。そのため一般職1~70はランクではない。一般職のランクはグリーンテック社でいうと「一般職」であり、一般職にはランクがない。
(号俸数)
・ 総合職A 12
・ 総合職B 47
・ 総合職C 23
・ 総合職D 23
・ 総合職E 19
・ 一 般 職 70
団体交渉で指摘したのは、総合職の賃金表の「職能手当」がみなし残業代になっている。
給与規程に、本手当には30時間の時間外割増賃金を含むものとし、30時間を超過した場合には、超過分に対して割増手当を支給する、と書いてある。
この職能手当(=みなし残業代)賞与の算定に含まれている。
みなし残業代は基本賃金外の賃金であり、残業代は基本給に含まれない賃金である。
これは会社も会社弁護人も認めていた。
AGCグリーンテック社の賞与の算定方法は、基本給×〇ヶ月である。
総合職の賞与は基本給に対して職能手当として時間外手当も入れて算定していた。
組合側は、これは不当利得にあたり法律を超えた差別ではないか?と会社に投げかけた。
※(この問いには回答できず、後日回答となった。)
また、なぜ総合職の基本給に、「職能手当」と「管理職手当」という手当てを含めているのか?
2018年の給与大改訂の前には、基本給とは別の項目で手当であったが、2018年それらの手当を基本給に記載した給与規程に改定していた。
ところが実態は、2018年改定以前から規程関係なく、総合職の賞与は手当を含んだ算定で支給していた。
総合職には「職能手当」と「管理職手当」を加算したのが基本給となるので、基本給だけで、総合職と一般職では大きな開きがあり、手当分年間40万~最高66万も差が出ている。
それだけではない。
賞与の月数も総合職と一般職とでは違う。
なぜ本給×月数の月数も違うのか?と会社に説明を求めた。
会社の回答は、それぞれの社員の職種の機能に応じて設定していると答えた。
「基本給」で会社のいう職能はすでに決定している。
基本給ですでに大きな格差があって賞与の月数まで差を付けられる、ダブルで格差を付けている。
一般的に賞与の月数は一律と考えるが、基本給の月数も同じにすることはないとの会社回答であった。
業績は一緒なのになぜここまで差をつけるのか?
今回の団交で、会社側は給与の基本給や職能手当について、問題が明らかになった。
この会社が男性総合職だけにどれだけ待遇をよくしていること。逆に一般職は常に低く押さえ込んでいる実態が明確になった。