Bさんが異動した人事部では、毎年12月に忘年会を行っていた。

 2020年11月には、Bさんの上長であるUパートナーから、「2020年度人事部忘年会の中止について」と題するメールが発信された。

「人事部の皆様へ 

 2020年度の人事部忘年会中止については、9/29付けで掲載しておりますのでご承知のことと思いますが、これに関連して追加でご連絡させていただきます。

  従来、輪番で行っておりました忘年会幹事については、来年に持ち越しといたしますのでご承知おきください。」

 

 人事部の忘年会の幹事は1年間に人事部へ配属や転入したメンバーの輪番で回していたのであるが、Bさんが異動してきた年(2018年)、その翌年(2019年)も幹事を行える旨の案内さえBさんは全くもらっていなかった。

 これまでの忘年会の案内メールを確認してみると、人事部のメンバーとなった正社員は、Bさんを除いて全員が幹事として案内を出していた。その中には、春に人事部へ入ったものの、休職に入ったメンバーや関東近郊の別会社へ出向となったメンバーまで幹事に入っていた。

 また、幹事になったメンバー達は、昼休みや18時以降に毎年5回以上は集まり、レクリエーションの企画や買い出しなどで親睦を深めていることが分かった。

 人事部のPCの管理など担当しているBさんは、普段から人事部メンバーから相談してもらいやすくすることで自身の業務を効率化や改善に結びつけたいと強く望んでいただけに、人事部メンバーとの親睦の機会を自分だけ奪われていたことにショックを受けた。

 

 BさんはUパートナーに「何故、私だけに幹事が回ってこないのですが」とメールで確認を求めたが5日間経っても返事が来なかった。その後、Bさんが催促したところ、「基準はありますけど全員が必ず幹事をやっているわけではないです。私もやっていないです。」との回答であったが、UパートナーはBさんが人事部に来る前の年(2017年)に幹事を務め忘年会後に振り返りを行ったコメントを資料に残していたのである。