入社当初の情報システム部門で、先輩から業務に関する指導が一切行われないことが原因で、メンタルヘルス不調を感じて自ら産業医にかかったBさん。
2015年半ばごろから度々E労務課長から健康管理センターに呼び出された。
 

 2015年2月まで1年8か月ほど参加していた、建築ガラス事業への基幹システム導入プロジェクトでは、建築ガラス事業の営業出身の役職者のメンバー達は、積極的にBさんに情報提供や課題意識を共有してくれただけでなく、実際にシステムを使う子会社の職場へも積極的に入れてくれた。
 システムの主要ユーザーとなる営業事務のメンバーからも直接話を聞かせてもらえた。

 このように、営業・販売活動を前線で担うメンバー達は、厳しいビジネス環境にありながらも、間接部門で業務やシステムに関する知識がまだ乏しいBさんが少しでも業務を進めやすいよう動いてくれていた。

 
 ところが、

・Bさんに仕事を教えない情報システム部門の先輩たちは、自発的に業務とシステムのギャップを調整していく役割を放棄している現状が許されるのか?
・情報システム部門や総務など新丸ビルに多くが勤務する間接部門としては、会議室や情報共有システムの整備に多額の投資をし、社外へも記事などでアピールおきながら、Bさんにはこれらを使って情報共有される機会が制限されているという現実

 上記は一部の例であるが、BさんはE労務課長が何とか、Bさんのメンタルヘルス問題にとどまらず、情報システム部門の問題の解決へ動いてくれないかと訴えてきたのであった。
 しかし、E労務課長は「もっと建設的な話をしようよ」「自分にもBさんと同じくらいの歳のEコースの部下がいるが、独力で仕事を進めている。指示がもらえない前例を教えてもらえないとか文句を言うほうがおかしい」「今日はBさんの話をしにきているのだから、ほかの人がやれていないという問題ではない」と、毎回冷たくBさんをあしらうのであった。

 
 人事部人事戦略グループに移り4年目に入った2021年4月ころ。E労務課長は人事課長となっていた。

 2020年からずっと新型コロナ流行下の海外赴任者の対応にE人事課長は追われてイレギュラーな業務に追われ続けていることを心配して、Bさんは時々E人事課長の予定表(Outlookの機能)を閲覧していたところ、
「何をしてよいのかイマイチ分からず」とコメントを入れて前任に打合せを設定していることを発見した。
  情報システム部門所属のころのE人事課長(当時は労務課長)は、前例を教えてもらうことも若手の総合職は求めてはいけないと再三再四言ってきたにもかかわらず、年収レベルで相当高い課長自身が前例を求めていたのである。

 当然ですよね。言っていることとやっていることが矛盾するのではないか、とH担当部長にBさんは進言した。


 それから1週間後にE人事課長の予定表を閲覧しようとしたところ、一切見られなくなっていた。他部門である情報システム部門所属時代のBさんからも、当時E労務課長の予定表は閲覧できたにも関わらず・・・。E人事課長は、Bさんの指摘を受けて、予定表公開範囲の設定を、無制限から変えてしまったものと考えられる。