被災地への派遣が終わってから、最終面接があった。
自分のキャリアを生かせる職に就きたくて、現職に就きながら転職活動をしていた。1月下旬に有難いことに2社から内定をもらった。このキャリアは私の夢で、彼女は経済的、精神的応援してくれたキャリア。だから、もう一度、自分のキャリアを生かせる仕事に就きたかった。
被災地に行って、自分の死に直面したこともあって、働ける場所があって、ご飯を食べる経済力があって、住む家もある。貯金は微々たるものだけど、でも、大切な人が生きている。福祉避難所で出会った方々は、大切な人を亡くしていた。
一度は縁のあった彼女、今は縁がないけれど、生きててくれるのは、幸せなことなのかもしれない。
それで、2社から内定をもらい、最終的に県外の会社に着任することに決めた。
気軽に帰ってこれる距離ではないから、彼女への返済方法を見直す必要が出てきた。
これまでは、彼女の自宅に行って、車のフロントガラスにお金を返す日を付箋に書いて事前に予告。予告日に現金を封筒に入れ、車のフロントガラスに挟むという方法。これからは事前予告は難しい。
だから、新しく銀行口座を作った。彼女にキャッシュカードを渡して引き出してもらう。私が実家に帰った時に、引き出してと付箋に書いて車のフロントガラスに張り付ける。これなら盗まれる可能性はないし、彼女に負担がないように彼女のメインバンクと同じ銀行に口座を作った。
1月～2月は肉体的にキツかった。被災地支援、最終面接、アパート探し。そしていよいよ今週引越。隙間時間を上手に活用しながら返済用に口座作ったり、引越事務手続き、そして返済のためのアルバイト。
引越もあるし、被災地支援に行ったこともあり、アルバイト代は3万円しか稼げなかったけど、返済口座に入金して、先週、彼女の車のフロントガラスに置いてきた。